#32 忠告
二日目。今日も天気はよくない。
昨日の件を引きずり、あまり気分はよくない。
それでも、モーニングコールがかかってきたときはちょっと盛り上がった。
朝食はバイキングだった。
こういう形式は楽しいので好きだが、朝なのであまり食べられないのが惜しい。
さて、今日は事前に選んだ二つの体験ができる。
体験のコースは3つあり、事前に選んだコースごとに別々のバスに乗り込んだ。
体験の施設へ到着した。
班のメンバーでは示し合わせなかったので、バラバラになってしまったが、偶然にも水魚と一緒になった。
水魚は水魚で自分の班があるので、少し話して別れることになった。
「八神か」
「えっと、キミ……さん?」
一人になったところへ希望が話しかけてきた。彼女も同じ体験を選んだらしい。
「近江と同じ班らしいな。何か言われなかったか」
「えっ!?ああ、まあ……」
「あまり、真に受けすぎんなよ」
自分の目を信じろ、希望はそう言うと友人の元へと去っていった。
ところで、どこで私の班のメンバーを知ったのだろうか。
出来上がったフォトフレームに、この旅の写真を入れてもいいのか、私は複雑な気持ちになった。
午後、私たちは水族館にやってきた。
水族館には滅多に行かないが、たまに行くと結構見入ってしまう。
班のメンバーに置いて行かれそうになるので気を付ける。
「せっかくだし、お揃いで何か買おうよ」
一通り見て回り、お土産コーナーに着いたとき、聖歌が提案した。
そこで、私たちはお揃いのキーホルダーを買うことにした。
「何かいいのありそう?」
「あ、これとかどうかな」
四葉が示したのは海の生き物がデザインされたキーホルダーだった。
いくつか種類があるので、好みのものが選べそうだ。
「どれにするか決めた?」
「私はこれにしようかな」
いくつかあるデザインの中から、私はチンアナゴのデザインのものを選んだ。
四葉はウミガメ、聖歌はクマノミ、小鳩はマンタを選んだようだ。
他にもいくつかお土産を選び、お会計を済ませたところで早速カバンに付けた。
小鳩にはもやもやするところはあるが、それを除けば話のわかる人間だし、既に仲間だとも思っている。
もう少し何か聞けないか、とも思ったが、この日は二人きりになっても、小鳩は何も言ってこなかった。




