表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/124

第三十五話 狐と狸の馬鹿試合(前編)

妹・星蓮奪回への決意を新たにする星影。そんな星影の思いを、もちろん皇帝・劉徹は知らない。知らないのだが――――――


「わからんな・・・。」

「・・・え?」

「林山よ、朕はお主のことがわからん。」


宦官としての安林山に、皇帝は疑惑を持ち始めていた。


「朕は、林山が何故、宦官になったのか不思議でならん。」


劉徹の言葉に相手を見る星影。その顔からは、疑いの色がはっきりと表れていた。


「ふ、不思議ってそんな――――――!」


(まずい!私を疑っている・・・!)


劉徹からの視線を受け、なんとか誤魔化そうとする星影。


「わ、私が宦官になった理由は一つ、陛下にお仕えするためですよ!?何故、不思議がることがありましょうか・・・?」

「声が上擦(うわず)っているぞ。」

「き、急にそんなことを(おっしゃ)られるからですよ!そんな、当たり前のことを―――――!」


そう言って、誤魔化してみる星影だったが、彼女の動揺(どうよう)する様子までは誤魔化せなかった。相手の変化を感じ取った劉徹は、厳しい表情で問いただした。


「ならば武官として仕官すればよかっただろう?それほどの腕前を持ちながら・・・なんとも()せん・・・!」

「え!?いや、それにはいろいろわけがありまして・・・。」

「ほう・・・どんなわけだ?」

「いえ、陛下のお耳に入れるほどのことでは―――」

「林山・・・朕の命に逆らうのか・・・!?」


きつい口調で言う劉徹。有無(うむ)を言わさぬ気迫に、星影は返事に困った。


(まいったな。逆らうわけにはいかないし・・・。)


だからと言って、適当な答えをすれば、相手が怒るのは間違いない。こういう人間は、曖昧(あいまい)な答えをすればするほど深く追求する性質(たち)なのだ。


「林山、はっきりと答えよ!どんなわけがあるのだ!?」


その証拠に、明確な答えを要求してくる劉徹。


(これ以上の誤魔化しは・・・・無理、か・・・。)


ここは奥の手を使うか。


そう決心すると、視線を落として黙り込む星影。その様子を黙って見守る劉徹。互いに黙り込む二人。(ころ)()いを見計らったところで、星影は劉徹に背を向ける。そして、項垂(うなだ)れたふりをしながら言った。


「わかりました・・・陛下。でも、これだけはお約束してください・・・!」

「・・・林山?」


さっきとは違う、落ち着いた静かな声で言う星影。劉徹に見えないように、(ふところ)から小瓶(こびん)を取り出す。


(これ(・・)を使う羽目になるとはな・・・。)


その(・・)動作(・・)がわからないように、小刻(こきざ)みに肩をふるわせながら星影は言った。


「誰にも・・・話さないでください!李延年様にもです・・・!」


素早く、小瓶の中身を目につける星影。


「それは構わんが・・・。何故延年が出てくるのだ?」


劉徹の言葉に答えず黙り込む星影。もちろんわざとだ。そんな相手に、皇帝は再度同じ質問をする。


「林山、何故延年の名を出す?」

「・・・陛下と延年様が、深き仲と聞いております。それゆえに・・・お気を許され、信頼している方であっても、私の話を言わないでいただきたいのです・・・!」

「・・・それほどのことなのか?」


劉徹の問いに、無言で頷く星影。そして、声を震わせながら言った。


「み・・・皆様が、私を疑うお気持ちはわかります。本当なら、昨日あの場ではっきりというべきでした・・・。でも――――言いたくなかったんです!言ったら・・・それだけ自分が(みじ)めになる・・・!」


「・・・林山、誰にも言わないから理由を話してごらん。」


そんな星影に近づくと、そっと彼女の肩に手を乗せる劉徹。それに合わせるように、星影は劉徹を見る。完璧な顔を作りながら。


「約束ですよ・・・!?」

「――――――林山、お主・・・・!」

「約束してください、陛下・・・!」



「・・・・・泣きながら頼まれては、守らないわけにはいくまい?」



涙を流しながら懇願(こんがん)する相手に、優しく語り掛ける劉徹。


「泣くでない、林山・・・・。」


(よかった・・・私の頬を(つた)う涙を、本物だと思ったようね・・・!)


皇帝の言葉に、自分の小道具の高精度(こうせいど)を実感する星影。

この時、星影が流していた涙は、彼女の体から出たものではない。隠し持っていた小瓶の中に入れておいた涙。つまり――――


(万が一のことを考えて、準備しといてよかった。)


さまざまな状況を予測して、星影が作った『偽物の涙』なのだ。ただの水では、すぐにバレるので、本物と思わせるように塩を混ぜて調合した液体である。星影が、ここまで細かい芸をしたのには理由があった。


「泣くでない、林山。お主らしくないぞ・・・?」


星影の頬に手をあて、そっと涙を(ぬぐ)う劉徹。そして、手についた星影の涙を口に含んだ。


「陛下、なにを・・・?」


劉徹の行動に、わざとか弱い声を出す星影。そんな皇帝の姿を、星影は低姿勢で注意した。


「涙は、口にするようなものではございません!それを、陛下ともあろうお方が、私のような者の―――――――!」

「・・・林山のものであったからこそ、朕は口にしたのだ。」

「なにを仰るのです、陛下!?涙とは、体から出る不浄のもの・・・!そのような汚いものを口にしては・・・!!」

「汚くはない。」

「陛下・・・!?」

「林山は身も心も美しい。その体から出るものが、汚いはずがない・・・!」


そう言って、再度星影の涙を拭うと口に運ぶ劉徹。そんな皇帝の仕草を、(うれ)いを込めた目で見る星影。しかし、腹の底は、まったく憂いなどは感じていたなかった。


(やっぱり、口にしやがったか・・・!)


劉徹の姿に、心の中で毒づく星影。

琥珀達から聞いた皇帝の話しが正しければ、相手はかなりの好色。つまり色男なのだ。軟派(なんぱ)なことは平気でやると、星影は予想していた。だから、自分の涙を皇帝が口にしてもいいように、わざわざ薄い塩味をつけておいたのである。


(まさかとは思ったが・・・本当に口にする奴があるか!?)


普通の女性なら、そういう情熱的なことをすれば喜ぶだろう。しかし、星影は違った。彼女の場合、歯の浮くような台詞を言われただけで悪寒を感じる性質(せいしつ)だった。今も、劉徹のおかげで、星影は全身(ぜんしん)鳥肌(とりはだ)状態(じょうたい)になっていた。もっとも、服で隠れているので、皇帝がそれに気づくことはなかったのだが――――――――


「林山よ、涙は不浄なものではない。泣くことで、苦痛から人を解放してくれる。そして、その者を清めてくれるのだ。」

「清める・・・?」

「そうじゃ。だから涙は、塩味(しおみ)をおびておるのだ。塩は、身を清めてくれる。」

「陛下・・・。」

「お主の涙は、朕の身に染みたぞ?林山が涙を流すほどのことじゃ・・・。今のお主は、泣くだけではその苦しみからは解放されん。」

「・・・・・・・なぜ、そのように断言できるのです?」

「お主の涙の味が薄いからじゃ・・・。清める作用が足りない。」

「・・・水だとでも仰りたいのですが?」

「いいや、普通の涙じゃ。この味が、水であるはずがない・・・!」

「陛下・・・。」


(ホッホッ!お味はよろしいようですね・・・!?)


鳥肌を立てながらも、心の中で腹黒く笑う星影。そんな星影に、劉徹は子供をあやすような口調で言った。


「林山・・・お主は、朕を助けてくれた。今度は、朕がお主を助けたい。」

「陛下・・・。」

「朕は、お主の心を救いたい。そのためにも・・・朕の問いに答えてはくれまいか・・・?」

「・・・陛下、なんと、もったいないお言葉を・・・・!!」


(だぁぁぁ!!どこから、そんな言葉が出てくるんだよ!?寒い!寒いよ!!)


劉徹のくさい台詞に、いろんな意味で身震いする星影。

生理的に、拒否したかったが、ここでボロを出すわけにはいかなかった。

昔見た恋愛劇を思い出しながら、劉徹にむかって言った。


「そのお言葉・・・・信じていいのですか・・・陛下?」


水でできた涙を浮かべながら、念を押す星影。

塩も少し加えていたので()(しょう)目にしみたが、妹のために姉は耐えた。


「もちろんじゃ、林山!」

「本当に、誰にも言いませんか・・・?」

「天帝に誓って、他言はせぬ・・・!」

「では・・・私と陛下だけの・・・秘密にしてくださいますか?」


目を赤くして言う安林山の訴えに、陛下は力強い声で言った。


「我が、天命に誓う!このことは、朕と林山の二人だけの秘密にする・・・!!」

「陛下・・・!」

「さあ、話しておくれ、林山。」


皇帝の言葉に、嬉しそうに微笑む安林山。


(よしよし・・・上手く食いついてきた。)


相手が、自分の話にのってきたのを確信すると、作り物の涙を流しながら星影は言った。


「私は・・・幼い時から武芸を習っていました。武芸が好きで、好きで・・・将来は武官になって陛下のお側で働くことが私の夢でした・・・!」

「なるほど・・・そういうことなら、お主のあの腕前、納得がいく。」

「ありがたきお言葉・・・・!」

「しかし、宦官になったということは―――――なにか、武官になれない理由でもあったのか?」


劉徹の問いに、うぅと、小さく嗚咽(おえつ)するふりをする星影。


「・・・なれませんよ・・・!」

「林山?」

「どんなに夢見ようと、私の願いがかなうことはありません・・・!」

「林山、どういうことじゃ?」


戸惑う劉徹に、星影は声を荒げながら言った。


「生まれた時から決まっていたんです・・・!私は武官になれないと!!」

「生まれたときから・・・!?」

「はい・・・。まことに・・・言いにくいのですが、その・・・・・・!」

「遠慮するな!申してみよ・・・!」

「・・・出産の時、産婆の手違いから・・・あそこを傷つけられたのです・・・・。」

「なに!?」


その言葉で、劉徹の顔色が変わった。


「まさかその傷が元で・・・。」

「・・・はい。しばらくして、その傷が化膿(かのう)してしまい・・・いろいろ治療(ちりょう)したんですが、結局(けっきょく)は切り落とすしかなかったんです・・・・!」

「それは――――――なんと気の毒な・・・。」

「だから私は、武官にはなれない!なれるはずがないんです!!」


顔を(おお)いながら、声を押し殺して嗚咽する星影。もちろん嘘泣きだったが、バレないようにと、目が赤くなるように一生懸命擦(こす)る。もっとも、塩を入れた水を使ったので、そんなに(こす)らなくても目は真っ赤だった。(なげ)く星影に、劉徹は深いため息をつきながら言った。


「それでお主は・・・武官ではなく、宦官の道を選んだのか・・・!」

「うっ、うぅ・・・!はい・・・!」

「それでは・・・・宦官になるより他、道はないな・・・・。」


安林山の話で、彼が何故宦官になったか理解した皇帝だったが、


「・・・・林山、それは本当に手違いだったのか!?」

「嘘を言っているように見えますか?」


星影の言葉に劉徹は黙り込んだ。どうやら、彼女の話が本当かどうか考え込んでいるらしい。その様子を見て、星影は次の作戦へと出た。


「陛下、いいですよ・・・。私のことで・・・・そんなに考え込まないでください。」

「なにを言う林山!朕は―――」

「どうせみんな、私が賊の一人だと思っているんでしょう!?ええ、そうでしょうとも!!こんな宦官らしくない乱暴者、賊と思われて当然ですよ!!」

「林山!そんなに投げやりになるでない!」

「気休めは言わないで下さい!陛下だって、陛下だって・・・・本当は私を、賊だと思っているのでしょう・・・・!?」


床にへたり込みながら言う星影。その姿にギョッとする劉徹。そして、慌てて弁解(べんかい)し始めた。


「誤解だ林山!朕はわかっておる!お前は朕を賊から救ってくれた!そんなお前を、朕が賊と思うはずがあるまい!?現に、この目でしかと見届けておるのだぞ!?」

「でも今、黙り込まれたじゃありませんか!?私の話がうそかどうか、考えていらしたんでしょう!?」

「そうではない!朕は、思うところがあって、考えておっただけじゃ!」

「そう(おっしゃ)いますが、どうせ・・・・!どうせ、どこぞの重臣の方と私の身元について調べる気でしょう!?」

「うっ・・・!?な、何故それを知っているのだ!?」

「ええ!?」


劉徹の言葉に顔をあげると、そこにはしまったという顔をして手で口を覆う男の姿があった。二人の間に、気まずい雰囲気が流れる。


「・・・・そうなんですか?」

「い、いや、その・・・な、なにを言うか!朕がそんなことをするわけないだろうが!?」


演技抜き、()で質問する星影と、(つくろ)い笑いをする劉徹。


(調べる気なのか・・・・!)


計算外だった。口から言った出任せが、事実だったとは!

そんなことをされれば、正体がバレるのは必然である。とんでもない事実を知り、彼女は背中に冷たいものを感じていた。しかし、ここで動揺しては怪しまれる。星影はできるだけ平静(へいせい)(よそお)いながら、冷めた目で皇帝を見つめた。その視線に気づき、劉徹はしかりつけるように言った。


「こ、これ!そんな目で見るでない!」

「・・・元々こんな目ですが、なにか?」

「嘘をつけ!いつもより、かなり違うではないか!?」

「『いつも』とは、どういう意味でございましょう?」

「なに!?」

「私が陛下にお目にかかったのは、今日を含めて三度だけでございます。『いつも』と言えるほど顔をあわせてはおりません。それなのに陛下は、三度見ただけで、私のすべてがわかるのですか?」

「それは――――――!」

「左様でございますね。三度見て違えば、調べたくなるのも当然でございますね〜?」


目に加え、冷たい口調で言うと、劉徹の方もさすがに居心地が悪くなったのだろう。星影を無理やり立たせると、彼女を見つめながら言った。


「林山・・・・お前の言う通り、朕はお前のことを調べるように家臣に命じた。しかし、それは朕の本意ではない!朕は、お主が賊でないと信じている!」

「・・・陛下は私にそう言いつつ、股肱(ここう)の臣に、私の身元を調べさせているのでしょう?」

「だから仕方なかったんじゃ!一昨日の晩に、お主があの場にいたとこについて疑問視する声があって―――――!」

「ひどい・・・陛下!私・・・私、陛下のこと、信じていたのに・・・!」

「だから誤解じゃ、林山!」

「肘鉄をくらわしたことを、怒ってらっしゃるんですね?暴言を吐いたことが、気に入らないでしょう?無礼者の私が言う資格はありませんが――――・・・こんな仕返し、あんまりでございます・・・!!」


劉徹の手を払い、再度泣き崩れる星影。彼女の演技に、皇帝はすっかり騙されてしまう。


「悪かった!朕が悪かった、林山!」

「おやめください!そのようなお(たわむ)れは―――――!!」


「―――――――戯れではない!!」


そう叫ぶと、星影を抱き起こす皇帝。そして、涙を流す星影を見ながら言った。


「仲舒は―――――いや、重臣の一部が、安林山を疑っているのは事実じゃ。宦官とは思えぬ武才と、下級宦官の立ち入りを禁止されている場所にお主がいたからだ。賊ではないと証明できるはっきりとした証拠がないからじゃ!だが・・・朕は今日はっきりとわかったぞ。」

「・・・なにがですか?」

「お前は辛い過去を背負って、宦官になったということを!仕官の仕方はどうであれ、それでも朕の側に仕えるためにここに来たということを!」

「・・・陛下?」

「今ここで、約束しよう!安林山のことについて、これ以上の検索(けんさく)を朕はしないと・・・!調査を命じた者にも、その命を取り消すと伝える!!」

「陛下・・・!」


(やった!危険要素は排除できた!!)


皇帝の言葉に、星影は心の中で歓喜(かんき)する。自分の作戦が上手くいきつつあることに。しかし、ここで喜んではいられない。念入りに、最後の仕上げに取り掛かる星影。


「・・・そう仰ってくださるのはうれしいのですが・・・。」

「どうした?なにが不満だ?」

「いえ・・・。陛下が、私のためにそう命じられても、みなさんは納得しませんよ・・・・。自分勝手なことを言ったことはお詫びします。そして・・・陛下のお心に感謝します。だから―――」


健気な作り笑いを作ると、優しい声で皇帝に言った。



「調べてくださって結構です・・・それで皆さんの不満がなくなるなら―――――・・・・!!」


「―――――林山・・・・!!」



名前を呼ばれると同時に、素早く相手から顔ごと視線をそらす星影。そして、服の袖で顔を隠した。知らない者からみれば、『安林山が周りの非難・中傷に堪えながらもけなげに陛下に尽くしている』ように見えるだろう。

そんな星影の姿に、皇帝・劉徹は――――――――


「朕は馬鹿だった・・・!お前のような心の優しい者を疑うとは!!安心しなさい。他のものには朕が上手く言っておく。お前は何も心配しなくていいんだよ。」


すっかり騙されてしまった。皇帝の言葉に、星影は袖から少しだけ顔を見せながら言った。


「でも陛下!一度出した(めい)を撤回しては―――――陛下のご威光に、傷をつけてしまうのでは?」

「かまわん!朕は林山のためなら、どんな非難中傷でも受けよう・・・!」

「陛下・・・!それほどまでに私のことを・・・!?」


そう言って、笑顔を見せる星影。彼女の笑顔に、皇帝は満足そうに頷く。


(・・・上手くいった。このままとどめをさしておくか・・・!)


上機嫌になる劉徹を見ながら、星影は最後の仕上げに取り掛かった。


「ありがとうございます・・・!ありがとうございます、陛下・・・!陛下だけです・・・私の心をわかってくださったのは・・・!」

「これこれ、大げさじゃぞ、林山。」

「いいえ。陛下の優しさに触れ・・・私は、陛下への思いが強くなりました・・・!」

「ハハハ!それは嬉しいことを言っ――――――」

「――――――私は、陛下のことを尊敬します!いえ・・・心からお(した)いします・・・!!」


そう言うと、皇帝の胸に顔を押し付け、相手の服を少し掴む星影。


「り、林山!?」

「陛下・・・。」


小さく顔をすり寄せ、服を掴む手に力を込めた。

こういう仕草をされると男は嬉しいと、以前本物の林山が言っていたからだ。


(でも・・・本当にこんなことで男は喜ぶんだろうか?)


初めてすることもあり、その効果を疑問視する星影。

だが、そんな彼女の心配は、取り越し苦労だった。



「林山・・・!愛い奴だ!朕はいつまでも林山の味方だぞ・・・!!」



歓喜に近い声を上げながら、星影の体を抱きしめる皇帝。


「安林山の身元調査はやめさせる!お主の傷つくことはせぬ!だから、安心しておくれ、林山・・・・・・!」

「陛下・・・!」


皇帝の言葉に、作戦成功を確信する星影。



(これで心置きなく星蓮を探すことができる!)



男って、本当に単純だわ〜!!



自分の言葉を信じる相手に、心の中で声高らかに笑う星影だった。


最後まで読んでくださり、ありがとうございます!!

星影は、妹・星蓮のためなら、体を張って戦います(笑)特に、皇帝から自分の身を守るためなら、平気で最高権力者を騙します(苦笑)妹のためには、小道具やらなんやら準備します。余談ですが、この小説の中で登場した『偽物の涙』は、星影がこっそり宮中に持ち込んだ武器(!?)です。涙は女の武器と言いますので。・・・と言っても、星影は元男・安林山と偽って宮中に入り込んでますから、その表現はおかしいですかね・・・?いや、でも、実際は女なので、おかしいことはないですよね・・・(苦笑)あ、でも、ややこしいことには変わりないですね(汗)とりあえず、型破りな主人公・星影の姿を、今後とも笑って読んでいただけると嬉しいです。

ちなみに、小説の中で出てきた『股肱の臣』とは、『自分の手足のように最もたよりにする者』という意味です。



あと、小説とは一切関係ないのですが・・・・正月ボケって、なかなか直りませんね・・・(汗)


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ