表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
45/124

第四十五話 愛弟子達の尻拭い

劉星影の妹兼林山の婚約者である劉星蓮が後宮に強制送還された。これに対して、弟子二人が取った行動は、難攻不落(なんこうふらく)といえる女の(その)から妹を奪い返すことだった。最高権力者のために集められた、美しい女達がいる場所・・・それが後宮。そこに、身分を偽って侵入するという星蓮の姉とその婚約者。



「「厳師匠、どうかお力をお貸しください!!」」



愛弟子二人から協力を求められ、義侠心から快く承諾した自分。

弟子達のために、資金を提供し、宦官証明書を偽造した自分。

若い二人の無謀な作戦を、いろいろと忠告しながら見送った自分。



「林山が、(星蓮奪回作戦に)集中できないので、父上達に(星蓮奪回作戦を)知らせることにします!」



その弟子の言葉を信じ、両親やその親族の前で、悪い師匠を演じた自分。

ふてぶてしくて、無責任な男を演じた自分。

必死で、猿芝居をしていた自分。




(わしは演じていたのだが・・・・。)





「どういうことですか!?飛龍殿!!」

「筋書きとはどういうことですか?どんな筋書きですの!?」

「厳師匠!!あなたなにか知っているのですか!?だからそんなことを仰るのでは!?」

「そうですわ、飛龍先生!心当たりがあるなら黙ってないで仰ってください!!」



・・・・・・弟子達の両親は、演じていたわけではなかった。


伯孝殿は、本気で自分に問いただしていた。

丁夫人は、本気で怒り散らしていた。

癒遜殿は、本気でこの事態にうろたえていた。

喬夫人は、本気で娘達を心配していた。



「どこにいるのですか、星影は?娘は―――――――!」

「林山はどこなの!?林山は、息子は―――――!!」




「「「「あの子は、無事なのですか!!?」」」




――――――――――本気で、自分の子供のことを心配していた。




(と、いうことは・・・・つ〜ま〜り―――――――――――・・・・!!?)




自分に詰め寄ってくる親達を見ながら、飛龍はひどい頭痛を覚える。




(あいつらぁぁぁ――――――――――特に星影っ!!)




この場にいない相手に対して、心の中で激しいツッコミをする武術の師匠。




(自分の親達に、星蓮奪回作戦を作戦知らせてねぇのかぁぁぁぁぁ!!?)



そう思った瞬間、背筋が凍りつくのを飛龍は感じた。


冗談じゃないぞ!!つーか、星影!本当に書簡を送ってないのか!?

わしは知らせたものだと思って、話を進めていたんだぞ!?

お前がきちんと、連絡してるもんだと思って、わしは芝居してたんだぞ!?

親達以外にバレないように、親族の前で、本当に林山を手術したと嘘をついたんだぞ!?

尼志望でもないのに、お前が尼さんになったみたいに言ったんだぞ!?

それがお前・・・肝心の両親は、なんにも知らねぇじゃんか!?

自分で言い出しておいて――――無責任にも(ほど)があるだろう!?



(とにかく、それはそれとして!!・・・・まいったなぁ〜!)



彼の感情がツッコミを連発する一方で、理性の方は別のことを考えていた。


(親達が知らないとなると・・・ここで真実を知らせるのは、いろいろと都合が悪いぞ・・・!)


これから自分が、どう動くべきか。


星影が事前に作戦を知らせていないとなると、代わりに自分が説明しなければいけない。心配する親達に、子供の無事(!?)を知らせてもよかったが―――――――――


「どういうことですか、厳先生!?筋書きや台本とはなんですか!?」

「え・・いや・・・!」

「林山と関係があるんですか!?息子に関係があるんですか!?ねぇ!!」

「ちょ、ちょっと!丁夫人!」

「林山の居場所を知っているのですか!?そのなのですね!?会わせて!息子と会わせて!!」

「ちょ・・・落ち着いてくだされ!」

「あの子が玉無しでもかまわなの!生きていれば、それで私はいいの!!」

「だから落ち着いて、丁夫人!」

「子供が作れない体でもいいの!跡継ぎは、養子を取るからそれでいいの!私は、息子がそばにいてくれれば・・・・それでいいの!」

「あ、あの〜・・・。」

「林山が・・・林山が、私の側から離れるのがいやなのよぉ〜!!」

「あ―――・・・・。」

「林山・・・!林山・・・私の坊やぁ―――――・・・!!」

「・・・。」


(真実を伝えれば、これ以上に大騒ぎするだろうな・・・。)


自分の胸をつかみ、乱暴に衣服を揺さぶり、声を上げて泣く女性。


(・・・・・この女に、一から説明するは大変だろう・・・?)


星影の両親はともかく、林山の母・・・丁鳳娘が、その話を大人しく聞くとは思えない。

林山の母に、息子の体は無事だと知らせることが困難だろう。

相手が、最後まで自分の話を大人しく聞くとは思えなかった。


付け加えれば、さらなる修羅場が、その先に待っているような気がしたのだ。


(わし・・・二人からの連絡を待つように説得出来るか?)


「うっうっ、林山!母が悪かったわ、私が・・・!」

「・・・。」

「お願いだから、私のところに帰ってきて!林山・・・!!」

「・・・。」


(・・・・・・・・決めた。)



いい加減、林山の母の声を聞きあきていた飛龍は、ある決断を下す。




(本当のことは、しばらく黙っておこう。)




真実を、胸にしまう決断をしたのだった。



飛龍がそう決断したのには、いくつかの理由があった。

まず、この問題が複雑だったことにある。

星影と林山が、星蓮を後宮から奪い返そうとしていること。

後宮に入るために、星影と林山が入れ替わったこと。

女の身であり我なら、宦官になった星影のこと。

星蓮救出後は、都はもちろん、藍田から離れた知らない土地で、林山と星蓮が新婚生活を送ること。

星影が、星蓮救出後は、劉家や安家に迷惑をかけないために、尼となって罪の償い(!?)をすること。

・・・・・・それらを、慎重に話さなければならなかった。言葉を選び、相手に気を使いながら話すことなど自分には無理だった。口は達者だが、(こま)やかな対応をするのが得意ではない。言い方を(あやま)れば、さらなる誤解を与えてしまう可能性がある。

次に、真実を聞いて、弟子の両親達が騒ぎ立てる恐れがあった。万が一、その話を使用人達にでも聞かれてしまえば、【噂】として、人の口から口へ伝えられる恐れがあった。仮に、使用人でなくても、偶然その話を聞いた人間によって、バラされる危険もある。バラされなくても、脅迫の材料にされる場合もある。もっとも、聞かれてしまった時点で、こちらが不利になるのは目に見えている。

そして今、一番考えられる可能性として、弟子達に会いに行かれることだった。子供のことが心配になった母親が、都まで出向いてしまう可能性がある。【母親】というのが、どちらの女親かは、言わなくてもわかること。あれほど、息子がかわいい彼女なのだ。しかも、武術の心得まであるのだから、息子を連れ戻しに行くと言い出すに決まっている。そんなことをされれば、星蓮を救い出せても、二人が夫婦になることは出来ない。そうなれば、星影が黙っているはずがない。今度は別に、もう一騒動起こるであろう。


(『知らぬが仏』なら、『言わぬも仏』だろう・・・。)


それら、すべての危険を防ごうと思えば、言わないことが安全だと飛龍は判断したのだ。


大体(だいたい)、なんでもかんでも親に教えるなんぞ、五、六歳の(わらべ)がすることだろう?)


最初から、両親に作戦を知らせるという提案に飛龍は乗り気でなかった。

星影にしても、林山にしても、若さに任せて無茶なことをする。その(あや)うさを(あらわ)したのが、星蓮奪回作戦の報告だった。(ただ)でさえ、危険極まりない作戦をしているのに、これ以上の危険の負荷(ふか)をかける必要はない。例えるならば、(あぶら)(びん)(かか)えて、火の海を走り抜けるようなものである。

だから、星影の危険な作戦を、彼は(にぎ)(つぶ)すことにしたのだ。


もっとも、飛龍が言わずにおこうと決めたのは、面倒くさいというのが一番の理由だったりする。


(まぁ・・・生徒の悪いところを治すのが、先生の役目だからな。)


自分の中で都合よく、気持ちを変換させると、視線を弟子の両親へと向ける飛龍。

ところが――


「飛龍殿っ!!」

「飛龍先生!!」

「厳師匠!!」

「厳先生ぇぇぇぇ・・・・!!」


そこには、鬼のような表情で自分を(にら)む両親の姿。


(・・・・うん。絶対に黙っておこう。)


その姿を見て、再度、心に固く誓う飛龍。


これ以上の面倒は、ごめんだから。

わしは、弟子の尻拭いをしなければならないのだ。


そう考えると、事態を収拾するための行動に彼は出た。

()くし立てるように聞いてくる親達に、飛龍は体ごと彼らに向きなおすと言った。


「伯孝殿・・・ものは相談なのですが・・・。」

「なんでしょうか!?」

「この件は、わしに任せていただけませんか?」

「はぁ?どういうことですか・・・!?」

「あなた方のお子さんの件を、わしに任せていただけないでしょうか?・・・と、いうことですよ。」

「飛龍殿にですかぁ!?」

「左様。お任せくだされ。」

「待ってください!任せると言っても・・・どうなさるおつもりですか!?」

「そうですわ、飛龍先生!星影も、林山殿も・・・都に行ってしまったんですよ!?探すにしても、私達が探した方が――――」

「心配無用。あて(・・)があるのですよ。」



「「「あて(・・)!?」」」



飛龍の言葉を受け、声をそろえて叫ぶ弟子達の両親。


「そ、そそそそそ、それじゃあ!厳先生は息子の居場所を知っているのですか!?」

「まぁ・・・あては、ありますので。」

「どこです!?どこに林山はいるのですか!!?」

「知りたいですか?」

「当たり前でしょう!?もったいぶらずに言ってください!!」

「いいでしょう・・・。その代わり、二つほど条件があります。」



「「「条件!?」」」


「二つもですか!?」


「嫌なら教えませんが?よろしいですか、丁夫人?」

「くっ・・・!い、嫌では・・・ありませんが・・・!?」

「そうですとも!是非、お聞かせください!」


怒りを()えながら言う丁夫人と、滅相もない、と言いながら答える安癒遜。そんな夫婦を見比べながら、得意げに飛龍は言った。


「簡単ですよ。一つは、星影と林山の話は、しばらくの間他言無用にしていただきたい。」

「他言無用って・・・」

「もちろんですわ!厳先生は、私達が林山のことを世間に言うとでも思ってらっしゃったんですか!?」

「いや・・・丁夫人はしゃべらないとわかっていますから。」

「なんです!?その言い方は!?」

「まぁまぁ落ち着きなさい、鳳娘!それで?もう一つの条件はなんでしょう!?厳師匠!?」

「ええ・・・。もう一つは、星影と林山の件を、わしに一任し、極秘に扱っていただきたいのです。」

「飛龍殿に、星影達のことを一任!?」

「それも、極秘にですか・・・?」

「そうすれば、星影と林山に、会うことが出来るでしょう・・・!」


茶化しながら言う飛龍に(いぶか)しそうにする親達。そんな中で、一人、丁夫人だけは笑いながら(おう)じた。


「ホホホ!・・・いいでしょう・・・!厳先生の条件を、私はのみますわ。」

「鳳娘!?」

「丁夫人!?」

「おお!わかってくださるのですかぁ〜!?」


丁夫人の言葉に驚く親三人と、意外だと言わんばかり尋ねる飛龍。そんな息子の師匠の問いに、丁夫人はカッと目を見開くと言った。


「その代わり・・・私達の要望にも、きちんと答えてくださいね!?」

「つまり、林山・・・ご子息と再会させることですか?」

「もちろんです!それ以外に、私達の望みはありません!それとも、そんなこともわかりませんの・・・!?」

「ご心配なく。確認のために聞いただけですから。」

「それならいいですが・・・くれぐれも、息子と会わせるという約束を守ってくださいね!」

「もちろんですよ。そんなにわしは、信用できませんかな?」

「当然ですわ!!もしあなたが、林山と会わせるという約束を破った時は――――――!」

「・・・なんでしょう?」



「息子・林山と、星影殿をたぶらかし、誘拐した罪で、役所の(ごく)につなぎます・・・!?」



ほとんど、脅迫の意味を込めて言う丁夫人。それに対して、あっけらかんとした口調で飛龍は答えた。


「いいでしょう。藍田から追放するなり、なんなりど〜ぞ。」

「あら、藍田(・・)から(・・)とは限りませんよ?この(・・)()から(・・)・・・という可能性も考えておいてくださいね・・・!?」

「ハハハ!また一つ、丁夫人絡みの『笑える思い出話』が増えましたな〜?」

「本当に、減らず口ですわね・・・!?」


こうして、見えない火花を散らせる林山の師匠と母親。そんな二人の間に割って入りながら、劉家当主は飛龍に言った。


「飛龍殿・・・・・あなたを信じないわけではありませんが、一体どういった方法で星影達を・・・?」

「わしに一任してくださるのでは?」

「お任せしますが――――――――せめて、どうするかぐらいはお聞きしても・・・?」

「一任しているなら、野暮な話は無用です。」

「しかし――――――!」


「無用ですぞ。」


劉家主人の質問を、目で制すと口だけで笑う厳飛龍。その笑みは劉家主人を始め、周囲の者達を圧倒するなにかがあった。



「それではこれより、劉星影・安林山・劉星蓮の話は他言無用。この件はただ今より、厳飛龍にすべてを一任し、極秘扱いとさせていただきますぞ!よろしいですな・・・!?」



有無を言わさぬ、侠客兼武術師範の言葉。厳飛龍の発言に、誰も反論しなかったが・・・。



(何故だ・・・?何故、悪巧(わるだく)みをした時の星影の姿を思い出す!?)



劉伯孝の脳裏には、ドス黒く笑う娘の姿が浮かんでいた。

何故、そんな姿を思い出したのか、彼が知るすべはなかったが――――――・・・・




(((本当に・・・・任せてよかったの・・・・・?)))




他の三名も、同じような不安に駆られていた。

その場にいる全員が、言葉では言い表せない恐怖を覚える。

こうして話し合いは、親達を不安の渦に巻き込んだ男によって、半場強制的に終了させられたのだった。

弟子の不始末を師匠が上手くまとめた頃、問題の弟子達は重苦しい空気の中にいた。

林山から(うなが)され、星影はこれまで後宮で起こった出来事を話していた。

最初は、後宮での宦官達の実態についての感想だった。

それが、宦官にならなければ生きていけなかった者達の家庭事情。

そこから、友達になった張空飛・王琥珀の話になった。

王琥珀の話が出たところで、同じ宦官でありながら、琥珀が『(はく)(えん)』という名前を持つ怪しい人物であること。

さらに、王琥珀こと(はく)(えん)が黒ずくめの男を従え、皇帝陛下を殺そうとしたこと。

そして、その集団に襲われていた皇帝陛下を助けたこと。

結果的に、皇帝の側仕えの高級宦官に出世してしまったこと。


・・・・など等を、事細(ことこま)かに話していったのだ。


最初は驚きつつも黙って聞いていた林山だったが、話が深刻になるに連れ、その表情は硬いものへと変わっていった。


「・・・・以上が話の大筋なの・・・。」


一通り話終えると、林山が入れてくれた湯を一気に飲み干す星影。


「・・・・つまりお前は、俺に成りすまして入った後宮で、喧嘩はする、賊は蹴散らすし、

皇帝の愛妾(あいしょう)になるといったことをしたわけか?」

「愛妾にはなっていない!だが・・・それ以外はすべて事実だ。」


林山の言葉に、一部修正を加えると彼女は言った。


「だが別に、好きでしたわけじゃないんだ。喧嘩にしても、人を見下す態度が許せなかった。賊を蹴散したことも、不埒(ふらち)な輩を放って置くわけにはいかなかった。皇帝の・・・お側仕えになることを決めたのも、星蓮の情報を知るいい機会だと思ったからだ。愛妾になるつもりはもちろんない!!すべては――――・・・その・・・成り行き・・・かな?」

「成り行きか?」

「成り行きです。」


念を押して聞く林山に星影は黙って頷く。

それを最後に、部屋の中は沈黙が漂う。


(やだな〜・・・もしかして、林山の奴、怒ってる?)


「林山・・・怒ってるの?」


心配になり、声に出して聞いてみるが、返事は返ってこなかった。それが、星影の不安を(あお)り、しゃべらせると言う言動に駆り立てた。


「悪かったよ、林山!でも仕方ないじゃん?」

「・・・。」

「だってさ、初日にいきなり一方的な因縁つけられたら、無視なんて出来ないだろう!?」

「・・・。」

「琥珀の怪しい一面を発見したことだって、星蓮を探しに行った帰りだったんだぞ?たまたま、居合わせちゃっただけだよ!?」

「・・・・。」

「陛下を助けたことにしても、陛下だなんて知らなかったんだよ!?あんな怪しい変態・・・誰が陛下だと思う!?救出したのは、偶然の産物じゃないか!?」

「・・・。」

「意地悪な先輩達を助けたのだって、私が原因で殺されれば、後々で面倒だと思ったからよ!噂とかされたら、目立つじゃないか!?そしたら、星蓮探しの邪魔になるだろう!?」

「・・・・。」

「そりゃ・・まぁ、陛下の側仕えになったのは、危険もあると思うけど、うまく色仕掛けをかければ、星蓮を見つけられるかもしれないじゃん!?」

「・・・・。」

「とーにーかーくっ!仕方がなかったんだよ!!すべては・・・星蓮を助けたい一心!林山のためにも、短期勝負で、片付けたかったんだよ!」

「・・・・俺のため?」

「そうだよ!仕方なかったんだよ!!」

「・・・そうか、仕方ない・・・か。」

「わかってくれたの、林山!?」

「仕方ないよな・・・・。」

「そうだよ!仕方ないよ。アハハ!」

「そうかぁ〜ハハハ!」



「「ア――――――ハッハッハッハッハッ!!」」



二つの重低音(じゅうていおん)があたりに響く。その場が(なご)んだように見えた次の瞬間。



「なにが仕方ないだ!?目を付けられて!暴れまわって!死に掛けて!色物になって!お前ろくなことしてねーじゃん!!?」



額に青筋を浮かべながら激怒する林山。一方、耳元で叫ばれた星影はたまらない。即答で、言い返した。


「仕方ないだろう!!私だって好きで愛妾になったわけじゃない!!別にお前に迷惑はかけてないだろ!?」

「十分かけてるだろうが!仮にもお前は俺のふりをしてんだぞ!?もう少し考えて行動しろよ!!」

「私は良かれと思ってしたんだぞ!・・・・確かに少々無茶はしたが。」

「どこが少々!?一歩間違えれば、死んでいたかもしれないんだぞ!?そうなったら星蓮はどうなる!?助けるられねぇじゃんか!?」

「私はそんなヘマはしない!てか、林山・・・お前なにかと言うと星蓮、星蓮て・・・色ボケもいい加減にしろよ!!」

「なっ!?いいだろう別に!俺は星蓮が好きで・・・・彼女が心配だから言ってるんだ!」

「冗談だよ。相変わらず生真面目だねぇ〜林山殿はぁ?」


星影の皮肉めいた言葉に空気が張り詰める。普段はこんなことで喧嘩をしないのだが、今日は違っていた。長安に来てから、慣れない環境と途切れることのない緊張感と、周りへの必要以上の警戒心からお互いにストレスが溜まっていた。


「なんだと〜!?もういっぺん言ってみろ!この無謀女!」

「何度でも言ってやるよ!このヘタレ男!!」


いつもなら、どちらかが()れるか(ゆず)るかする二人だが・・・・。


「普段から、考えることが危なすぎるんだよ!まぁ・・・・だから、入れ替わりとか思いついたんだろうけど・・・!?」

「ごめ〜ん!かび臭い、古い頭の奴から見れば、私の策はまばゆすぎたかもね〜?」

「そうかもしれないな・・・!星影は、神経も性格も図太いから。」

「・・・上等じゃねぇーか?いてもいなくても頼りにならねぇ色男・・・!?」

「そりゃぁ、こっちの台詞だよ。常識皆無(かいむ)の能天気女・・・!」


今の二人は、とても己の()を抑えるほど余裕はなかった。


藍田で両親と師匠がややこしい事態になったように、今度は都にいる星影と林山が、修羅場へとコマを進めていた。

無論、この場を(おさ)める人間がいないことは言うまでもない。


最後まで読んでくださり、ありがとうございます・・・!!

これにて、藍田での修羅場は、一応終了です。少し、長く引っぱりすぎたかもと、反省しています(冷汗)でも、最後は厳師匠がしめる形でまとまったので、よかったと思っています(汗)なにも知らなかったお師匠が真実に気づいた時・・・・その行動は早かった的なまとめかたにしました(苦笑)ちなみに、星影の大胆な性格は、厳師匠譲りのつもりです(笑)ところどころ、似ているように書いたのですが、読んでいて伝わったでしょうか・・・?読んでくださった方が、読みにくくなかったかどうかが・・・心配です。

とりあえず、星影の過去について少しだけ書けてよかったと思っています(笑)林山と星影・星蓮の関係や厳師匠との出会い、星影の過去の恋愛が書けてよかったです(苦笑)

次回からは、星影と林山のやり取りになると思いますので、よろしくお願いします(平伏)

楽しく読んでいただけるように、頑張ります!!


※誤字・脱字・漢字の間違いがありましたら、こっそり教えていただけると、ありがたいです・・・!!

ちなみに・・・・早速、教えてくださった方がいました。個人情報を考慮し、お名前は言えませんが、本当にありがとうございました(土下座)!!

今後は、もっと気をつけて書こうと思います・・・!!


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ