#38 相談
「間に合っ、た?」
「……無事か?」
怪物を倒した美幸と香純は独り言とも取れる言葉を発した。
それに対して何か言おうと口を開いた瞬間、チャイムの音が鳴り始めた。
それは目覚まし時計のアラームのように倒れていた生徒たちを起こす。
目を覚ました彼らが状況を把握する前にと、私たちは追われるように体育館を後にした。
放課後。
緑が病院に連れて行かれたので、今日の練習は二人だ。
「緑ちゃん、大丈夫かな」
「外傷はなかったし、直に元気な姿を見せてくれるよ」
「そうかな」
「そうだよ」
そうして、不在の部員を心配しながら、今日の練習を終えた帰り道。
校門で待ち構えていた美幸と香純に呼び止められた。
「部活帰りにごめんね」
そう言って美幸が話し始めたのは、案の定今日の昼休憩の件だった。
「二人は何ともなかった?」
その問いかけに何ともないと返せば、美幸はよかった、とほっとしたように呟いた。
それを見届けると、何事もなかったかのように香純が本題を切り出した。
「また、今日のようなことが起きるかもしれない」
「以前、お前は誰かの提案であの事件を起こしたと言ったな」
「……提案とまでは言わないが、名案だとは思った」
「やはり、誰に聞いたか思い出せないか」
「……それが、あの人が男か女か、そもそも本当に聞いたのかすらわからなくて」
「そうか」
愛佳の答えに、香純は残念そうだ。おそらく、今回の事件と関係はあるのだろうが、正体がわからなければ探りようもない。
「出会ったら、わたしたちに教えて。すぐ行くから」
「その代わり、そちらでも犯人を捜してくれるか。手は多い方がいい」
こうして私たちは事件を起こしている犯人を追うこととなった。




