第40話 私は
何とか3話更新間に合いました。
授業も終わり放課後、俺は何とはなしに男子自由室に向かっていた。勿論何かがある訳じゃないしすぐ帰るべきなのはわかってるんだが、それでもと思ってしまうのは山名さんとここでカードを回してたのが名残惜しいからか。
それは俺のエゴだと分かっていても、ここでやってた対戦は楽しかった。実際のところ、俺がやりたい事はあの時点で殆ど達成していたようにも思える。それは俺の自分勝手で、山名さんを振り回して良い理由にはならないけど。
やっぱり俺はTCGがやりたいんだと、それを再確認して席を立つ。来週からは他クラスと接触するし、そのために対策を立てなければ。…誰か1人でもTCGを心から楽しめる仲間を探す為に。
そう自らを引き締めて男子自由室を出ようとドアを開けようとすると
ガツッ!ドサッ!
「…うっ…うぅ〜…」
誰かがドアの前に居たようで、思いっきりドアがぶつかってしまった。誰だろう…って!?山名さん!?
「大丈夫山名さん!?」
「あぁ…えっと、はい〜…」
山名さんは尻餅をついて頭を押さえていた。そんな事より何でここに?もう手伝わせる事は無いって言ったのに…
頭を抑える山名さんを男子自由室のソファまで連れて座らせる。しばらくして痛みが引いてきたのか山名さんが頭を抑えるのをやめる。
「それで、どうして来ちゃったの?もういいって言ったのに…」
「ご迷惑でしたでしょうか…」
「迷惑をかけたのは俺の方だよ。だからもう無理にする必要は無いって。」
山名さんが真剣な顔で此方を向く。
「私は、無理になんてしていません!」




