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勇気
それからというもの僕らはとても仲良くなった。
ある日、僕の家に彼が来た。
でも、家には姉がいた。
「ただいま。」
小さな声で言った。
「こんにちは、お邪魔します。」
その小さな声に重ねて彼が挨拶をする。
「こんにちは!こいつとは違ってとってもいい子じゃない。」
にこにこして姉は言う。
「そんなことないですよ。」
いつもの笑顔で彼は返す。
「じゃあ部屋行くね。」
「またね。」
姉は彼の顔だけを見て笑顔で答える。
「はい。」
彼は照れたような笑顔で返事をした。
部屋に着くなり
「お前のねーちゃんかわいいな。」
そんなことを呟いた。
「そうかな。」
僕は軽く返したけれど心の中ではまた闇に包まれた。
ここから少しずつ暗めな話になっていきます。よかったら続けて読んでみて下さい。閲覧ありがとうございます。