第2話 軽い回想と絶望
朝食を取った後、改めて状況を整理する事にした。正直記憶が混ざって挙動不審扱いされそうだからな…妹にはもう思われてるかもしれんが。
今の俺の名前は城加連。前世の方の名前は何故か思い出せない。なんで?意識的には今の俺よりしっくり来てるのによくわからん。
前世視点で思い返すと今の俺結構複雑なんだよな。
まず両親いないし…いやこの世界じゃ父親が居ないのは普通だったわ。母親は小学4年の頃に病死…なんだけどやっぱ今思い返してもおかしいんだよな、それまで健康だったし。
んで親族の家で親権争いのいざこざの合間に卒業して中学に上がったぐらいに従兄妹の上鍵舞奈に連れられ東京まで大脱出して今に至ると…妹本当に小学6年生だったんだよな?
あんまり過去に思いを馳せてると気分が沈んでくるし、一旦この辺でいいか。
やっとやりたい事がわかったんだ。前世のTCGが出来ないのが正直辛いけど、でももしかしたらこっちにも同じのがあるかもしれないしワンチャン俺の相棒も来てたりしてなw
スマホの検索機能にTCGと打ち込む。あれ?検索候補に何も出ない…あー省略がこっちだと違うのかな?今度はカードゲームで検索…トランプ、花札…いやカードゲームと言えばそうだけどさあ!
「流石に無いって事はないだろw子供向けホビーでとりあえず探すか。」
調べてみたが人形やぬいぐるみ、シール等が大半を占めていて、カードらしい物はアーケードゲームぐらいしか見つからなかった。
「…いやぁこっちだとそりゃ女の子向けだよな当然。忘れてたはHAHAHA…」
本当に無いのではと不安が過ぎる。いやまだ候補はある。
流石にボードゲーム関連からならいけるでしょ、似たようなプレイヤー層もあったし、こっちに纏められてるのかもしれない。
「ボードゲーム自体が…無い。」
正確には戦略的なボードゲームが、チェス囲碁将棋オセロ程度しかない。後の大半はパーティ系の双六他程度で、それも下火で殆ど出てこない。
この調子じゃTRPGも似たようなもんだろう。それにやりたいのはTCGだ。
手元がふるえてまともに操作出来なくなってくる。スマホをベッドに放り投げそのままベッドに傾れ込む。
「これは悪い夢だ…そうだ、目が覚めたら新しいデッキを組むのもいいな…」
こんな世界ただの夢だと念じて眠るのだった。