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公爵令嬢は転生したい  作者: 中兎 伊都紗
第一章 公爵令嬢は転生したい(第2部:火の国)
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第33話 公爵令嬢は阻止したい

 マウナロア火山への道中は、上から降る岩石や火山灰の雨に邪魔された。麓から上を見上げたが山頂は全く見えない。標高は4200メートルほどありそうだ。煙で前が見えない中、山を登る。山を登り始めると地面から噴き出したマグマに襲われた。白い煙が立ち込め、視界も悪い。ウィンドボールで浮いていても、かなり危険が伴う道のりだ。登っていくにつれて気温がどんどん下がってきた。それなりに登ったはずだが、山頂に着く気配がない。


「フィーナ、少し止まれ。様子が変だ」


光の精霊の言葉に足を止める。


「風魔法で煙を飛ばしてみてくれ」


「風よ、いでよ。風球ウィンドボール


握り拳二つ分の大きな風球を前方の煙に向かって飛ばしたが、煙は微動だにせず、地面から上空に向けて立ち込めている。


「やはりか」


光の精霊が意味ありげに呟くと、リオスが目を覚ました。羽を伸ばして欠伸をしている。竜の姿のままで鞄から出てきた。


「お姉ちゃん、ここどこー?」


「今リオスのお家に向かってるよ」


「え!僕の家?僕の家ここじゃないよ」


「え!?うそ……。リオスが起きてから移動すればよかった」


項垂れながら呟くと突然煙が消え視界が晴れた。急に明るくなったなったので目がチカチカする。目が明るさに慣れ周りを見渡すと鎧を着た人々と剣や槍を持った人々の間に立っていた。


「正義は我にありー!炎竜を守れー!!!」

「うおおおおおお」


 急展開に頭が追いつけない。山を登っていたはずなのに、マウナロア火山の麓から少し離れた平らな場所に移動していた。光の国と火の国が火蓋を切り、正義を語り正面からぶつかり合う。その戦地の真ん中になぜ飛ばされたのか全く理解できない。


「どうしてこんなところに……」


「とと様が前に、人がお家に入ってこないよう山に近づく人には、幻を見せてるって言ってた」


風球ウィンドボールで煙が動かなかったのは幻影だったからのようだ。光の精霊に止められていなければ進み続けていたかもしれない。武装した人たちがこちらを目掛けて走ってくる。


「風よ、いでよ、風球ウィンドボール


上空に上がり、戦火に巻き込まれないよう避難する。


「お姉ちゃん、怖いよ」


リオスは初めて見る死闘に、恐れを感じていた。


 リオスになぜ戦っているのかを話し、家に帰る必要があることを伝えた。

 リオスは頷き、大きく息を吸う。


「とと様!!!!!!!!!!!」


マウナロア火山に向かって、大声で叫ぶ。戦っている人々はリオスの声に気づかず、刃を交え続ける。

 マウナロア火山からゴゴゴゴと音が響き、火山が噴火した。片翼7メートル以上ありそうな赤い翼が火山から姿を見せる。全長15メートル前後の炎竜が翼を動かし、空高く羽ばたいて戦地の真ん中にいるリオスの元へ飛んでくる。


「ウガアアアアアアアアアア」


耳をつんざくような咆哮が戦場に響き渡った。戦っている人々も手を止め、声がした方に顔を向ける。リオスから離れろと言わんばかりの咆哮だ。おそらくあれがリオスの父、レイスだろう。


「とと様……」


リオスが羽ばたき、フィーナから少し離れる。リオスを連れ去ったわけではないと説明する間もなく炎竜リオスの口に魔力が集まりはじめた。攻撃の沿線上には、光の国の冒険者がいる。攻撃を避けると彼らにあたってしまう。


「アンディーン。お願い!攻撃をはじいて」


右手の紋が光りアンディーンが姿を現す。火に強い水属性のアンディーンならなんとかしてくれるはずだ。水竜を瞬殺したのだからきっと大丈夫だと思い、アンディーンを戦場に呼び出す。


「すまない。あの攻撃を防げるほどの魔法が使えない。水がないと強力な攻撃魔法は撃てないんだ」


それは聞いてない。魔力でどの属性も出せるのは人間だけらしい。どうにか自力でなんとかするしかないが、何も思いつかない。


「アアアアアアアア」


大きな声と共に、炎竜が容赦なくブレス攻撃をしてきた。


「「水よ、いでよ、水球ウォーターボール」」

「風よ、我が守りとなれ風壁ウィンドウォール


2つ属性魔法を唱え、アンディーンも水球を出し、私の水球と合体させる。

水球ウォーターボールで炎竜の強力な火のブレスが消せるとは思っていないが、少しでも威力が落ちることを祈って、合体させた大きな水球を打ち込む。そして炎竜の攻撃が当たったとしても軌道をずらして上へいくように風壁を地面から上の風向きに出現させた。


「とと様、待って!」


リオスが火ブレスを止めに入る。


「あぶない!!!!」


リオスに向かって叫んだが、既に放たれたブレスを止めることも、リオスの前に風壁を置くこともできない。炎竜のブレスがリオスの体を貫き、そのまま水球と衝突する。水球は蒸発し跡形もなくなった。


「リオスーーー!!!!」


 水球でブレスの威力は少しだけ落とせたものの、風壁と激しくぶつかり直進しようとする。


「風よ、我が守りとなれ、風壁ウィンドウォール!!」


風壁を2重発動させる。魔力を集中させて風壁の風向きを上にし、火ブレスの軌道がずれるようにした。軌道がずれた火ブレスは人々の頭上ギリギリを通り抜けた。

主人公所持金:15銀貨98銅貨

誤字報告ありがとうございます。報告に対してコメントとか出来なさそうだったのでここに……。

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