表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ヘリオスドットコム

愛の押し付けなんて迷惑なだけですわよ

作者: 硝子町 玻璃

連載が一つ一段落したので、ちょっとしたお遊び投稿です。

1.とある名無しの女神がお送りします

粘着男「俺のものになろうとしない君が悪い」

わたくし「犯罪者のあなたの方がよっぽど悪いですわ」


わたくし間違ったこと言ってないですわよね?




2.とある名無しの女神がお送りします

>>1

神界ってそういう理屈で動く奴よくいるだろ?


女も男も




3.とある名無しの女神がお送りします

>>2

神界ならともかくあんなクズ理論人間界ではアウトですわ。


ちなみに粘着男の対象はわたくしではなくて、わたくしに仕えている神官の娘でしたの。




4.とある名無しの女神がお送りします

え? >>1に書いてることを直接男に言ったの?

自分とこの神様に文句言わせるってしっかりしろよパッパ




5.オイオイオイスター

コテハンをつけましたわ。


まず主要人物紹介

わたくし:水の女神ですわ。最近生牡蠣を食べてお腹を壊しましたわ

ミリア:今回の主役その1。可愛いですが気弱で押しに弱い性格ですわ

パッパ:神官でミリアのパッパ。すごいいい人ですけれど苦労人ですわ

レイモンド:今回の主役その2。キモすぎて草生える。草と一緒に燃えろ




6.とある名無しの女神がお送りします

レイモンドの部分で素に戻るなよ




7.オイオイオイスター

基本、わたくしに仕えている神官は家族持ちが多いですわね。女神によっては一生独身、童貞処女が絶対という規律もあるみたいですけれど、うちはその辺りが結構緩いのです。とりあえず殺人、窃盗、放火、強姦とか罪を犯さなければ一般人のように生活して大丈夫ですわ。


ある日、パッパが何かわたくしの目の前でもじもじしておりましたの。

聞いてみると六歳になった娘をわたくしに会わせたいと言い出しましたわ。


パッパ「世界一可愛いと思うんですよ、うちの娘」

わたくし「それってわたくしよりも?」

パッパ「はい!」(素直)

わたくし「女神よりも美しいってマジですの!?」

わたくし・パッパ「「HAHAHA!!」」




8.オイオイオイスター

翌日、パッパがウキウキしながら、わたくしの神殿にミリアを連れて来ましたわ。

ふっくらとしたほっぺにふわふわした銀髪。そんでクリックリの青い目。もう可愛い。これはパッパが女神よりうちの娘の方が可愛いって言うのも分かりますわ!


わたくし「グヘヘ」

ミリア「ふぇぇぇん!!」




9.とある名無しの女神がお送りします

幼女泣かせてんじゃねーか!!




10.オイオイオイスター

色々お話をしてみたかったけれど何故かミリアが泣いてしまったので、今日は帰ってもらうことにしました。

事件はその時起きましたわ。パッパとミリアの他にも家族連れの神官がいましたが、その息子であるレイモンド(6)がミリアを見るなり、ものすごい勢いで突進してきましたわ。


レイモ「きみのことがすきだ! ぼくのおよめさんになってください!」

ミリア「いやぁぁぁ! パパたすけてぇぇぇ!!」


レイモンド、何と初対面の相手を抱き締めるだけではなくミリアのファーストキスを奪いましたわ




11.とある名無しの女神がお送りします

運命の出会い…なのか?




12.とある名無しの女神がお送りします

端から見たら微笑ましい光景だけど、ミリアちゃんからしてみれば地獄やろ

見ず知らずのクソガキがキスしてきたんやぞ




13.オイオイオイスター

ものすごいスピードで我が娘からレイモンドを引き剥がし、泣き叫ぶ娘を抱き抱えるパッパ


パッパ「息子さんの唇燃やしてもらってもいいですか?」


殺意バリバリ最強ナンバーワンなパッパに、平謝りのレイモンドの両親……と思いきや、あらやだ可愛い~な雰囲気のお二人。

わたくしもパッパも大混乱。ミリア大泣き。


レイモ母「うちの息子、普段は女の子に全然興味がないんです。だからこんなこと初めてで……」

レイモ父「そちらのお嬢さんはレイモンドの運命の人なのかもしれませんね」

レイモ「おねがいします、おとうさん。おじょうさんをぼくにください!」




14.オイオイオイスター

脳内お花畑の両親とパッパをお義父さん呼ばわりするレイモンド。

ただ娘の純潔を奪われたパッパはすごく怒っておりました。


パッパ「お断りします! 突然ハグとキスしてくる男に娘を渡すつもりはありません!」

レイモ「おれのおよめさんになれば、もんだいありません!」

パッパ「君じゃなくて君のご両親に言っているんだよ」

レイモ母「まあまあ、子供がやったことですし」

レイモ父「女神様もこのくらいのことは、お許しくださいますよ?」

わたくし「子供だから罪に問われないだけで、立派な犯罪ですわよ」


レイモンドのパパママ真っ青




15.とある名無しの女神がお送りします

ド正論




16.とある名無しの女神がお送りします

子供がやったことですし←やった側の親が言うなよ




17.オイオイオイスター

そして月日は流れました。

パッパはパッパのままだったけれど、ミリアは美人になりましたわ。小さな頃あんなに可愛かったのだから、成長したら絶世の美女になることは誰もが予想していましたわ。

ですが、ミリアはちょっとした問題を抱えていましたわ。それは男性恐怖症になっていたことです。

原因は勿論レイモンド。あの時の出来事が完全にトラウマになっていたのです。


そしてレイモンドも…何も変わっていませんでしたわ。むしろミリアへの愛がますます大きくなり、ずっとミリアにべったり。

二人が同じ学校に通っているのもまずかったですわ。




18.とある名無しの女神がお送りします

トラウマと一緒の学校は辛くない!?

しかもレイモンドがミリアを好きなままなのが厄介だね…




19.オイオイオイスター

>>18

レイモンド親の仕業ですわ

パッパはレイモンドいない学校を選んだつもりだったけれど、ミリアが入学する学校調べたっぽいですわ


パッパ泣きながらわたくしに相談しに来ます

ミリアは学校でもレイモンドに付き纏われているみたいで、自分たちは婚約者、ファーストキスは6歳で済ませたって自慢気に話していたそう。恥ずかしくないのかしら?

ちなみにレイモンドは見た目だけはかなりのイケメンで、女子からの人気も高いみたいですの。

だからミリアは妬んだ女子からも嫌われて散々だったようですわ。




20.オイオイオイスター

挙句の果てに、レイモンドに泊まりに来ないか?と誘われるらしいですわ。

何とか断っているけれどミリアは相当怖がっているみたいで、パッパに相談することを決めましたわ。

妻に先立たれて男手一つでミリアを育てたパッパが取った方法は……わたくしに相談することでした。


突っ込まれるかもしれないけれど、これは仕方ないことですの。

レイモンドの両親は結構お偉い貴族で、パッパのおうちは一般家庭。初対面の時は知らなかったようですけれど、全てを知った今では下手に逆らうことも出来なかったのです。


話を聞いたわたくしはミリアを特級神官に任命しました。

特級神官は神殿の一番奥で住み込みでわたくしの世話をする神官です。わたくしの許可がなければ外出出来ない、一般神官との接触禁止というデメリットがありますけど、ミリアからレイモンドを手っ取り早く引き剥がせます。




21.とある名無しの女神がお送りします

牡蠣の女神やるじゃん




22.とある名無しの女神がお送りします

でも特級神官ってそんな簡単にしていいのか?

私んとこは徳積みまくったじいちゃんばあちゃんって面子なんだけど




23.オイオイオイスター

>>22

特に条件とかありませんわ。わたくしが気に入った人間なら全然いけますわ。


早速ミリアを連れて来て話をすると泣いて感謝されてしまいました。レイモンドはもうミリアと婚約する気満々みたいで、学校の送り迎えもしているとのこと。

ほんと心の底から嫌で嫌で仕方ないのに、周囲に相談しても「あんなに素敵な人にベタ惚れされてるのに贅沢」、「諦めて捕まっちゃいなよ」、「素直になったら?」と言われるばかりだったようで……。


こうしてミリアとの生活が始まりましたわ。

初めはレイモンドが迎えに来るかもしれないと怯えていましたけれど、少し経つとリラックスして過ごすようになりましたわ。

あとミリアの作るお料理がとっても美味しいのです。

ミリアも「あの人のことを考えないで過ごせるのが本当に幸せです」とおっしゃっておりました。


男性恐怖症も少しずつ治り始めて、他の特級神官と自然にお話が出来るようになりました。

ですが、そんな時大事件が起こりました。ミリアが神殿から姿を消してしまったのです。




24.とある名無しの女神がお送りします

まさかレイモンドに攫われたとか?




25.オイオイオイスター

>>24

その通りですわ。

こっそり神殿の奥に忍び込んだレイモンドがミリアを家に連れ帰ってしまったのです。レイモンドの侵入を許した見張りは口止め料を貰っていたようですけれど、こちとら女神ですわよ。

わたくしはすぐに水面に魔法をかけて、ミリアの居場所を捜しました。すると水面に怯えた表情を見せるミリアと、ニヤニヤ笑っているレイモンドの姿が浮かびました。しかもベッドの上でしたわ。


レイモ「ミリア、俺の子を産んで欲しいんだ」


ミリアが号泣して女神様女神様と必死に助けを呼んでおります。

私は焦りました。焦り過ぎて「うっかり」レイモンドの家に念を送ってしまい、アザラシやらトドを大量に召喚してしまいました。

レイモンドがトドにタックルされて、ふっ飛ばされてましたわ。




26.とある名無しの女神がお送りします

初夜をアザラシとトドに邪魔されるレイモンド可哀想で草




27.オイオイオイスター

わたくしは水の女神ですので、水がある場所ならどこからでも出てくることが出来ますわ、ふふん。

なのでレイモンド家の台所から失礼。メイドがびっくりしておりますが、構いません。レイモンドの部屋に突撃ですわ!


わたくし「ごめんあそばせー!!」(トドぶん投げて部屋のドア破壊)

ミリア「女神様! うっうぅ……助けに来てくださったのですね……!」


泣きながらわたくしに駆け寄るミリア。どうやら純潔を守ることが出来たようです。

レイモンドが「どうして」って顔でわたくしたちを見てきます。いや、こっちがどうしてですわよ。




28.とある名無しの女神がお送りします

水の女神こんなにすごかったん?

トド何キロあるんや




29.とある名無しの女神がお送りします

港町の女が強いのはオイスターネキ譲りやったんやな




30.オイオイオイスター

レイモ「女神様、どうして俺とミリアの仲を引き裂こうとするのですか!」

わたくし「お黙り! 特級神官を無断で連れ出すなんて規律違反ですわよ!」

レイモ「それはあなたが俺からミリアを奪ったからです。愛する者を突然奪われた人間の気持ちがあなたにご理解出来ますでしょうか」

わたくし「あなたが気持ち悪いことだけははっきりと分かります」


神は人間の心が理解出来ないみたいに言われてますけれど、そんなわけございません。

だって人間は神の製造物ですわよ???????

レイモンドは泣きそうな顔で取り戻そうと手を伸ばしますが、ミリアに悲鳴を上げられてしまいます。


ミリア「も、もう私には関わらないでください! あなたのことなんて愛していないの……」

レイモ「……それは分かっていた」

わたくし(え? 知ってたの?)

レイモ「だけど俺が毎日愛を注ぎ続けていれば、いつか振り向いてくれると信じていたんだ」

わたくし「あなた、ミリアさんがあなたを愛していないと知っていたのに、その状態で肉体関係に及ぼうとしましたの? あなたにウジ虫沸いているのでは?」

レイモ「子供が産まれたらミリアをこの家の人間にしてしまえると思って……」


ぼそぼそと話すレイモンドにミリアがまた泣き出しました。




31.とある名無しの女神がお送りします

まあ神でもよくある話だから…

何だったら普通に妊娠すればいいレベルじゃん

男神側がTSして産んだり、脇から突然子供生えて来ることもあるし




32.オイオイオイスター

何でこいつ、わたくしの神官なのでしょう……と絶望するわたくし。

人は反省して成長する生き物と言いますけれど、こんなぶっ飛んだ頭の神官いらないですわ。マジで。


わたくし「あなたとあなたのご両親には、わたくしの神官辞めてもらいますわ」

レイモ「な……っ! それは困ります。我が家は代々あなた様の神官を勤めてきた由緒正しき一族。その歴史に傷がついてしまいます」

わたくし「人間如きが女神に口答えしていいと思ってますの? 特級神官でもないくせに」

レイモ「…………」


黙るレイモンド。この男だけじゃなくて両親も「息子の運命の人! 絶対に結ばれて欲しい!」とミリアの気持ちガン無視で息子応援していたのですから同罪ですわ。

そうしたらレイモンドがミリアに「君はこれでいいのか?」と聞いて来ましたわ。


ミリア「……私は私を大切にしてくれる人を好きになりたいです。だからあなたとは……」

レイモ「どうして全部俺のせいにするんだ? 君が俺を好きにならないのは君にも原因があるんじゃないのか? 昔のことをいつまでも引き摺られている俺の苦しみを知るつもりもないのか?」

ミリア「…………」

レイモ「俺からしてみれば、俺のものになろうとしない君が悪い」

わたくし「犯罪者のあなたの方がよっぽど悪いですわ」

レイモ「…………」




33.とある名無しの女神がお送りします

オイスターネキに言い返せないのダッサw




34.とある名無しの女神がお送りします

昔のことをいつまでも引き摺っているってブーメランなのでは?

自分だって6歳の時にキス済ませましたって言って外堀埋めてただろ




35.オイオイオイスター

わたくしが「強姦って犯罪ですわよね? 神官失格どころか人間社会的にも最悪ですわよね?」と聞くと完全に黙りましたわ。


レイモンド一家には神官を辞めてもらいましたし、ついでに呪いもかけておきました。飲み水やワインを飲むグラスに必ず蛙の卵が混ざっているという呪いですわ。

それでも性懲りもなくミリアを連れ去ろうとしたから、全員魚に変えて現在は女神友達のペットになっていますわ。食用魚じゃなかっただけマシだと思って欲しいですわね。

最近になって、ようやくミリアにちゃんとした恋人が出来たのでその記念に書き込みしましたの。




36.とある名無しの女神がお送りします

よかったね ミリアよ幸せになってくれ




37.オイオイオイスター

レイモンドに犯されかけたのはやっぱりショックが大きかったようで、一時期はパッパとも話せない状態でしたけれど、乗り越えてくれて嬉しかったですわ。

今度ミリアの61歳の誕生日プレゼントにとびっきりの真珠でも用意するつもりですわよ。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ