#50 歓迎
昼休み。私は音楽室にいた。
緑と愛佳もいる。
今日はランチタイムコンサート。
発声練習とリハーサルもばっちり済ませ、後は開演時刻を待つばかりだ。
時間が近づくに連れ、観客が増えてきた。
その中には、先日見学に来た新入生の姿もあった。
用意していた椅子が足りなくなり、私たちは慌てて席を増やす羽目になった。
ふと外を見れば、廊下にも人がいる。
入部してくれなかったとしても、見に来てもらえるだけで嬉しくなる。
これで入部してくれればさらに嬉しいのだが、現実はそう上手くはいかない。
そうこうしているうちに時間になった。
さあ、開演だ。
最初は盛り上がる曲から入った。
グダる可能性もあるが、話から始めるよりは雑談する人たちを黙らせることができる。
「こんにちは!合唱部です!」
部長の私から軽く挨拶をする。部活の紹介だ。
今回は不要だが、大抵このタイミングに移動や準備を済ませる。
二曲目は聞かせるタイプの曲。
三曲しかないとはいえ、色々なタイプの曲を歌った方が紹介になる。
「次が最後の曲になります」
間に一つMCを挟み、曲の話をする。
いつものパターンだ。今回は緑が担当になった。
最後は元気になる曲だった。
それぞれ選んだ曲のバランスがいいのは好みの問題だろうか。
全ての曲を歌い終わった。
最後の宣伝は愛佳に任せる。
「見学だけでも歓迎です。よかったら見に来てください」
こうしてランチタイムコンサートは無事に終わった。
後は片付けて撤収するばかりだが、なんと見に来てくれた人たちも椅子を片付ける手伝いをしてくれた。
少し申し訳ない気持ちになる。
さて、もうすぐ昼休みが終わる。私たちも戻らなければ。
時は過ぎ、入部式。
新入部員が来ることを祈りながら待つ。
三人分の入部届を提出し、しばらく雑談をしながら様子を見た。
しかし、新入部員は誰も来ず、それどころか誰かが前の廊下を通ることすらない。
仕方がないので、私たちは準備体操やら発声練習やらをしながら待つことにした。
後半になったら兼部を希望する人が来るかもしれない、と淡い期待を抱きながらひたすら待つ。
なんなら次の曲を決め始めすらした。
どこかで歌うとも決めていない中で、とりあえず新曲をやろうと、一曲が決まった。
しかし、希望は叶わず、結局誰も来ないままこの日の活動は終了した。
しばらく連載を休止します。
再開時期は未定です。




