#45 解放
ドアには鍵がかかっていなかったようで、すんなりと開いた。
その先には、緑と最初に出会った家主がいた。よくわからない機械に囲まれている。
「どれだけシキサイを集めようが、カラスさんはもうシキサイを使えませんよ」
「どういう意味だ」
「受け入れるつもりのない者に受け入れられるはずがありません」
「ふざけたことを。彼女には戻ってきてもらわねばならない」
静かに部屋に入ると、二人が言い合いをしていた。
私はにらみ合いを止めるため、声を上げて駆け寄った。
「緑ちゃん!」
「待て亜久里」
「来てはいけません」
「お前……どこから」
そのとき、背後から悲鳴が聞こえた。
「何!?」
「まさか……!」
慌てて部屋を出た私は、階段の上を見た。
上がっていったはずの人々が戻ってきている。
「どうしたんですか?」
「人がいるみたいで、下がれ、と」
どうやらただごとではなさそうだ。
私はひとまず緑のいる部屋に戻ることにした。
「ベリっち!」
「動くな!」
「こいつの命が惜しければ、大人しくしてるんだな」
振り向くと、愛佳が人質に取られていた。思わず、後ずさりする。
そこへ、バタバタと駆け込んでくる足音が聞こえてきた。
誰かが警察を呼んだらしい。
家主はあっさりと拘束され、ようやく私たちは外に出ることができた。
外に出ると、そこは最初に見た家の庭だった。
私たちはこの庭にあった物置の中にいたらしい。
空はすっかり暗くなっており、駆け付けたパトカーのランプが辺りを照らしている。
「無事でよかった」
「なぜあんな無茶をしたんだ」
どこから嗅ぎつけてきたのか、美幸と香純がいた。
緑が捕まる前に位置情報を送っていたらしい。
病院で検査を受けることになったので、私たちは自転車で病院へ向かうことにした。
こうして、私たちの長い一日は幕を閉じた。




