プロローグ
全て者が、魔力を秘めて生まれて来る。
しかしそのほとんど者は、引き出す全て術知らずに朽ち果てる。
かつて、我々の国では、常人では計り知ら無い程の圧倒的な魔力や術を駆使し、戦国時代の裏側を駆け抜けていた者達がいた。 彼等は決して表舞台に出る事無く、あくまでも裏舞台で、歴史を支え、そして設計する。
当然の事ながら、彼等の活躍は、どの歴史書物や文献には、その名を刻む事など無い、それが裏舞台で生き抜く者達の運命
そんな彼等の事を人々は敬意を表し、文献神と呼ぶ…
式神術師 幾多弦斎は、武田信玄の元で、その力を存分に振る舞う、「これから先、我々式神術師が全てを取り仕切る」「この負け戦、我らの力で、ひっくり返して見せる」人間離れした才能を持つ鬼才の術師 弦斎は常に冷静沈着に、戦さ場の状況を見極める。
徳川家康に支える忍びの者達は、術の扱いに関しては、式神術師には劣る物の、圧倒的な身体能力と物理攻撃に長けていた。
「ヌルイ、ヌルイ、ヌルイーー」「糸切りの里の国頭、桂木シゲ、ただ今参上」「我らがこの地に足を踏み入れた限り、負け戦などと言う言葉は」「無い物と思えーー」シゲの渋き声が、戦さ場でこだまする。
忍びの者達の活躍は、文献神の中でも、他の追随を許さ無い
少数民族ながら、鳥鬼の力は、底知れ無く、あなどれない存在だった。
彼等鳥鬼は、人間の背丈とほぼ同じで、背中には立派な翼が生え優雅に飛びまわる事が出来、下半身は羽覆われ、足は大鷹の様に、鋭く長い爪が生えており、上半身は、人そのものだが、頭には、二本ツノが生え、手には魔力を秘めた杖を持ち、人間と同等程度の、頭脳を持ち合わせていた。
「上空を制する者が、戦さ場を制する」「そうだろお前達」「今回は、忍びの者達共に戦う運びとなっている」「準備が出来たならば俺に続けーー」
首領のダイスは、いかなる時も先頭に立ち戦さ場に向かう、多くの危険が待ち受けていようとも、その姿勢は崩さない…
戦国武将達は、この文献神に、高い金銭を払い、己れの城を守り、更には戦さを優位に立つ為の戦術などにも、深く関わっていた、つまりは金銭的に余裕の無き戦国武将は、消えて無くなる運命だった。
この時代に最も高い金銭を貰っていた文献神は、絶対的な魔力と破壊力を秘める、魔人の鬼だったが、彼等の首領は、金銭次第で、直ぐに手のひらを返し、戦国武将達を、まるで自分の手のひらで転がすかの様に、振る舞っていた。
「俺達を戦さ場に借り出したいなら、金を持って来い」「酒だ、もっと、もっとだ」「女だ、女はまだかーー」
この振る舞いを悪き者達と、声を上げる、人格者が現れ、それに伴い、術師、忍びの者、鳥鬼、の中より、才気あふれる者のみが集められ、陰の者として活動が始まる。
「我が名はウルシ、今宵より、お前達首領は、この俺だ」「当然の事ながら、お前達陰の者達には、鬼撲滅の為に才気あふれるその力を存分に発揮してくれ」「以上だ散れ」
陰の者達は、一体又一体と確実に、そして堅実に、全ての鬼撲滅に向けて着実に進めていたが、ある日事件が起きる。
それは秋口に夜風が涼しくなったある日の事だった。
鳥鬼の首領ダイズは、「月夜の散歩と、洒落込むか」呟き、大きな翼を広げて、人里離れた寝ぐらより、飛び出し、どこに向かうでも無く、ただ気ままに、木々の間をまるで縫うかの様に、優雅に飛んでいた「秋の夜風が、心に染み渡るぜ」小一時間程飛翔し、寝ぐらへ帰ろうとした時の事だった。
崖の上より、「キャーー」雌の鬼と思われる叫び声がダイズの耳に聞こえ、振り向いたその時「何だと」崖から一体の鬼の赤子が落ちている事を目にする。
「ススリーーー」と母親の赤子の名前を叫ぶ声が、辺り山々に虚しく、こだまする中、ダイズは一心不乱にこの赤子向かい飛び行きながら、思わず大声出す「ぬぁーー」「届けぇーー」・・・
全ては、ここから始まる
守るべき物とは、何なのか




