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第三章 プロローグ
もう一度、会いたい。
それは果たして、誰のヒガンだっただろう。
人は待っている。ずっとずっと。
緋色の罪を雪のように白く、紅の衣を羊の毛に変えるように。
神の所業を、人間が行うことは果たして可能か。
船は待っている。ずっとずっと。
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四人がそれに気付いたのは、その日の朝。日が高く昇り、もう少しで昼と呼べる、そんな時間帯だった。
前日まで続いていた激しい攻防から解放され、遅くまで寝入ってしまっていたのである。夜中に異変を感じて目を覚ます事もなかったのだから、よほど疲れていたという事だろう。
いつもは一番最後に起きてくるはずの創造主が、四番目に姿を見せた。そこで皆、やっと気付いたのだ。
ディオが、いなくなった。