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#44 脱出

 特に縛られていたわけではなかったので、立ち上がって周囲を調べてみる。


 ドアはあるが窓はない。

 ドアには鍵がかかっているようで、びくともしなかった。


 何か使えそうなものはないか探してみる。

 部屋には物はなく、持ち物も取り上げられているため、ゴミくらいしか出てこなかった。


「そっちの壁は薄そうだ」


 そう言って愛佳が指差したのはドアのある方の壁とドアを見たときに左手側にある壁だった。

 集団から離れて、何をしているのかと思っていたが、壁を叩いて調べていたらしい。


「薄いとは言うが、どうやって破るんだ。こりゃ鉄だぜ」


 捕まっていた一人が口を挟んだ。

 確かに、破れるなら私たちが来る前に破っているだろう。


「ドアは?」


「ドアなら、皆でかかれば壊せるかもしれない」


 それを聞いた別の捕まっていた人が提案する。


「本気か?」

「だって……この子たち見てたらさ、力貸さないわけにはいかないでしょ?」


 それを聞いた他の人たちも、希望が見えたのか動き始めた。




 力を合わせてドアに体当たりする。

 やはりびくともしないが、体力の続く限りぶつかり続けた。


「もう無理」

「やっぱり駄目だったのか……」


 諦めかけたそのとき、ついにドアを破ることに成功した。


「やったぞ」

「出られるんだ」


 ドアの向こうには部屋があった。

 先ほどまで私たちがいた部屋と違い、様々な物が置かれている。まるで物置だ。

 更に階段が部屋の大部分を占めており、その上には開けられそうな部分がある。そこから外に出られるのかもしれない。

 階段を挟んだ向かい側にはドアがある。緑はそこにいるのだろうか。


 私は階段を通り過ぎてドアに近づいた。隣には愛佳もいる。

 そして、深呼吸をして、ドアノブを回した。

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