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公爵令嬢は転生したい  作者: 中兎 伊都紗
第一章 公爵令嬢は転生したい(第4部:土の国)
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第60話 公爵令嬢は病を治したい


ルルとは違う客間に通され、紙とペンを渡された。


「ぱっぱかぱっぱっぱーん。第2回精霊会議~」


アンディーン、サラマンディア、ドリアド、グノム、ミノム達を呼び出す。


「誰か、王様の娘を治す方法知らない?」


全員に問いかける。


「以前の私なら、強い願いは叶えることが出来たけど今はもう無くなっちゃったから……」


ドリアドの以前の力はチート級だ。一生に一度とはいえ、願い事を叶える力は強すぎる。


「すまない、私の力に病を治す力は無い。血液に混ざった毒を洗い流したりは出来るが……」


アンディーンは水関連を浄化する力があるようだ。だから洗濯の時に召喚されたのかな?


「アンディーン、フィーナが洗濯の精霊とか心の中で考えておるぞ」


光の精霊が私の思考をアンディーンに話す。


「ちょっ!そんな風に言ってないわよ!」


「言ってないけど、思ってるやつねぇ!わたしもそう思ってるわ!」


 ドリアドが追い打ちをかける。


「だれが洗濯の精霊だ!貴様らが毒でやられたたとしても、もう絶対に助けてやらん」


 アンディーンが拗ねた。


「俺の力も、命を吹き込み延命させることは出来るけど病は治せない」


 冷静な声で、サラマンディアが話す。


「「僕達も僕達以外で、どんな病でも治すことが出来る力があるって聞いたことないな」」


「私も筋肉がなくなるなんて病気は聞いたことがない。薬草の目星もつかないわ。どうすれば助けられるかしら……」


 グノム・ミノムの言葉に同意しつつ、独り言のようにどうすればよいか考え呟く。

 娘を治せれば、王様も兄を釈放してくれるだろう。


「サラマンディアの力で延命させ、延命させている間に聖女ポインセチアを呼ぶように言うのはどうかのお」


 聖女はどんなものでも取り戻す回復の力がある。それが人にも適用されるとは私も光の精霊から話を聞くまで知らなかった。おそらく王様も知らないだろう。光の精霊の言う通り、この案で交渉してみることにする。



 再度、謁見の間に戻る。


「殿下、砂漠の薔薇以外の方法でご息女を治せるかもしれません」


「ほう、明日に死ぬかもしれぬ娘を助けることが出来ると?」


「はい」


 腰にある短剣を取り出し、自身の手のひらに傷をつける。

 周りにいる騎士が剣を抜いて切っ先を向けてきたが、無視して話をつづけた。


「光よ、癒やす力となれ。光治癒ライトヒーリング。このように私には治す力があります。病を完全に治すことはできませんが、娘さんの症状を少し軽くすることが出来るはずです。試してもいいでしょうか」


「光の精霊の力か。そうだな、砂漠の薔薇も伝承では治すと言われているが確実というわけではない。ぜひ試してみてくれ」


 王様と一緒に娘の寝室へ向かう。




 娘の部屋は、キングサイズの薄ピンクのベッドに白い天蓋カーテンで包まれていた。

 ベッドの上で横たわる娘は、目は開いているものの、喋ることができない様子だった。本当に体がもう動かせなくなっているようだ。瞬き《まばたき》をしているので、かろうじて生きていると分かる。呼吸もしづらそうだ。


「サラマンディア、この子に命を吹き込めば話せるくらいには回復できるかしら?」


 サラマンディアを呼び出し、お願いする。


「分からない。1か月くらいなら延命できると思う。力を使った後の俺は俺じゃなくなるからあまり呼ばないで」


 サラマンディアは、私の髪の毛を少しすくいあげ、口元へ持っていく。


「!!??!!」


 髪にキスをされ、少しテンパる。

 今のあなたも十分サラマンディアっぽくないんですけれど、なぜお酒を買ったときのサラマンディアに今なっているのか?


「わ、わ分かったわ、お願いね」


 動揺を隠しつつ、サラマンディアの言葉に頷く。


「火よ、命を吹き込み、燃え上がれ。炎蘇生フレアリジェネレーション


 火の精霊サラマンディアは不死鳥の姿になり、王の娘と同化する。暫くすると娘の体から強い火が燃え上がった。心配になり、体に触れて火傷を治そうとしたが、その火はとても優しく安心感のある熱だった。柔らかな火で包まれた娘は、もちろん火傷はしていなかった。

 サラマンディアは娘から離れ、小さな姿となり紋へ戻っていく。


「い、いまのは?私の娘は大丈夫なのか?」


 火の精霊の炎を見ていた王様が心配そうに聞いてきた。


「火の精霊サラマンディアが命を吹き込んだのです。火傷はしていません、大丈夫です」


 娘の様子を見ると、呼吸が少し楽になっているようだった。しかし動くのは目だけのままだ。


「光よ、癒やす力となれ。光治癒ライトヒーリング


 火で燃えた娘を心配する王様を宥めるために念のため光治癒をかける。


「あ、ありが・・・と」


 とても小さな音だったが、娘の口が動き、音を発していた。

 吹き込まれた命の分だけ、症状が改善したようだ。およそ1か月前と同じ状態だと予想される。


「む、むすめが喋ったのか?」


「パハ」


 王は強く強く娘を抱きしめていた。

 王ではない姿を他国の者に見られるのは嫌だろうと思い、静かに部屋を出る。

 部屋の外まで、王の嬉しそうな声が響いていた。


主人公所持金:15銀貨14銅貨

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