第14話 公爵令嬢は従魔契約したい(2)
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今まで戦闘をしたことがないため、どう戦えばよいか分からない。初級魔法で1匹を倒したとしても、同時に襲われたら、残りの5匹をどのように対処すれば良いか分からない。上級魔法の範囲攻撃が出来る魔法陣もあるが、自分の周りを囲まれると、範囲に自分自身も入ってしまう。なんとか狐の包囲網を抜けて、範囲攻撃の魔法を当てるしかない。しかしどのように包囲網を抜くことができるのか、思いつかない。
炎の壁がジリジリと燃え、さらに焦りが募る。
(ウィンドボールを使って包囲網を抜けよ)
「ウィンドボール」
光の精霊のアドバイスに従って、風の球で全身を包み、空高く持ち上げる。
すかさず魔法陣を2枚取り出し、魔法を発動させる。
「土よ、我が守りとなれアースウォール」
狐6匹を土の壁で囲い込む。
「火よ、土よ、弾となり我が力となれ。ファイアバレッド(炎弾)」
魔狐に炎弾があたり、狐が倒れこむ。
倒すと同時に、周りの霧が晴れた。霧は白い魔狐の力だったようだ。
安心すると気が抜けて全ての魔法を解除してしまった。
「キャアアアアア」
ウィンドボールを唱える暇がなく、地面に尻もちをついてしまった。
「痛っ。。光治癒」
立ち上がり、腰に光魔法の治癒を施すと、春の嵐のような風が吹き抜ける。
「大丈夫か。何があった」
桜師匠が駆けつけてくれた。
「魔狐に襲われて、腰を少し怪我しましたが、無事倒せました」
師匠はあたりを見渡し、戦いの跡に息をのむ。
「あ、あれは白狐じゃないか」
白狐の亡骸に近寄り、毛を触る。
「シルクのような柔らかい肌ざわり、高貴さを感じさせる美しい毛色。間違いなく白狐だ」
興奮気味に白狐の毛について、師匠が語り始めた。
「素材を売れば、普通の狐の100倍はする貴重な素材なんだ。」
「えええええ!」
ついに私の時代が来たようだ。たまたま狩りに出かけると、伝説の魔物ドラゴンやフェンリルに出会い従魔の契約を結んで、可愛いまたはカッコイイペットとして連れまわす。小説の中の主人公に私は慣れた!
「いや殺してるからの。従魔とか全然なってないからの」
脳内ではなく、姿を現し、話す。
「光の精霊様」
桜師匠が光の精霊にかしこまる。
「そこまでせんくてよいぞ。楽にせよ」
「はい。いかがされましたか」
「いやな、フィーナが白狐をペットにする妄想なんぞしていたから、つい のお」
「いいえ、ペットなら明るいタマがいるので大丈夫です」
「だれがタマだ!わしはタマではないわ!
そんなことよりフィーナよ、ペットが欲しいなら、なぜ昨日水の精霊アンディーンと契約しなかった」
「アンディーン!?フィーナ殿、水の大精霊と呼応したというのか」
桜師匠が思ったよりも大きな声で言うので、私のほうが驚いてしまった。
「たしかに呼んだのですが、怒らせてしまって……。すぐ帰られました」
桜師匠がワナワナと震えている。
「大精霊アンディーンは、水の国のピンチの時に現れると言われている伝説の精霊。多くの民を救いたい、守りたいと願う気高い心を持つ者でないと呼応しないと言われており、危機が訪れた国の王女や国王が契約することが多い存在。そんな精霊を呼び出すことが出来るフィーナ殿は一体……」
洗濯物のために呼び出したなんて口が裂けても言えない。高貴な祈りや願いがその時はなかったなんて絶対に言えない。
「そんなことより桜さん、狐達どうしましょう」
話している間ずっと離れることがなかった桜師匠の白狐を撫でる手が片手から両手になり、さらに高速化した。白狐の毛から離れることをすごく惜しんでいるのが伝わる。
「町につくまでは、桜さんがずっと持っていても大丈夫ですよ」
「本当かあああ。では他の狐は運びやすいように解体しよう」
桜師匠は白狐の亡骸を首に巻きつけ、解体作業を始める。
私も短剣を取り出し、慣れない手つきで、解体を行った。1匹の解体を終えると師匠は3体解体が終わっていた。2匹目の解体をしている間、師匠はずっと白狐を撫でていた。解体が終わった後、湖のほうへ向かった。道中にあった大魔木を1本引っこ抜き、湖に到着。そこにはとても美しい水の精霊が水浴びをしていそうな綺麗な湖が広がって
いなかった。
主人公の所持金:14銅貨
次回投稿予定:2月のどこか




