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公爵令嬢は転生したい  作者: 中兎 伊都紗
第一章 公爵令嬢は転生したい(第1部:光の国)
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第10話 公爵令嬢は準備したい(2)

カクヨムにもあります

 森へ入ると、桜師匠がさっそく薬草を見つけた。


「薬草が生えてるぞ。薬草と雑草の見分け方として、臭いがある。薬草はポーションの材料だからポーションと同じ臭いのものを採取するように。採取するときは、薬草を傷つけないように剣で根本を切るんだ」


言われた通り薬草の茎をつかみ、根本から短剣で切る。


「ここには1束だけしかありませんね」


「たしかに、見当たらないな。先へ進みながら探そう。フィーナは薬草がどんなところに生えるか分かる?」


桜師匠に質問されたので本の知識を答える。


「はい。書物には木陰に生えるとありましたわ」


「そうだな。薬草に種類があるのも知ってる?」


「いえ。あまり詳しくないです」


「薬草、毒草、属性薬草、月見草など色々な種類の薬草がある。そこらへんに生えている雑草や花にも名前があるように、薬草もたくさんあるわけだ。そして薬草ごとに自生している場所、採取方法、特性が異なる。例えば属性薬草のうち火薬草は直接手で触ると火傷する。水薬草はぬるぬるしていて、素手では採取がしにくい。そんな感じだ」


「そんなにたくさん種類があるとは知りませんでしたわ」


学校で学ぶのはどのポーションがどんな効果があるかを学ぶ。ポーションの材料となる薬草については、勉強の範囲に入っていなかった。

森を進みながら木陰を探す。見つかりさえすれば、10束なんてすぐだ。




と思っていた時期が私にもありました。

近くの森は薬草が採取されつくしたのか、兎同様見つからない。

薬草より先に魔木を師匠が見つけた。

魔木が魔法陣の材料で魔力をもった木というのは知っていたが、実際にどんな風に生えているかは見たことがなかった。

二足歩行でノソノソと歩いていた。私たちを見つけると普通の木のふりをして動かなくなる。

採取というより討伐という感じがする。動かくなった木を切ろうとすると


「いやあああああああああああああああああああああああああああああ」


と甲高い声で叫ばれた。そして早歩きくらいの速さで逃げていく。走れば追いつけるがあの叫び声に耐えられるかどうかは別問題だ。


「さて、どうやって採取すると思う?」


師匠は分かってたように聞いてきた。


「耳栓じゃたりないですね」


「そうだな。一般的には眠らせて切ったりするからな。しかしここには睡眠薬も無ければ、耳栓も無い」


「そうですね。木は火に弱いイメージなので、根本にファイアボールを当てるのはどうでしょうか」


足も遅いし、当たるはずだ。


「じゃあやってみようか」


少し走って魔木に追いつき後ろからファイアボールを打つ。


「いやあああああああああああああああああああああああああああああ」


再度、甲高い声をあげ火を振り払おうとぶんぶんと幹を右に左に回している。そして火は全体に燃え広がり、木は炭となってしまった。


「これでは採取はできないな。さてどうする?」


桜師匠は採取のやり方は知っているけれど、考えて行動する癖をつけるためにあえて教えない方式で教育をしているようだ。

今までは教えてもらったことに対して試験をして良い成績を収めてきたが、自分でゼロから考えるというのはしてこなったので、他に良い案が思いつかない。


「ヒントをだそう。学校で5元素について学んだだろ?」


「はい。火、水、木、土、風の5元素の魔法を適正があれば使うことができ、

火は水に弱く、水は木に弱く、木は土に弱く、土は火に弱い、風は全ての補助的な役割を果たすと習いました。

木は土に弱い……。ファイアボールでは焼けてしまうので、アースボールのほうが良い。ということですね。しかしアースボールで木が折れるほどの威力は難しいです」


「そうだな。なぜ木が土に弱いか分かるか?」


「木は土がないと生きられないからですわ」


「当たり前すぎて気づきにくいかもしれないが、魔木は地面から離せばただの木になる。土球アースボールの使い方を少し工夫してみるといい」


木を引っこ抜くために、魔法を使う。今までは魔法を使えるかどうかの試験や使い方の勉強だったため、生活に魔法を使ったことがなく、イメージがまったく沸かない。


(アースボールを打ち込むのではなく、持ち上げればいいのじゃ。こんな風に)


光のモヤから両腕が生え、木を引っこ抜くモーションをしている。

シルエットがなんだか小説に出てくるパチモンのイシツブテを連想させる。


(アースボールに腕が生えるわけないでしょ)


(ばかもの。腕はなくともボールを下から上に持ち上げればよいのじゃ)


(なるほど)


魔木に向かってアースボールを発動させ、下から上に打ち込んだ。


いやあああああああああああああああああああああああああああああという甲高い声ではなく、やああという叫び声で終わった。


「魔法は使い方次第で色んなことができるんですね」


「そうだ。机と向かってばかりだとこういう生活の知恵のようなものは身につかないからな」


「桜師匠と巡り合えて良かったです」


素直な気持ちを口にすると師匠がちょっと照れていた。


(わしが教えたのに、わしに礼は無いのかのおおお。冷たいやつじゃのおおお)


何か変な声が聞こえたが、今日の夜に相手することにしよう。


(相手してくれるんか。優しいのお)


語りかけたつもりの無い心の声に反応されるのは困ったものである。

主人公の所持金:9銅貨

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