第13話 公爵令嬢は洗濯したい(2)
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「私を呼んだのは貴様か」
先ほどの威圧的な声ではなく、体の大きさに合った子どものような声だった。
「可愛い」
つい声が、漏れていた。
「可愛いとはなんだ。私が誰だか分かっているのか。私は水の精霊を守り統べる大精霊なんだぞ。敬え。人間」
「お名前はなんていうのかな?」
水の精霊と顔の位置を合わせ、子どもに話しかけるように声をかける。
「馬鹿にしているのか」
「私はフィナリーヌ。今はフィーナと名乗っているわ。あなたのお名前は」
「私はアンディーンだ。水の精霊である。貴様から懐かしい感覚がしたのだが……」
精霊は目を瞑り周りの気配を探る。
「これは、光の精霊のタマじゃないか!」
「タマじゃないわ!いきなり命名するな!」
「すまない。以前はタマと呼ばれていたから、ついうっかり」
「今まで一度も呼ばれたことないわい。いい加減なこと言うでないぞ」
以前にタマと呼ばれていたから、名前を隠したかったのか。納得である。
(呼ばれてないわ)
「それで私を呼び出したのは、何用だ」
「洗濯をしていただきたくて……」
「そんなことで私を呼び出したのか」
水の精霊アンディーンがわなわなと震えている。
「こ、こんなことで、この私の魂が貴様と呼応するわけが……。」
「わしもまさか水の精霊を統べる大精霊が出てくると思わなかったぞお。洗濯で呼ばれるとは、なんて愉快だ。はははははは」
「洗濯などせん。帰る」
「えっ!あ!待って!洗濯はしなくていいです。やり方を教えてください」
「ふんっ。では他の水精霊を使わすから、そっちにお願いするんだな」
大精霊アンディーンが水に変化し、その水がコップに戻った。
すぐコップの水が浮かび上がり、複数の小さな水玉となって、洗濯物の周りを囲む。
洗濯物がウォーターボールに包まれたあと、ぐるぐると回っている。
すると汚れが水上に浮いていく。渦を描くことで、汚れが上に浮くとは知らなかった。これなら私も初級魔法ウォーターボールを使って洗濯が出来そうだ。
汚れがとれると、汚れを含んだ水は窓の外に捨てられ、洗濯物がベッドの上に置かれた。
そう、びちょびちょに濡れた衣服である。
「あ、ちょっ濡れるわあああ」
急いでベッドに置かれた衣服を掴み、乾かすために窓の外に出して、ウィンドボールの魔法をあてて、水分を飛ばす。
水が滴らない程度に乾いてからハンガーに服をかけ、窓近くにある竿にハンガーをかける。
精霊であろう複数の小さな水玉はすーっと消えていった。
シャワーを浴びて、洗濯物も終わったので、ベッドに潜り眠りにつく。
隣で笑っている光の精霊の声が心地よい騒音のように聞こえ、すぐに眠りについた。
ブクマとか面倒いよね……。してくれたら嬉しいです。
主人公所持金:19銅貨
これは最強寒波が通り過ぎた1月28日の出来事。夜に投稿の準備をするべくなろうを開いたら、ブックマーク1 となっていた。ありがとうございますううううう。




