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第五十八話 本日、女難の相あり

後宮を甘くみていた。


宮中の長い廊下を歩きながら、安林山こと劉星影はそんなことを考えていた。


後宮に来て半月が経つが、妹・劉星蓮に関する確実な情報はなにも得られない。

得られたものがあるとすれば、下級宦官から高級宦官の地位になったことぐらい。

望んで出世したわけではない。

願って、皇帝に気に入られたわけじゃない。

宮中で目立たないように、夜間行動したことが裏目に出たのだ。

偶然助けた相手が、皇帝であっただけ。

その結果、高官に取り立てられてしまったのだ。

出世欲のある者が聞けば、贅沢な愚痴だというだろう。

私も人間だから、欲がないわけではない。

でも今は、そんなことよりも、可愛い妹の星蓮を奪い返すことが先決!

そのためなら、危険を承知で皇帝の側仕えの高級宦官になってもかまわない!!

そもそも、星蓮は皇帝の妻として召しだされた。

それならば、夫である皇帝が、新しく入った妻の元へ行かないはずがない!!


それらの思いが重なり、二つ返事で皇帝の側仕えの高級宦官になった。

しかしそれは、危険と隣り合わせの世界へと足を踏み入れることだった。


危険その一、(おう)琥珀(こはく)

同じ下級宦官だったが、安林山の「陛下ぁ〜林山からの、お・ね・が・い・!」(多少脚色されております。)により、共に高級宦官になった男。

星影が宮中に来てから知り合った友達だが、【伯炎】という別名を持つ怪しい人物。

陛下襲撃直後に、黒ずくめの男に、誰かを殺す話し合いをしていた。友達ではあるが、油断できない相手だ。


危険その二、霍光(かくこう)

皇帝が気に入っていた、今は亡き霍去病将軍の甥。

若いながらも切れ者で、私が賊の仲間ではないかと疑った男。おまけに、安林山の身元の再確認を陛下に申請していた。幸い、その話を事前につかみ、裏工作(色仕掛け)をしたおかげで私に対する身元調査は阻止できた。しかし、まだまだ油断はできない。


危険その三、()延年(えんねん)

皇帝の寵愛を一身に受ける高級宦官兼

初めて会った時から、下級宦官・安林山を賊の仲間だと批判した人物。いつもイライラ怒っており、陛下を惑わすなと、わけのわからないことを言う。その後も、陛下のいないところで、あからさまに嫌味をいって突っかかってくる変な男。



ざっと見たところで、これだけの危険人物がそろっている。




いや・・・・彼らだけではない。

同じ危険は人物でも、一番の危険なのは―――――――――――!!





(皇帝陛下だろうな・・・・。)





漢帝国の七代皇帝・劉徹。

この国の最高権力者であり、絶対に逆らってはいけない相手。

文武に優れ、政治もきっちりとこなす人物。

一見立派そうに見えるが、実は、とんでもない()があった。




「実は、今の今上は・・・女性の方も好きですが、その・・・男性の方も好きなのです。」(情報提供:張空飛)

「(好きではなく、)大好物(だいこうぶつ)の間違いだ。」(情報提供:王琥珀)



そうなんだよ!!

美男美女が大好物!

恋愛対象・性欲対象の好色家!!

男も女も愛せる両刀使い!!!



皇帝の近くに行けば、星蓮の手がかりが得られると思った私にとって、これは計算外だった。


陛下に気に入られるような態度をとれば、【好意】だと受け取られ、襲われて操を奪われる危険があった。そうなれば、星蓮を救うどころか、私のとばっちりを受けて死なせてしまう可能性もある。

・・・・・・・正直、今の私に、元・男という設定で、男のふりをしている私欲情し、襲おうとする皇帝が嫌だ。

元をたどれば、この権力者のおかげで、星蓮は強奪されたのだ。

それでも、恭しい態度で接しなくてはいけないのが、忌々しいことこの上ない。

仮に、上手く陛下をあしらえたとしても、愛人・李延年が邪魔する可能性があった。

高級宦官・李延年が私を激しく嫌う理由。

それは、恋敵として安林山を敵視しているからだ。

李延年が側にいれば、陛下は私を襲わない。襲わないが、陛下から星蓮関係の話が聞き出せない。李延年の前でそんな話題をすれば、私の弱みを探している相手を喜ばせることになる。でも、李延年が側にいてくれないと、星蓮の話を聞きだす前に襲われてしまう。

今の私の課題は、李延年に邪魔されないで、陛下に教われないように気をつけながら、星蓮の行方を聞き出すことだ。どれか一つでも間違えれば、正体がバレてしまうだろう。



“目を付けられて!暴れまわって!死に掛けて!色物になって!お前ろくなことしてねーじゃん!!?”



まったくもって林山の言う通り。

成り行きで、出世するものではない。

身分が上がった以上、これまで以上に警戒しなくてはならないのだ。



そう思い、今後の立ち回りについて策をめぐられる星影。



しかし、星影を困らせているのはそれだけではなかった。

それらの男達以外にも、星影を困らせている者がいた。



「あら、見て林山様よ!」

「本当だぁ!相変わらず素敵ね。」

「宦官なんてもったいないわ!あの方が武官だったら・・・!」



柱の影からこそこそと――――――――・・・しゃべっているつもりでいる女官達。

そう、延年より執念深く、霍光よりするどく自分を監視する存在。





「林山様〜!!」





名前を呼ばれて振り返った先には。




「ご機嫌麗しゅうございますぅ〜!!」




にこやかに笑う女官達の姿。

全部で五人。

振り向いた星影の元へと、いっせいに集まってきた。

そして、彼女を取り囲むような配置につく。


「これから仕事ですかぁ〜?」

「え・・ええ。陛下に用事を頼まれまして・・・。」

「今日はどちらに行くんですのぉ〜?」

「はい、書庫の方へ行くのですが・・・。」

「まあ、なんて偶然!私達もそちらに行くところでしたの!ご一緒しましょう!!」

「・・・・はあ。」


またか?


これで今日は三回目だ。


さっきも、彼女達とは違う、別の女官達がそう言ってついてきた。

女官というのは、そんなに暇なのだろうか。

つーか、宦官よりも、女官の方が動き回りやすかったかな・・・?

もしそうなら、代わってほしい。

星蓮を探したいので、代わってくれ。


自分の後をついてくる女官達に、心の中で不可能な頼みをする星影。

そんな彼女をよそに、女官達は黄色い声を上げながら言った。



「あのぉ〜林山様は、どんな女性がお好みですの?」

「好みの女性・・・・・・・・!?」



予想外の質問に、星影の歩みは遅くなる。それと同時に、彼女は上ずった声を出していた。


「なんでまたそんなことを・・・」


そう言いかけて、星影は気がついた。彼女達の目が本気だったから。


なんだなんだ!?

彼女達は、市場調査でもしてるのか!?

男が好きな女性についてでも!?


(もしそうなら、なんと答えればいいんだ?)


「そう言われましてもねぇ・・・。」


返事に困り、あいまいに笑って誤魔化す星影。

しかし、そんな星影の態度を女官達は許してくれなかった。


「林山様っ!真面目にお答えください!」

「そうですわ!私達、真剣に聞いているのですよ!?」


怒られてしまった。


「いや・・・だから・・・。」


女の私に、好みの女と聞かれても。



(答えようがない・・・・。)



女官達の言葉に、困り顔で歩を進める星影。

その後を追いながら、彼女達は質問攻めをしてくる。


「ほら、細い女性が好きとか、太い女性が好きとか。」

「えっ?」


そう言いながら、腕を絡ませてくる女官の一人。くすぐるように、なでるように絡まされた腕。突然のことに星影は、すっとんきょな声を上げる。


「あ、あの!?」

「やはり美人がいいですか!?それとも・・・・可愛いほうがお好きですか?」


別の女官により、反対側の腕も同じようにつかまれる。


腕の自由が奪われた。



「いいえ!優しい女性が一番ですわ。細かいところにも手が届くような!」



いきおいよく、後ろから手を伸ばされて抱きつかれる。




「だっあぁあああああああっぁ―――――――――――――――!!!?」




(ヤバッ!!そこは胸ぇぇぇぇぇぇ――――――――――――!!!)




触られたら、女だってわかるじゃないかっ!!




思ったと同時に、叫び声を上げる星影。

そんな宦官の反応に、女官達はクスクスと笑いながら言った。


「もぅ!林山様ったら、本当にお可愛いらしいんですねぇ〜?これぐらいのことで照れたりして。」

「それとも女性の免疫がないのですかぁ?」

「め、免疫って・・・私は別に・・・。」


免疫もなにも、同姓だし。


そう言いたいのを我慢して、下に視線を落とす星影。すると彼女達は、さらにとんでもない発言をする。





「「「「「でも、そういう初々しいところに、惹かれますわぁぁぁ〜!!」」」」






ウイウイシイ?


ヒカレル?




その言葉に、眉をひそめる星影。



え?なに?

馬車に轢かれるって?

それとも楽器を弾かれる?

まさか・・・戦の時の退かれる?



「ど、どういう意味で―――――――――?」

「ですからぁ〜林山様は、お優しい上に魅力的で〜」

「お姿もお心も美しくてぇ〜!」

「行動的で、頼もしくてぇ!」

「私達女官が憧れ、夢中になるぐらいのぉ・・・・!」

「男らしいという意味ですぅ!」

「はぁぁぁぁ!!!?」



なんじゃそりゃぁあ!!?



女官達の言葉で、顔を上げる星影。そこには、目を輝かせながら自分を見る女達がいた。


「ちょ・・・みなさん!なにを言ってるんですか!?本気で、そんなことを言ってるんですか!?」

「いやですわぁ〜冗談に聞こえました・・・・?」

「違うんですか!?」




「「「「「本気ですっ!!」」」」」




声をそろえて言う女官に、星影はめまいを感じる。


「なにを言ってるんですか、みなんさん!?あのですね、私は後宮では卑しい宦官の身分ですよ!?私なんかに憧れるなんて、そんなの悪い錯覚で――――――――――!!」

「女官が宦官に好意を持つのはおかしいと、林山様はお考えなんですか?」

「当たり前でしょう!?玉無しの宦官と、陛下の私物である女官が―――――――・・・・!!戯れも、おやめなさいっ!!」


そう言って、強く叱った星影。対する女官達は、皆、呆気にとられていた。


(やば!きつく言い過ぎたかな・・・?)


内心、我に返って心配した星影だったが、その後の展開は、彼女の予想に大きく反していた。



「まあ、林山殿ったら。もしかして・・・何も知らないの?」

「知らないと申しますと!?」



なにかあるのだろうか。


疑問符が彼女の頭をめぐる。



「知らないのでしたら・・・私が教えて差し上げますわ・・・・!」



そう言ったのは、星影の右腕をつかんだ女官だった。視線をそちらに向ければ、彼女は妖艶な笑みを星影に見せる。そして、星影の頬を両手で包み込むように触れてきた。

わけがわからない星影は、相手の出方を知るため、相手の動きに文句を言わなかったのだが―――――――――――


「ちょっと!なにする気よ、このアバズレ!!」

「抜けがけはなしよ!離れなさい!」

「きゃ!?な、なによ!?」


途端に、甲高い声が響く。見れば、残りの女官達がいっせいに、星影から女を引き離しにかかる。しかし、それだけではすまなかった。


「なによ!私は親切で言っているの!!いざと言う時に陛下の前で粗相がないようにと〜!!」

「そ、粗相・・・・?」


すでに十分と言えるほど、陛下には無礼を働いている。

今生きていることでさえ奇跡なのである。


「なにが親切よ!色目なんか使って。林山様は陛下のいい人なのよ!勝手なことしないでちょうだい!!」

「い、色目?いい人・・・?」


彼女達の会話は、だんだん喧嘩腰になっていく。そして内容もエスカレートしていった。


「それに林山様にだって、選ぶ権利があるわ!あんたは引っ込んでなさい!!」

「あ、あの君達、」

「そうそう!ここは私がぁ〜」

「なんで貴方なの!?私の方が最適でしょう!?」

「いいえ、見た目で言えば、私よ!!この中で一番じゃない!?」

「ふぜけないで!!私が林山様の―――――――――!!」

「お、おい!」


女官達にもみくちゃにされる星影。

そして、そのまま掴み合い、罵り合いの喧嘩を始める女達。



「頼むから喧嘩をしないでくれ!!」



てか、巻き込まれる方の身にもなってよ!!


星影の言葉を無視し、争い続ける女官達。

それを鎮めようと、静かにしなさい、喧嘩はよくない、と、注意する星影。

それでも、うるさく騒ぐ五人の女達。



(いい加減、人の話を聞けよっ!!!)



女官のくせに、人の話し一つ、まともに聞けないのか!?



普段から、人の話を聞かない星影に、彼女達を非難する権利はない。

しかし、本人がそのことに気づくことはなかった。



「だいたい貴方の場合は、林山様を使って陛下のお情けを頂きたいだけでしょう!」

「ひどい!誤解ですわ、林山様!私は純粋に貴方をお慕いしているだけで・・!」

「お、お慕い!!?」

「まあ、なんてずうずうしい!私のほうが林山殿のことを!」

「よく言うわね、この浮気者!安様、信じてはいけませんよ。貴方様を本当に思っているのはこの私で、」


次第に距離を詰めてくる女官達。いつの間にか足は止まり、その場から動けなくなっていた。おまけに、窮屈なうえに身動きがとれない。


「ちょ、ちょっと!少し離れて・・・!」

「そうよ!離れなさいよ!」

「いや、彼女一人だけじゃなくて全員が―――――――――・・・!!」


そんな星影の声は、彼女達には届いていない。

その代わり、星影の我慢が限界に届きつつあった。



「痛い!引っ張らないで!」

「やめなさい!君!」

「やったわね〜!?このアバズレ!」

「よしなさいって!」

「そういうあんたは淫乱でしょ!?」

「だから、」

「ふざけないでよ売女!!」

「いい加減に――――――・・・・」

「なんですって!?いい加減に―――!!」







「・・・するのは君達だぁ!!喧嘩はやめろぉぉぉぉ―――――!!!!」







自分の耳元で騒ぐ女官達に、たまりかねた星影は大声で怒鳴りつける。

そして、腕と体を振り回すと、怒気を込めて言い放った。


「テメーら、いい加減黙れって言ってんだろう!?耳元でぎゃーぎゃー騒ぎやかって!!お前ら女官だろう!?恥ずかしくないのか!?」

「り、林山様・・・!?」

「宮中ってのは、得ればれた人間が来るとこだろう!?人で物のでも動物でも!!その中で女官となれば、礼儀云々(れいぎうんぬん)はきちんとしてなきゃだめだろう!?それがなんだ!!この様は!!?」

「あ・・・それは、」

「世の男がどういう女が好きか知らねぇ!!でも、人の話も聞けないような奴は、男でも女でもろくでも大嫌いだっ!!自分の話ばかりで、相手の話を聞かない、他人を思いやれない自己中ってことだからだ!!」

「安様・・・・。」

「人目も気にせず喧嘩するなとは言わねぇが、誰かが話を聞いてくれっていってるときは、真面目に聞きやがれ!!それが教養のある女官の態度かっ!!?」



そこまで言い切ると、肩で大きく息をする星影。




「ご、ごめんな・・・さい・・・・!」




その言葉で、星影はハッとする。



「あ・・・。」



見れば、女官達は身を寄せて震えていた。

何人かは、床にうずくまっていた。その面々を見れば、星影の腕や背中にくっついていた女性達だった。どうやら、星影が体を動かした(?)ことで、跳ね飛ばされてしまったらしい。星影の側から離れた場所で、彼女達は自分を見ていた。その目は完全におびえていた。それに気づいた星影は、慌てて謝罪の言葉を述べた。



「いや・・・怒鳴って悪かった。頼むからそんなに怖がらないでくれ。」



それでもなお、体を寄せ合っている女官達。



(これでは私は悪者だな・・・。)



罪悪感を覚えた星影は、できるだけ優しい声で女官達に言った。



「それに喧嘩なんかしたら、せっかくの美人が台無しだよ。みなさん、男心をクス倉さえるほどの美姫ですから。私も危うく、惑わされるところでしたよ?」



軽く笑って見せる。すると、それまで張り詰めた表情をしていた彼女達の様子が一変する。



「すみません、林山様!!」

「どうか、私達をお許しください!」

「みっともない真似をしたことを、反省しております!」

「ご迷惑おかけいたしました!!」

「申し訳ございませんでした、安様!」



そう言って謝る彼女達の顔からは、何故か笑みがこぼれていた。


「いいよ。わかってくれたら。もう喧嘩はよしてくれ。」

「お約束しますわ。もうしません!」

「私も。」

「私もです。」


彼女達の反応に安心する星影。だから油断していた。


「ただ・・これだけは教えてください・・・・・・・!!」

「なんだい?答えられる範囲なら答えるよ。」

「本当ですか!?」

「ああ。かまわないよ。」

「では―――――――――――――――」



そう言って、顔を見合わせると、声をそろえて言った






「「「「「私達の中で、誰が一番のお好みですかぁ!!?」」」」」






「は・・・?」





「「「「「せめてそれだけ教えてください!!」」」」」




仲良く声をそろえて言うと、再び自分に詰め寄ってくる女官達。

その迫力によって、壁に追いやられる星影。

どうやら星影の微笑により、彼女達の“反省”の二文字は遥か彼方に飛んで行ってしまったようだった。



なんだよそれ!?

反省したんじゃなかったの!?


「林山様ぁ!!」

「私の安様っ!」

「私の林山様よ!!」

「いいえ!私ですよね!?」

「はっきり仰ってくださっていいんですよ!私だと!」


なんなんだよ!?

女官って、わけがわからない!!

言葉も通じないし!!

だ、誰か!





(助けてぇぇぇぇぇ――――――――――――――――――!!!)





心の中で、星影が助けを求めた時だった。



「あいにくですが、林山にそんな暇はありません。」

「琥珀!?」



聞きなれた声がした。その方向を見ると、そこには王琥珀の姿があった。

彼は星影を取り囲む女官達を優雅に押しのけると、そこから彼女を救い出す。

そして、いつもと変わらぬ口調で言った。


「林山殿、すぐに戻るようにと陛下からの伝言です。」

「何!?本当か。」

「急いでください。遅れては大変なことになります。」



陛下からの命令。



あまり聞きたくはないが無視するわけにもいかない。

どうせこれも星蓮が見つかるまでの我慢だ。

それに、なにかあったのかも知れない。


「わかった・・・!では皆さん、私はこれで失礼します。」


呆気にとられている女官達を残すと、その場を後にする。早足で歩きながら星影は言った。


「琥珀が来てくれて助かった!それで、一体どこに戻ればいいんだ?今は朝の会議の時間ではないのか?」

「ああ。それが終わった後は、延年殿と酒を飲むそうだ。」

「は?延年殿と酒って・・・・・。まさかお前!」


星影の言葉に、悪戯っぽく琥珀は笑う。



「嘘に決まっているだろう、林山?」


シレッとした顔で普通に話す琥珀。



私も結構大胆不敵だが、こいつもかなり大胆不適かもしれない・・・・。



自分に語りかける友が、いつも以上にふてぶてしく見えた。





最後まで読んでくださり、ありがとうございます・・・・!!


星影の宮中での日常です。ややこしい相手は、男性のみではないという話(笑)


それから、小説とは関係ありませんが、最近更新が遅くてすみません(大汗)

なんとか、2008年8月8日にアップすることができました(苦笑)


※誤字・脱字がありましたら、お知らせください・・・!!ヘタレですみません・・・(土下座)


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