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第47話 つまり…?
「ったくなんで逃げようとすんだよ。」
「いやな、ははは…」
どういう意図かはともかく、状況は非常に良くない。とりあえず予鈴が鳴るまでの後10分程を、どう保たせるかを必死に考える。
そもそも健斗の意図はなんだ?どこまで知っているんだ?わざわざ昨日来てまで話したかった事とは?何で今日は2人を呼ぶ必要があった?
誤魔化し笑いの裏で必死に頭を回してる途中で健斗が口を開く。
「まず1つ、聞いていいか?」
「…ああ。」
「…大丈夫なのか?」
気を張っていた割になんというか、らしくもない曖昧な質問に困惑する。
「大丈夫なのかって何が?」
「何がって事はないだろ。なあ?」
…いや、わからん。そんな大丈夫か聞かれるような出来事は俺には無かったと思うんだが。
「えっと…本当にわからないんだが。」
「そんなわけ…」
そう言いかけながら健斗は横の2人に目配せをする。何かあって心配されるのはむしろそちら側の方だと思うのだが。




