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第30話 枠線
放課後になって、山名さんを待ちながらいつもの男子自由室でお茶を飲む。ポットもティーバッグもあるんだよね、毎度のことながら本当にこんなに至れり尽くせりで良いのか疑問なんだけど。
「し、失礼します…」
そうこうしてるうちに山名さんが来た。相変わらず緊張してる感じだけど、随分マシになってきたと思う…多分。
「じゃあ、今日も宜しくね。」
「はい!」
これで山名さんと対戦するのは7回目、山名さんも結構対戦慣れしてきた。
「そういえば、その…」
「ん?何かあった?」
「この四角の部分って…」
山名さんが指し示すはイラストを入れる為に用意してた枠部分、ずっと気にしてる問題の箇所だった。
「あぁ、そこはイラスト入る予定だったんだけど、丁度いいのが無くてね…」
ここまで話すつもりは無かったのにうっかり話してしまった。発言的にもろに自分で作ってるのがバレるラインの事を話してしまったけどここから修正効くかな?
「…って知り合いが愚痴ってたなーって話、まあだから気にしないで。」
「えっと…はい?」
なんとか誤魔化せたかな、なんでか疑問系だったけどまあ大丈夫だろう。




