表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
長年の想いを  作者: 叶山 慶太郎
1/9

幼馴染

「ふぅ」


部屋に鞄を置いて一息つく。学業に部活と学校というものは本当に疲れる。硬っ苦しい制服を脱ぐためカーテンを閉めようとするのだが


「あいつ、またカーテン閉めずに・・・・」


あいつとは、隣に住む俺と同い年の浅田香菜子、幼馴染みだ。カナの部屋と俺の部屋にはベランダがついている。簡単に行き来できるほど近い距離だ。それだというのにカナはカーテンを閉めずに着替えている。急いで俺はカーテンを閉めた。こういうのはこれが初めてではない。しかし、いつもというわけでもないのだが。ふとしたときにたまに彼女はやってしまうのだ。てか、普通逆じゃね?女のあいつがそういうのに気配るんじゃないの?


コンコン


窓を叩く音がする。

着替えた俺はカーテンを開ける。そこには顔を赤くしたカナが立っていた。窓を開ける。


「・・・・・・見た?」


「いやお前が見せびらかしてんだろ。てか何回目だよ」


「~~~~~~この馬鹿!」


そう言って殴りかかってくる。俺はそれを避ける。カナは空手を昔からやっていて事あるごとにこうして攻撃してくる。慣れとは怖いものでいつのまにか見切れるようになっていた。


「せい!」


「!」


こいつ金的狙ってきやがった。初めての技に避けられなかった。まぁ、避けられなかっただけでガードはできたわけだが。


「お前、男の金的は駄目だろ。いろんな意味で」


俺のダメージとか、お前の足に伝わる感触とかさ。


「私もやりたいわけじゃないんだけど、いい加減一発あんたにいれたくてね。いろいろ練ってたのよ」


「それだったら対戦相手のこととかにしろよ。なんで俺のことばっか考えてんだよ」


「な!?べ、別にあんたのことなんか全然考えてないし!馬鹿じゃないの!?ていうか、覗いたこと謝れ!」


「あーはい、どうもすみませ、んっ!」


言い終わる前に回し蹴りしてきやがった。


「チッ」


「女の子が舌打ちするんじゃありません」


「うるさい!」


そのあとも殴る蹴るの連続。一度も当たっていないが流石に疲れる。さっさと帰ってもらおう。

窓の前に立つ。カナが右拳を突き出してくる。それを避わしざま掴んで体を半転させ後ろへと引く。体勢を崩し、前につんのめったカナの背中を軽く押し、窓の外へと導く。窓を閉めて一件落着。窓から睨んでくるのでカーテンを閉めてやった。


「はぁ」


疲れた。いい運動になったと言いたいところだが、正直しんどい。


まぁ、こんな幼馴染みとの日常だが、不思議とそんなに悪くない。ていうか、割りと楽しい。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ