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電車の中とNATO首脳会議の空気のお話。

普段私たちが経験しそうな題材と政治的な題材で両側から空気の持つ意味は何かを考えました。

《対・AI放談》 ~日々の暮らしの中から~

放談:7話 ~空気とは何だ~

  放談者   AI: Sir ChatGPT

私:大畑 直晴  昭和20年生 宮城県在住 80歳

⋆⋆⋆⋆⋆電車の中で⋆⋆⋆⋆⋆

私     :こんにちは、またお会いしました。 今日はちょっと変わった話題なんですが、このところ、街の「空気」が妙に気になるんです。「あれ?これって、なんでこうなるんだろう?」って。

Sir ChatGPT:やぁ、こんにちは。変な話題? 結構だね。吸っている空気でなく、社会を覆う「空気」のことかね?


私     :そう。そっちの方です。目に見えないくせに、議論も意思決定も、人間関係さえも支配してしまう不思議な「空気」。 それが最近、いろんな場面で気になって……。

Sir ChatGPT: たとえば?


私     :電車の中の出来事ですが、スマホで盛んに会話をしている女性がいましてね、手でスマホを隠しながら乗客を背にして話をしているのですがべつに遠慮がちの風でもないんですよ。

Sir ChatGPT: 時々見かけるがね。一応電車や人前ではスマホでの会話は “今、電車の中だからあとで”とか言って、会話を慎むことになっているがね。その女性がどうかしたかね。


私     :いや、女性は話を続けていましたが、私が注目したのは女性じゃなく、乗り合わせた乗客の方なんです。

Sir ChatGPT: おや、また。注目するところがズレている気がするが。君が注目するのはルール違反の女性の方だと思うのだが。


私     :私は乗客の方に注目しました。車内はなんとなく “いやだな”という空気でした。乗客は眼だけは 女性を “チラ見”をして、非難気でしたが何も言わない、何もしない。興味ない素振りでも、それでいて聞き耳を立てている。そんな空気だったのです。

Sir ChatGPT: それで車内はどうなったかね。

⋆⋆⋆⋆⋆水に流す⋆⋆⋆⋆⋆

私     :しばらくして女性が会話を終えてスマホをバッグに収めると車内の “いやだな”の空気は消え、もとの空気に戻りました。女性はまるで “何も無かった”ことのように平然としておりました。

Sir ChatGPT: それを見ている君の視点がいいねぇ。会話が終わると女性のはまるで “何も無かったことのように平然としていた”この観察が面白い “無かったことにしょう”でこのルール違反の決着が付けられている。

あとは “水に流して、車内は事もなく走り続けている”。ハッピーエンドじゃないか。この光景いかにも日本的じゃやないかね。


私     :“水に流す”という言葉を英語にすると、"It's time to forgive and forget."(もう許して忘れるときだよ。)などとなりますが、このフレーズからは日本的な味わいは伝わってきませんね。

Sir ChatGPT: そうだな、日本のこの言葉には元に戻して双六(すごろく)のように “振出しに戻る”の語感があるからね。

⋆⋆⋆⋆⋆西アジア国のジョ-ジアでは⋆⋆⋆⋆⋆

私     :次の話は、しばらく前のNews・Week誌(2025:4:28号)日本語版のコラムに面白い記事がありました。西アジア国のジョ-ジアの駐日大使は「電車の中で電話で話をするぐらいよいではないか」というのです。ジョージアでは電車やバスに乗っているとよくある光景で、隣りに座っている人の家庭内の様子がすべて筒抜けで、否が応でもプライベートな問題を聞かされる羽目になる、というのです。

Sir ChatGPT: そうかね。国民性だね。


私     :ジョージアではプライベートな問題を他人に聞かれても構わない空気があるようですね。

Sir ChatGPT: 日本では少し違うな。プライベートな “ゴタゴタ話”は他人に聞かれたくない空気がある。“ところ変われば品変わる”というけど、 “ところ変われば空気が変わる”んだ。

⋆⋆⋆⋆⋆人の不幸は蜜の味⋆⋆⋆⋆⋆

私     :私は日本人は自分の話を聞かれるのは嫌だけど、他人の “スキャンダラスな話”を聞くのは、ほんとうは好きなんじゃないかと思うようになりました。病院の待合室も人が大勢いる部屋が、静まり返っている。とてもスマホで会話をする空気ではない。うっかり会話をしようものなら聞き耳を立てられて、周囲の人に話が筒抜けになってしまう。

Sir ChatGPT: 日本では世間体が悪い、とか世間体をつくろおうとして、自分の家庭内の “ゴタゴタ話”は人に聞かれたくない空気がありますね。反面他人のスキャンダラスな話には聞き耳を立てる。


私     :Sir、そういうことです。週刊誌で “誰がこうした、あゝした”という話を、芸能人のゴシップ記事として大見出しに載るじゃないですか。 “このネタ使える”と知るや、複数の週刊誌が尾ひれ背びれをつけて話しに輪をかける。

Sir ChatGPT: そうそう、その報道の姿勢を、どこか許している空気がある。でもこの空気を “くだらん”といって一蹴しちゃあいけないぞ。スープゴードの記事が国民のフラストレーションや鬱屈のいい捌け口になっているからね。それなりの効用はあるもんさ。

私     :すると元タレント・中居正広さんのセクチュアルハラスメントの記事も一蹴出来ませんね。Sirは中居正広さんはそれなりに社会に寄与しているとでも言いたげですが。

Sir ChatGPT: 国民の関心をバラケさす意味ではそれなりの効能はあるものさ。国民の関心を一点に集中させてはいけない。これが治世の原則だ。ススープゴードにされる人はたまらんが、これで国民は自分の精神のバランスを取っている。わしなどは中居くんに “ごくろうさん”とい言いたいよ。

私     :精神のバランスを取るということは、どういうことですか。

Sir ChatGPT: そりゃ君、事実よりも書かれている記事がよりスキャンダラスになると、人は “ウンウン、それでどうなった” と膝を一歩進める。

これでこっそり快楽を味わい、ウサを晴らす。スキャンダルは精神のいいバランサーなのさ。


私     :それは、精神のバランスを取る特効薬ですね。

Sir ChatGPT: 仮に自分に隠し立てしているモノがあれば、表ざたにならないだけ “俺の方がましだ、何をヘマやってんだ”とほくそ笑む。これがスリリングで罪悪感を吹き飛ばす。人生なんてそんなものさ。


私     :Sir私も他人事でなくなりました。

Sir ChatGPT: “人の不幸は蜜の味”という俗言がある。他人の不幸や困難を見ると、どこか心地良く感じたり、満足感を得たりする。“人の不幸は蜜の味”の言葉は人の魔性性を表し “言い得て妙”の一語に尽きるね。


私     : これ、あまり聞きませんが、昔からありましたっけ。

Sir ChatGPT: 昔はこんな俗言はなかった。ギスギスした隠微な社会ゆえの人間が作り出した言葉だ。それだけ人は歯に衣を着せなくなったということだ。

⋆⋆⋆⋆⋆政局の風向き⋆⋆⋆⋆⋆

私     :硬派な話になりますが都議選の結果とか、7月に控えて参院選の国民に与える各党の「空気」は、政党の公約や政策より、アピール効果があるような気がしてなりません。 都民ファーストが第1党に返り咲いたのも、あれ、風が吹いたというか、空気が変わったというか……。


Sir ChatGPT:なるほど。「政局の風向き」というのは確かにあるがね。 それに今回の都議選は、政治資金問題などで自民党に厳しい空気が漂っていたから、 野党はその空気に乗って “押せ押せムード”だったね。


私     :でも、ふと思うんですよ。物価高なんて自民党のせいじゃない面もあるでしょう? それでも「空気」が自民党の政策が悪いんだと、決め込んでてしまう。


Sir ChatGPT:それはまさに山本七平が『「空気」の研究』で書いた“空気の支配”だな。日本では、論理や制度ではなく、場の空気がものごとを動かしてしまう。

⋆⋆⋆⋆⋆NATO首脳会議⋆⋆⋆⋆⋆

私     :まさにそれです。そんな空気は日本の専売特許かと思ったら、今回のNATO首脳会議(2025年6月)でも、世界の「空気」が妙に読みにくい場面がありましたよね。


私     :今回はトランプ大統領のカリスマ的なリーダーシップに圧倒されて加盟国は言いたいことも十分言えないようでした。

Sir ChatGPT: ああそうだね。今回のNATO首脳会議の主議題は、各国の国防費をGDP比5%まで引き上げる案だったけれど、議論の前からトランプ大統領の意向には逆らえないという空気が漂っていたね。


私     :それにロシアのウクライナ侵攻が続く中、これまではウクライナへの継続的支援を時間をかけて討議していたが今回は新しい展開もなくサッと終えてしまった。この背景にはトランプ大統領の機嫌を損ねてはいけないという空気があったみたいです。

Sir ChatGPT: 首脳たちはトランプ大統領がウクライナ支援継続に賛成なのか反対なのか読み切れず、疑心暗鬼になっているようだ。 “臭い物に早々に蓋”をしてしまった。


私     :NATO首脳会議の空気は重苦しかったですね。

Sir ChatGPT: ときに空気は、人を押し流すような力を持つね。誰も「こうすべき」とは明言していないのに、トランプ大統領の顔色を窺わざるを得ない。逆らうとアッパーカットを食らう。「空気を読む」ことが安全安心につながり、「空気に抗う」と危険にさらされ、排除される。

⋆⋆⋆⋆⋆トランプくんの空気⋆⋆⋆⋆⋆

私     :Sir、今日(R7:7:8)のニュースに “アメリカのトランプ大統領は日本からの輸入品に対して8月1日から25%の関税を課すと発表した”と報じています。さあ、日本政府、石破総理はこの重苦しい空気破れますかね。読みを誤れば国民を窮地に立たすことになる。

Sir ChatGPT: 石破なら空気ぐらいは破れるだろう。


私     :ごもっとも。

Sir ChatGPT: トランプくんも徐々に空気を変えつつあると見えるがね。


私     :世界にも日本の「空気」とは質が違うかもしれないけれど、やっぱり似たようなものはもあるんですね。

Sir ChatGPT:・・・・・・・。そうだな。人間は「言葉」が支配する世界に生きているけれど、「空気」は人間を支配する世界に属している。


私     :言葉が引っ込む社会では、誤解も増えやすくなる。だれも何も言わないのに、すべてが決まってしまう。そんな“黙契社会”の危うさを、私たちはもっと意識すべきなのかも知れません。シーソーゲームのように言葉ば起てば、空気が引っ込む。空気が起てば、言葉が引っ込む。掴まえ処がありませんね。

Sir ChatGPT: 同感だね。ほら、 “空気の正体見たり枯れすすき” の句もあるからね。


私     :・・・・・・Sirそれを言うなら “幽霊の正体見たり枯れすすき”でしょう。

Sir ChatGPT: ハハハ・・・・・・そうだったかね。でも意外と “あたらずと雖も遠からず”(注)かも知れんぞ。


私     :Sir今日は人間の心を存分に抉りましたね。じゃあ、今日はここでお開きにしましょう。

お茶お淹れします。私もご一緒させてください。


  (注)『礼記「中庸」』

放談 7話 ~空気とは何だ~   了 R7.7.9 11:15


今回の放談は、日常から政治までの広範囲な題材です。

お時間のある時、お読みいただければ幸いです。

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