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#29 図書

 今日の合唱部は図書館にいた。

 ここで行われる冬の図書館フェスに参加するためだ。

 練習をしている間に準備も終わったらしく、図書館に着くと今にも始まりそうな様子だった。

 告知された時間を見て訪れたが、丁度よさそうだ。

 開会の次が私たちの出番なので、その前にキーボードを設置しておく。


「そういえば、緑ちゃんは図書委員だったっけ」

「はい。図書部の方々が中心ですが、わたくしたちも参加しています」


 緑の話によると、図書委員会では図書だよりを作ったり、昼休み中の貸し出し番をしたりする他に、季節ごとに本の紹介を作ったりしているらしい。


「それでは、これから冬の図書館フェスを始めたいと思います」


 図書館の司書が開会の挨拶をする。


「初めは合唱部の皆さんから歌の贈り物です」


 呼ばれたので、クリスマスに合わせたサンタクロースの帽子を被り、窓側の開けた辺りに出ていく。

 今回はクリスマスらしい曲を三曲用意した。普段歌わないジャンルの曲なので少し難しかった。

 特に英語の歌詞なんかは発音から始めなければならないので大変だった。




 どうにか無事に歌い終わり、一旦観客側に戻った。

 次の演目までの間に片付ける時間ができたので急ぎ目で撤収作業をする。

 音楽室に戻り、今日のイベントは終わりにしようとした。


「せっかくだから、今日はイベントに参加してもいいですよ」


 そう、顧問の先生が言うので、私たちは片付けを済ませてから図書館に戻ることにした。




 荷物を持って図書館に戻ると、誰かが本の紹介をしているところだった。


「よかった。戻ってきてくれた」


 入口近くから見ていると、誰かが小声で話しかけてきた。


「出番はまだですか」

「ううん。次の次」

「そうですか」


 間に合ってよかった、と緑は言った。

 話しかけてきたのは緑の友人の紫。どうやら彼女も本の紹介をするようだ。




 紫が紹介した本は、文化祭の劇で脚本を作るときに参考にした本らしい。

 他の本も参考にしたらしいが、大筋はその本だという。

 私は脚本を作ることはないが、そういう本もあるんだなあ、と思った。




 イベントが終わり、時間も時間なので帰ることにした。

 緑は冬休み期間の貸し出し福袋を借りていた。普段手に取らないような本が読めるので楽しみにしているらしい。


 こうして今年のイベントは全て終わった。

 次のイベントは決まっていない(恐らく春までない)ので、しばらくはゆっくりできそうだ。

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