日記
今日は私が成人する日、20歳の誕生日。
と言ってもこの日記には今日が待ち遠しいと散々書き込んでいたね、今年になってからずっと楽しみだ、楽しみだと散々書き込んでいたし、周りの人々にとってもこの日記は見せてないけれど私がとても言いふらしていたので周知の事実だ、ちなみに私は自慢だけど住んでいる村ではちょっとした有名人、皆の注目の的とまではいかないけれど、皆私の事を知っていたりするのだ。
しかし今までとても色々な出来事があった、最初はわけが分からなかったけど、途中からこれから先の事を考えるようになって、今では幸せ、家族や友人に囲まれて幸せな毎日を過ごせるようになったから結果オーライなのかな。
でも私は幸せと書いてはいるが、実は今の母親は本当の母親ではないのだ。
具体的に言うと私は幼い頃まいごになり、元暮らしていた所に帰れなくなってしまったため、途方に暮れていた所、心優しいこの村の人々に引き取られたのだ。
そこで私は最初はおっかなびっくりだったけど色んな人たちと仲良くなっていった、今のお母さんだって本当のお母さんと同じくらい大好きだし、よく村長の家に遊びに行ったりだとか、友達とあてもなく走り回ってみたりしてよく遊んでいる、本当だ、ぼっちじゃないのよ。
でもそんな中、本当のお母さんだっていう人が私の村に訪れたんだ。
それで私は困っちゃった、なんてったって覚えてなかったんだ。
私のお母さんのこと、元の暮らしていた場所の事、何にも分からなくて、思い出せなくて、でも私の名前は最初から知ってて、きっとこの人が私のお母さんな事は間違いないのに私が覚えてないなんて。
その時は申し訳なくて仕方が無くて泣いちゃった、でもお母さんは「またこれから思い出を作っていこうね」って言ってくれたんだ。
それが2年くらいのことで、今まで仲良く2人のお母さんと3人で暮らしてきたんだけど、そんな時に大きな事件が起こったんだ。
本当のお母さんがいきなり倒れたんだ。
慌ててベットに寝かせて回復魔法をかけたんだけど、しばらくは意識が戻らなくて、気が付いたあとでもしばらくは立ち上がれないくらいで、大変だった。
私の住む村へ辿り着くまでかなりの無茶をしていたみたいで、魔力が切れたり傷が出来たら回復薬を使って回復してすぐに私を探す移動する生活を続けていたらしいんだ。
確かにポーション等の薬は即座に効果の出る便利な物だけど、急に傷が塞がったり、魔力が徐々に自然回復するのではなく一定量がいきなり体に入り込む形になる為慣れるまでだいぶ違和感を感じる物なんだ、身体が健康なら何の問題にもならないが極端に弱かったりした場合はそのポーションによる回復に体が対応できず逆に体調を崩すなんてことも稀にあるそうだ。
そして本当のお母さんが倒れた原因は10年近く本来身体にあった魔力が枯渇した状態で魔力を回復する薬をつぎ足すように使い続けてきたせいで、自らの体が魔力を生み出す事が出来なくなり、常に魔力の枯渇に悩まされる状態になってしまったのだという。
もう一人のお母さんに聞いてみたところこれはポーション中毒というもので、ポーションを使い続けすぎるせいで自分の本来の回復する機能が麻痺してしまい正常に機能しなくなってしまう病気なんだそうだ。
市販されているポーションは長い時代の中で改良に改良が重ねられており、どれだけ使おうともポーション中毒が起こらないようになっているのだが、どうやら自作した回復する魔力の量を重視した身体に無理をかけてしまうようなポーションを使い続けていたらしい。
私たちと暮らしている中で定期的にポーションを使って症状を抑えていたが、最近更に悪化してきてしまい、常に飲んでいるくらいでないと落ち着かなくなり、対処しきれず倒れてしまったのだとか。
とりあえず今は魔力の消費を抑えるために出来るだけ小さいものに変身して、私と常に触れる事で私から少しずつ魔力を貰いつつ、眠って安静にしていようという事になって、お母さんは黒色のブレスレットに魔法で変身して眠っているみたい。
正直お母さんから案を言われた時は意味が分からなくて驚いたけど、お母さんが魔法が得意でちゃんと変身したりする事が出来てもっと驚いた、たまにブレスレットの状態でもお母さんが起きていて、初めて話しかけられた時なんて心臓が飛び出るかと思った、ちゃんと効果が出てるみたいで少しは治り始めているらしいとはいえ私が驚いたりする反応を見て遊ぶのは酷いんじゃないかな、って思う。
さて、明日になったら私はちょっとした旅に出るんだ、というのも折角成人したんだし、生まれ故郷を探してみようと思う。
この村も故郷とは言えるし、殆ど覚えてない生まれ故郷なんかよりはよっぽど愛着も思い入れもあるけど、折角本当のお母さんとも会えたんだし、旅をするきっかけとしては良いと思うんだ。
まぁ実は世界を見て回りたい、旅行まがいの事をしてみたいっていうのが本音なんだけどね。
冒険者として旅をすることになるから、危険な目にも遭うかもしれないけれど、とりあえず生きていれば次があるし、村の頼れるお兄さん方に色々と教えてもらっているから無茶さえしなければ大丈夫!。
ヒョロい外見に惑わされて寄ってきた輩なんて返り討ちにできるんだからね。
さて、いい加減書き終えて寝ようと思う、一応バックとか準備はしてあるし、あんのり夜更かしして明日ふらふらでやっぱり行けませんじゃあ格好がつかないからね。
小説のようなものを書くのはこれが初めてで、読み辛かったりするところもあり、どこまで続けられるかも分かりませんが、どうかよろしくお願いします