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公爵令嬢は転生したい  作者: 中兎 伊都紗
第一章 公爵令嬢は転生したい(第2部:火の国)
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第29話 公爵令嬢は依頼を受けたい

ー翌日。

「お姉ちゃん、お姉ちゃん起きて」


 まだ外が薄暗い。起きるには早い時間にリオスに起こされる。

 起き上がり窓の外を見ると黒い雨が降っていた。太陽の光が部屋に届かず、起きるのが遅くなってしまったようだ。

 急いで身支度を整える。

 朝食を食べず宿屋を出て、リオスとアンディーンと一緒に冒険者ギルドへ向かう。

 窓から見えた黒い雨は、火山灰だった。営業している屋台はまばらで、どこも閑古鳥が鳴いていた。鞄を頭の上に乗せ、冒険者ギルドまで走って向かった。

 冒険者ギルドへ入ると、村長のバルマさんがいた。私達を見つけると安堵の表情を浮かべていた。


「お待たせして、申し訳ないです」


「いえいえ。来ていただいて安心しました。依頼はギルドに伝えていますので、受注お願いします」


 ギルドの受付嬢に、バルマさんからの個別依頼を受けたいと伝える。報酬は銀貨8枚と村に滞在する間の食事だ。ポーションが20銅貨なので、ポーション40本分の金額だ。なかなかの金額で嬉しくなる。冒険者カードを渡し、しばらくすると慌てた様子で男性が奥から出てきた。


「光の国の英雄にお目にかかれて光栄です」


右手を差し出されたので、握り返し握手をする。ぶんぶんと両手で強く握手をされた。


「私はギルド長のダン・ウェズベルトと申します。火の国にご滞在の間は、何でも相談してください。ご配慮させて頂きます」


「ありがとうございます」


「英雄殿、俺とも握手してくれないか」


「私も!」


ギルドにいた人達から握手を求められた。2日後にして称賛されるとなんだか気恥ずかしい。


「光の国から出ている報奨金はアンソワ家が預かっているそうです。フィーナ殿が見つかり次第、連絡するように各国のギルドへ通達がちょうど昨晩ありました。こちらからアンソワ家と光の国へ連絡させて頂きますね」


「お願いします」


 ギルド長はカウンターの奥の部屋に戻り、受付嬢から『依頼受付しました』と冒険者カードを返されたので、村長のバルマさんと一緒に冒険者ギルドを出た。


「フィーナ様が、魔水竜を倒した方と同一人物とは思いませんでした。英雄様にこのような個別依頼をしてしまって申し訳ないです」


「本当は私が倒したのではなくて、アンディーンが倒したんです」


「水竜など敵ではない」


「お兄ちゃん、強いんだー!とと様とどっちが強いかな」


「ふ、ふんっ。火属性の相手など怖くないわ」


心なしかアンディーンの声は少し動揺した声だった。


「フィーナ様のパーティーはお強いんですね。町の外に荷馬車を止めていますので、検問所からは馬車で移動しましょう」


「わかりました」


 検問所の前にあるお弁当屋で6人分の弁当を購入した。朝食用と昼食用である。

銀貨1枚を渡して、銅貨70枚と弁当を受け取る。

 検問所を出た後、荷台に座り朝ご飯を食べた。


「ここからどのくらいかかりますか」


「およそ1日かかります。今日の夜には到着するよう急いでむかいますね。もしよければ、道中に魔水流を皆様がどのように倒されたのかお聞きしてもいいでしょうか」


「途中で意識を失ってしまったので、分かる範囲でよければ」


 魔法使いの攻撃班としてアンソワ家の船に乗り、魔水竜を水から引き離すため大きな風球で包み込み、魔法・剣・槍で一斉攻撃をしかけた。よろめいた魔水竜がウィンドボールを解除しようと魔力を圧縮したビームを放ち、当たった私は海中に落ちて意識を失った。


とバルマさんへ、戦った内容を細かく話した。


「それで!それで!魔水竜はどうなったの?どうやって倒したの?」


リオスの食いつきがすごく良い。


「その後は、お姉ちゃん分からないんだ。ごめんね」


「その続きは、私が話してやろう」


アンディーンが得意げに語り始める。


「フィーナの気高き魂に呼応した私が、水の中より顕現し、大きな渦を描き魔水竜の動きを鈍らせた。❘水檻ウォータージェイルで水竜を捉え、水強奪ウォーターディプライで瞬殺したのだ」


 アンディーンが語る物語につい聞き入ってしまった。気絶した後にそのようなことになっていたとは。水竜討伐物語を聞き終えた村長は『実際に見たかった』とすごく悔しそうにしていた。話し終えた後、荷馬車に揺られながら昼食をとった。食べ終えた後、リオスは眠くなったのか竜の姿に戻り眠っていた。村長は馬をずっと走らせていたため、炎竜の姿には気づかなかった。


 村に近づいてくると道が荒れ始めた。灰や小岩がそこかしこに散らばっている。荷馬車がガタンっ!と大きな音を立てたので、その音に反応してリオスが目を覚ます。


「そろそろ、到着します」


 村長の声は少し疲れていた。ずっと手綱を握り馬を誘導していたので、疲労もたまるだろう。何もせず座っていただけの私も疲れていた。

 村に到着すると倒壊している家屋や火山灰で覆われた畑が見えた。村の中心部にある炎竜の銅像も翼が片方取れている。


「怪我している者達の所へ案内します」


 村長に連れられ、怪我人のいる部屋に入ると数十人の男女が横たわっていた。

 熱風の吸い咽が焼けた者、火山岩が当たり骨折した者、倒壊した家屋にあたって足を怪我した者などがいた。その痛々しい光景から解放されるためにもすぐに治癒にとりかかった。


光治癒ライトヒーリング。 光治癒ライトヒーリング。 光治癒ライトヒーリング。 光治癒ライトヒーリング


 何回唱えたか分からなくなったころ、急に視界が霞み倒れた。

所持金:主人公所持金:7銀貨98銅貨(▲30銅貨)

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