閑話 裏の失敗者 後編
ギリギリ16日って事で何卒
「…うん、城加君今日やっぱ来るの難しかったかなあって。」
なんとかそれっぽく誤魔化せたかな?正直心臓バクバクで苦しいくらいだけど、城加君が話さないでって言ってたのに話す訳にはいかなかった。これで言おうものなら本当に嫌われてしまうかも知れないし。
「そうかよ。なら良いんだけどな。」
そう言って早栗君は笑う。早栗君はまるで女の子が思い描いたような理想的な男の子って感じだけど、正直ちょっと無理をして作ってる感じがする。そんなこと言っても周りのみんなは気にしないだろうけど。
みんな早栗君と随分と打ち解けたみたいで早栗君を中心にクラスがまとまるのは最早確定的だった。私だって少し前なら早栗君に熱狂してただろうと思うけど、今はなんだかもやもやする。
みんな、城加君の事はどうでも良いと思ってるのかな?そんなはず無いんだろうけどそう思わずにはいられなかった。
それから少しして解散になった。クラスの女子のグループチャットでは早栗君について随分と盛り上がってたけど、混ざる気にはならなかった。
月曜日こそはちゃんと城加君と話そう。そう決意して月曜日を迎えたのだけど…
「…むぅ。」
昼休みどころか休み時間全部すぐ教室を出て行っちゃうなんて思わなかった。昼休みは見かねてすぐ追いかけたら、他のクラスの女の子に話しかけられてそのまま行っちゃった。
私はそれを呆然と見ていることしか出来なかった。




