第二十八話 それぞれの夜〜妹命のお姉さん〜
凌義烈に勧められた酒を、安林山は一気に飲み干した。酒の濃度が高いせいか、喉に熱く伝わる。飲みなれていない林山は、うぅ〜と、唸りながら杯を置いた。
「お前さんには、西域の酒は少しきつかったみたいだな?」
「・・・やっぱり酒は、漢のものが一番いいよ。」
林山の言葉に、声を立てて笑う義烈。それに釣られるように、林山も声を立てて笑った。不思議と先ほどまで感じていた、凌義烈の笑い声に対する不快感はもうなかった。
「そういやまだ名前を聞いてなかったな。なんていうんだ?」
思い出したように尋ねる相手に林山は、
「俺は―――」
言いかけて口を閉じる。いくら星影が後宮にいるからといって本名を名乗るわけにはいかなかった。今の俺はあくまで劉星影・・・安林山ではない。
「なんて名だ?」
「ああ・・・申し遅れたが、俺は―――劉星影。」
「劉、星影・・・?」
「そうだ。俺の名前は、劉星影。」
星影が今、宮中にいるとはいえ、入れ替わっている身。どこで誰が聞いているかわからない。だから、名乗る名前は【劉星影】と決まっている。
「そうか。」
林山の言葉に、義烈は納得したようだった。相手に怪しまれなかったことに安堵する林山。しかし、次に義烈が発した言葉に固まった。
「それで星影、お前が郭勇武の情報を知りたい理由ってのはどんなんだ?」
「り、理由!?」
(言わないといけないのか!?)
そんな林山の心中を察した義烈が言った。
「俺はいつも、理由を聞いてから情報を売ってんだ。それが俺との取引の決まりだ。」
「女がらみだと知っているだろう!?」
「『女がらみ』としか知らねぇし。つーかよ、本当に女がらみだったのか?」
「なっ!?」
「ハハハ!自分でしゃべっちまったら、世話ねぇよなぁ〜!?」
林山を見ながら爆笑する義烈。今まで笑われた中で、一番大きなものだった。義烈の態度に、林山は真っ赤な顔で怒鳴りつけた。
「騙したな!!?」
「騙してねぇーよ。カマかけたら、それに星影が引っかかったんだろう!?」
義烈の言葉に、林山は複雑な顔になる。そこには、【星影】と呼ばれたことに違和感を覚えたという思いがあった。
「星影よ・・・今さら、隠す必要はねぇだろう?俺達や、買い手と売り手なんだぜ?」
「そ、それはそうだが―――――」
「俺はお前の話すことを、誰かに言うつもりはない。金にならないからな。」
「・・・金になれば、話すのか?」
「なんだよ、お前それほどのご身分か〜?」
茶化す義烈に、林山は口を閉ざした。
(信用すると決めた以上、正直に答えなければいけないよな・・・。)
考え込む林山。そんな林山の杯に、新たに酒を注ぎ足しながら義烈は言った。
「難しく考えるな。どうしても言いたくねぇなら・・・言う必要はない。」
「え?」
「言えねぇのは、尻込みしてる証拠だ。お前は長生きできそうだな。」
「なっ!?お、俺が臆病者だとでも言いたいのか!?」
「悪く言えばな。良く言えば、命を大事にしてることだ。」
「ふざけるな!俺は―――――」
「悪いことじゃないぜ、迷うことは。」
「な・・・!?」
「ここぞという時に、考えて決断できないと男じゃねぇからな。」
そう言って、義烈は酒を口に運んだ。
「まぁ・・・今すぐ話せとは言わねぇ。今日のところは、酒でも酌み交わせればそれでいい。」
「・・・なにをのん気なことを言ってるんだ!?」
「星影が急いでないからだろう?」
「俺は急いでる!一刻を争う状態なんだ!!」
「その割には、ゆっくり構えてるじゃねぇか?長期戦のつもりじゃねぇの?」
「時間はかけたくないんだ!さっさと片をつけないと――――――」
そう言いかけて、林山は慌てて口を閉じた。そんな相手の様子を、義烈は口惜しそうに言った。
「惜しかったなぁ〜もう少しで、話してくれそうだったのによぉ〜」
口調とは裏腹に、義烈の表情はひどく楽しそうだった。そんな義烈の態度に、林山は必死で自分に言い聞かせた。
(落ち着け林山!相手のペースに飲まれるんじゃない!)
悔しいが相手は、自分よりも話術に長けている。余計なことを言えば、言い負かされるどころか、自分達の本当の目的がバレる恐れがある。そうなれば、自分の身代わりで宮中にもぐりこんでいる星影の身が危ない。
(そうだ・・・星影だけじゃない。星蓮だって―――――!!)
俺がしくじれば、そのツケがすべて二人にいってしまう。
「・・・他言無用と、約束できるか?」
「そういうつもりで、取引の契約したんだろう?」
「俺一人が・・・犠牲になるならまだいい。」
「なんだよ、共犯でもいるのか?」
「共犯などいない――――――!」
(そう・・・共犯などいない。)
俺にいるのは―――――――――
(愛する女性と、信頼する友のみだ。)
「俺一人で・・・動いているんだ。」
「へぇ〜単独犯かい?だったら、俺に悪巧みを言っちまっても、問題ねぇだろう?」
「仕事を請け負う相手が、裏切らなければな・・・!」
「おいおい、まだ俺を信用してないのかよ〜!?」
「・・・信用はしている。しかし、俺の大事なものに、絶対に被害がいくかないとは、否定できないだろう?」
「ずいぶん慎重だな。そんなに大事な女かい?」
「大事だ。」
(俺の対応次第で、二人の女性の命がかかっている・・・。)
恋人である星蓮の身も大事だが、その姉である星影の身も大事だった。
本来ならば、自分がするべき危険な仕事を、星影が身代わりとなって行っている。
(俺の口から漏れた情報で、最初に危険な立場になるのは星影だ・・・。)
正体がバレれば、その場で殺されてしまう。星影の性格を考えれば、逃げるようとするだろうが、宮中は四方を壁に囲まれた城。それも、この国の最高権力者を守るための精鋭兵がそろっている場所。逃げ切れることは不可能だ。
(そうなれば、あいつは俺達のことを思って死を選ぶだろう・・・!)
星影と長い付き合いをしてきただけに、相手が何を考えているか林山にはわかった。それだけに、星影に対して罪悪感ばかりを感じていた。
(星影は、俺達のために命を懸けているんだ・・・・!)
この男を利用すると決めた以上、凌義烈を信じきるしかない・・・!!
(俺の大事な人達のためにも―――――――――!!)
「凌義烈・・・あなたに命をかけよう・・・!」
それまでの口調とは一変した、はっきりとした声で林山は言った。
「俺の命をあなたにかける。その代わり、あなたも中途半端なことをしないでくれ・・・!」
そんな林山の姿に、一瞬動きをとめた義烈だったが――――
「・・・じゃあ、言っちまえよ。心にたまってる鬱憤も、まとめて吐いちまえ・・・!」
そう言うと、今度は自分の杯に酒を入れる義烈。
その義烈の言葉で、林山の覚悟は決まった。
ゆっくりと呼吸を整えると、真剣な表情で林山は言った。
「皇帝陛下が・・・漢帝国全土に、後宮入りにふさわしい女性を連れてくるように、勅命を出したのは知っているか?」
「ああ、あの奥方狩りの勅ね。」
「俺の暮らす町にも、皇帝の勅使だという男が現れた。そして、ある女性を連れて行った。」
「ある女性?」
「その女性には婚約者がいて、数日後には結婚式を挙げる予定だった。なのに・・・・陛下の使者は、それを知っていて、無理やりその女性を連れ去ったんだ・・・・!」
「・・・つまり、その使者ってのが―――」
「そうだ!郭勇武だったんだ・・・!!」
その時のことを思い出し、憎々(にくにく)しげに顔をゆがませる林山。
(あの時、俺が不覚を取らなければ・・・・!!)
「俺は・・・その女性を取り返すために、都まで来たんだ・・・!」
「なるほどな・・・。郭勇武のことだ・・・とっくにその娘を、宮中に入れちまってる可能性が高いぜ。」
「それはわかっているが――――」
「後宮に入っちまってたら、取り返すのは不可能だぞ?」
「―――――それでも取り返したいんだっ!!」
声張り上げ、再度怒鳴りつける林山。
そんな林山にむかって、怖い、怖い、と言いながらなだめる義烈。
「じゃあ星影は、連れて行かれた娘を取り戻したくて、郭勇武について調べてたってことか?」
「そうだ!郭勇武について調べれば、彼女を取り戻すための方法が見つかるんじゃないかと思って・・・!」
頷く林山に、男はやれやれと首を振りながら言った。
「方法は―――ないこともない、が・・・。」
「本当か!?」
「ああ。調べてみないことには、正確にはわかんねぇけどな・・・。肝心なのは、その娘が入廷してるかどうかだ。入廷する前だったら、取り返すことは可能だろう。」
「入廷しているかどうか・・・!?」
「郭勇武ってのは、自分のために美女を後宮に入れるんだぜ?見た目がいいだけじゃ、今の皇帝陛下様は満足しねぇんだよ!」
「どういうことだ?」
「教養とか、品格とか・・・早い話が、礼儀作法の問題だよ。」
「礼儀作法・・・。」
「ああ。礼儀作法ができてない娘、庶民の娘なら、それを覚えさせてから後宮に入れる。そういう娘なら直ぐに取り戻せるが―――」
そう言って一息置くと凌義烈は言った。
「礼儀作法が完璧な貴族のお嬢さん方や、そういうことをしっかりと教え込んでる家の娘さんなら、宮中に送られちまってる可能性が高い。取り戻すのはまず無理だ。」
凌義烈の言葉に、林山の表情がこわばる。
「星影・・・・お前さんが取り戻したい娘はどういうお嬢さんだ?年は?身分は?」
「・・・年は今年で十六、身分は大商家の娘だ・・・。」
「礼儀作法は?」
凌義烈の言葉に、林山は肩を落としながらいった。
「完璧だ・・・!!彼女の父親は、礼儀作法については徹底的に教えた挙句、それでも心配だからと、貴族の作法まで教えた人だったんだ!!」
「てことは〜」
「完璧さっ!!しかも彼女は、かなり物覚えが良かったよ!!地元じゃ、才色兼備で有名な美女だったんだぞ!!?」
拳を握り締めながら、悔しそうにつぶやく林山。
「星影・・・希望は持たねぇ方がいいな。」
気の毒そうにいう義烈に、林山は頭を抱え込む。
(義父上、義母上、なぜ星蓮を、完璧な淑女にしてしまったのですか・・・!?)
恨み言とは言い難い、恨みの念を強める林山。
それに、今さら星蓮が、後宮にいるかどうか調べるという義烈の発言は無意味だった。理由は、彼女の姉がとっくに宮中に入り込んでいるからだ。考えてみれば、星蓮が後宮にいるということを前提にして、宦官証明書を偽造して入れ替わったのである。入廷していないとなれば、自分の身代わりになった星影を連れ出さなければならない。
(もう少し・・・計画を立てて行動すればよかったな。)
自分達のやっていることを、違った意味で反省する林山。
「それで・・・後宮にいるかどうかは、すぐにわかるのか?」
「だから、調べればわかるって言ったろぅ!?ただな・・・お前の話が誇張じゃねぇなら、その娘は入廷しちまってるだろうぜ。」
「本当に、嘘ならよかったよ!!」
(義父上・・・!何故あそこまで完璧に、お嬢さんの教育をなさったんですか・・・・!?)
林山の心中は、義父に対するやるせない気持ちでいっぱいだった。
「あ――・・・気の毒だが・・・・それじゃあ、とっくに宮中に入っちまってるな・・・。」
断言する林山に、バツが悪そうに義烈は言った。
「とりあえず、取り戻すのは諦めた方がいいぜ。毎回、成功するもんじゃないからなぁ〜」
「毎回!?」
「・・・ヤベ。」
落ち込んでいた林山だったが、義烈の言葉に反応し、相手の顔を見る。
「『毎回』ってどういうことだ!?成功した人がいるということか!?」
「いや、それはよ―――」
「もしそうなら頼む!教えてくれ!!」
「おいおい。」
「俺に出来ることならなんでもする!!報酬にしても、さっき渡した分で足りないと言うならもっと出しても構わない!!」
そう言いながら、凌義烈に詰め寄る林山。
「あのな――金があればいいってもんじゃないんだぜ!?」
「じゃあ、あんたの言うことなんでも聞くよ!!だから頼む!彼女を取り戻す方法を教えてくれ・・・!!」
土下座をしながら懇願する相手に、困ったように顔をかく義烈。
「お願いだ、義烈殿!!この通り頼む・・・!!」
額を床にこすりながら頼む林山。そんな様子に、呆れながら義烈は言った。
「お前・・・自分の言葉には、責任ぐらい持てよ。」
「それじゃあ・・・!?」
「いいだろう・・・。この世の中、きちんとしているようできちんとしてないからな。誤魔化す方法ぐらい、いくらでもある。」
「義烈殿・・・!!」
「その代わり、料金は割り増しさせてもらうぜ?」
意地悪く笑う相手に大きく頷く林山。
最初は、郭勇武の弱み探しでしていた情報収集だった。だが、これなら星影に危険な真似をさせることなく、星蓮を取り戻せるかもしれない・・・!!
期待に胸が膨らむ林山。
「ありがとう・・・これで彼女を取り戻すことが出来る!!」
「礼はその娘を取り戻してからだ。それでよ、調べるうえで聞きてぇんだが・・・。」
「なんだ!?何でも聞いてくれ!」
嬉々(きき)とする林山に、義烈は苦笑しながら言った。
「お前が助けたい愛しい女の名前は、なんて言うんだ?」
「ああ、そんなことか!彼女の名は――――・・・・!!」
そう言いかけて、再び林山は口を閉ざす。
しまった・・・・!なんて答えたらいいんだ!?
(ここで、劉星蓮と恋人同士だと答えてはまずい!!)
林山が焦るのには理由があった。
中国では昔から、【同性同士の結婚は固く禁止】されていた。そのため、同性同士で結婚する事は近親的な意味を持ち、儒教の教えにおいても、大変悪いことだとされ、やってはいけない事だったのだ。
(どうすんだよ!?同性の結婚は禁止なのに・・・!今さら本名は名乗れないし・・・。)
しばし、考え込んだ林山だったが―――。
(仕方ない・・・誤魔化せるところまでやってみよう。)
本物の星影のように・・・!!
そう決心すると、自分の返事を待つ男に向かって言った。
「彼女の名は・・・劉星蓮。」
「劉、星蓮・・・?てっ、同姓か!?」
怪訝そうな顔をしながら義烈は言った。
「おいおい!同姓の結婚は禁止だぜ!?わかってんのか!?」
予想通りの反応に、林山は焦ることなく、堂々(どうどう)と言い放つ。
「誤解しないでくれ!彼女は俺にとって目の中に入れても痛くない、可愛い、可愛い、この世の中で一番愛しい――――」
「・・・愛しい?」
「―――――――――――――妹だぁぁぁ!!!」
「いっ、妹!?」
「そうだ!変な勘違いをしないでくれ!!」
「・・・・!」
珍獣でも見るかのように、自分を見る目が痛かった。日ごろから、星影本人が言っていることをそのまま言ったのは良かったが・・・。
(これじゃあまるで、過保護な馬鹿兄貴だよ・・・!)
「ずいぶん・・・妹思いなんだな・・・?」
案の定、義烈は引き気味に尋ねてくる。
そんな相手に羞恥を覚えつつも、林山は言い切った。
「当たり前だろう!?妹には幸せになってほしいんだ!!」
「だったら、皇帝の側にいたほうが贅沢三昧で幸せなんじゃないのか?」
「星蓮には他に好きな男がいたんだ!!二人は深く愛し合っていた!結婚も間近だった!それなのに―――」
そう、俺達は愛し合っていた。それなのに―――――
「郭勇武に無理やり・・・略奪同然に連れて行かれたんだ!!」
拳を握り締める林山に義烈は言った。
「なるほどな。お兄ちゃんから見れば辛いだろうな?」
少し納得したように言う凌義烈。
(なんとか誤魔化せたみたいだな・・・。)
「・・・ちなみに、その婚約者は今どうしてんだ?」
ふいに話題を変えられるが、
「彼は・・・妹が後宮に召されてすぐに町を出た。きっと傷ついたんだろう・・・。」
星影譲りのホラ話で、その場を乗り切る。
(なんだか・・・変な感じであいつと似てきたよな。)
そんな林山の話を疑うことなく、同情するように義烈は言う。
「恋人を忘れるために旅に出た・・・・か。気の毒なこった。」
「ああ。忘れようと思っても、そう簡単に忘れることはできないのにな・・・。」
自分に言い聞かせるように言う林山。
簡単に忘れられないからこそ、危険を犯してまで自分は都まできたんだ。
星影まで巻きこんで・・・。
「それで、その婚約者の名前はなんてんだ?」
「なっ・・・!べ、別に言う必要は無いだろう!?」
根掘り葉掘り聞いてくる相手に林山は言った。
「なんでそこまで聞くんだ?妹の話だけ聞けるば十分だろう!?」
「なに言ってんだよ!どんな些細な情報でも大事だからな。依頼の内容は、すべて正しく把握しておきたいんだよ。」
「しかし・・・。」
「今さら、隠す必要もないだろう?」
義烈の言葉に、再度考え込む林山。
まあ、相手は町にいる情報屋だし・・・言ったところで、本物の星影と鉢合わせになることもないだろう。
(―――まあ、いいか・・・。)
そんな軽い気持ちで林山は言った。
「林山・・・。」
何も問題は起きないだろう、そう思いながら、その名前を口にする。
「星蓮の・・・妹の婚約者の名前は・・・安林山。」
「安林山・・・!?」
「そうだ。同じ大商家の息子で、今年で十七になる男だ。」
「安林山だと!?」
林山の言葉に、相手は目を丸くする。聞き返すような口調で、自分の本名を言う凌義烈。
「本当に・・・安林山と言うのか・・・!?」
自分を凝視しながら尋ねる義烈。
「そうだが・・・どうかしたのか?なにかおかしいことでもあるか?普通の名前だと思うが・・・?」
自分の本名だけに、相手の反応が気になる本物の安林山。
「なるほど・・・そういうことか。」
不思議そうにする林山を無視して、義烈は意味ありげな笑みを浮べる。
「なんなんだ?まさか・・・その名前を知っているのか?」
一瞬、林山の背中に冷たいものが伝う。その問いに、自分を凝視していた義烈の表情がやわらかくなった。
「いいや・・・。」
それは嘘とも、本当とも取れるなんとも言えない表情。緊張した面持ちで待つ林山に義烈は告げる。
「いずれわかることだ。」
凌義烈の笑みに、なにか良からぬことを感じ取る林山。ふいに彼の中で星影と星蓮の姿が交差する。
(なにもなければいいが・・・。星影、星蓮、どうか無事でいてくれ。)
今の林山には祈ることしかできなかった。
だが、そんな願いもむなしく、彼の予想通り、とんでもない展開になっていることを林山はまだ知らなかった。
最後まで読んでくださり、ありがとうございます!!
本物の安林山は、心優しい青年ですがちょっと、優柔不断なところがあります。星影と比べれば、いろいろ考えすぎてしまうところがあります。でも、星影よりも信念を貫き通します。嘘が苦手な、一途な男です。
※お手数ですが、誤字・脱字を発見した方、こっそりでいいので教えてください!!お願いします・・・!!