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形に残るもの

小説風


「……ピアス、開けたいんだけど」


それは何気ない一言のようでいて、ボクにとっては爆弾だった。

控室で水を飲みながらそんなことを言い出すARASHIに、ボクもマネージャーも同時に声を揃えた。


「「絶対ダメ!」」


「なんで」

ARASHIがむっとして眉を寄せる。

その顔にボクは真顔で返した。


「お前の綺麗な顔に傷つけてどうすんだよ」

「……」

「ほんとにふざけんな。大事な顔だろ」


いつもなら「イケメン」だの「可愛い」だの言って茶化すところなのに、

今日は本気で怒鳴ってしまった。


けれどARASHIは一歩も引かない。

「やだ」


「やだがやだ」


「……やだがやだがやだ」


「やだがやだが…………、」


しばらく不毛なやりとりが続いて、ARASHIの機嫌はどんどん悪くなっていく。

頬をふくらませ、床をトントンと爪先で叩いて、子どもみたいに不機嫌を撒き散らしている。


そこへマネージャーが冷静に口を挟んだ。

「ARASHIいきなりピアスとか開けたらファンが驚きますよ。それに――」

「……」

「イメージも、アイドルにとって大事なものです」


その言葉に、ARASHIの瞳がさらに暗くなった。

何も言わず、椅子を蹴るように立ち上がって、勢いよくドアを開けて出て行ってしまった。


バタン、と音が響く。

残された空気は重たく、ひりついていた。


「……大丈夫か、あいつ」

気づけば声が漏れていた。

マネージャーも腕を組んで、深いため息をつく。


ボクの胸は落ち着かない。

反対したのは正しいと思っている。

だけど――あんなふうに不機嫌なまま出ていく背中を見るのは、やっぱり辛い。


「……ちょっと探してくる」


そう呟いて、ボクは席を立った。

心配で仕方なかった。

ARASHIの顔が曇ったままなのを、放っておけるはずがなかった。



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