#31 暴露
今日から修学旅行。
朝の日も明けない内から、私たちは高校の最寄り駅まで集まった。
見慣れたロータリーも、この時間から見ると違って見える。
人が多いというのもあるだろうが。
時間が来たのでバスに乗り込んでいく。
沖縄県に行くため、空港から飛行機に乗ることになっている。
初めは騒いでいた生徒たちも、時間が経つにつれ静かになっていった。
私もうっすら眠っていたらしい。
ふと気が付くと、もう空港の近くまで来ていたらしい。
夜が明けていく。
徐々に明るさを増していく空を眺めていた。
バスを降り、空港に入った。
見たことのない風景につい目移りする。
長い待ち時間の果てにようやく飛行機に乗り込んだ。
飛行機に乗るのは初めてだ。
無事空港に到着し、バスに乗る。
海だ。エメラルドグリーンの海が見える。本当にあったんだ。
車内では、地元で見ることのない美しい海に盛り上がっている。
その様子に、まるで海を見たことのない人のようだ、と私は思った。
昼食後は目的である平和学習へ向かった。
実際に来ないと遠い出来事だと思ってしまう。
一通り話を聞き終えると、一旦解散し、班で行動することになった。
私の班は、私の他に四葉と聖歌、それから近江小鳩の四人グループだ。
小鳩とは、正直あまり話したことはなかったが、この機会に仲良くなれたらいいと思う。
夕食後、ようやくホテルに到着した。
荷物を下ろすとやっと一息つけた。朝が早かったこともあり、とても疲れた。
部屋に私と小鳩だけになったのを見計らってか、小鳩が話しかけてきた。
「あの人間擬きと裏切者なんて放っておいて、こっちに来たら?」
「……何の話?」
「"シミラ"はただの道具。暴走するなら処分すればいい」
「……"シミラ"?」
「……そんな初歩的なことすら知らないの?信用されていないのね」
「……」
「その気になったら"イロドリ"へ来て。歓迎するから」
そう言うと、満足したのか小鳩は何食わぬ顔で元の場所へ戻っていった。
私は緑に聞こうと思ったが、内容が内容なので聞くに聞けず、ただ悶々とするばかりであった。




