#16 会議
夏休みが終わり、二学期が始まった。
ホームルームでは皆、来月に控える文化祭に意識が向いているようだ。
かく言う私もホームルームそっちのけで友人と話をしていた。
「今年は何やるんだろうね」
「四葉は去年何やったの?」
「うちのクラスは劇やったよ。現代版かぐや姫」
彼女は丹波四葉。
これまでかかわったことはなかったが、今年のクラス替えをきっかけに親しくなった。
「あー、多分見てないわ。ごめん」
「別にええよ。亜久里のとこは?」
「うちは展示でお化け屋敷。正直劇がやりたかった」
「ああ、あったなあ。結構怖いって評判だった記憶」
お化け屋敷をはじめ、人を怖がらせることに一家言持つ人が妙に支持を得た結果だ。
劇が多数決で負けたのは熱意が足りなかったからかもしれない。
今年は別のクラスなのでもう心配はないだろう。
「ここからは文化祭の話に移りたいと思います。文化委員の人は前に出てきてください」
そう担任が言うと、余計に盛り上がり始めた。フーとか言ってるやつもいる。
隣のクラスから苦情が来ないか心配だ。
「静かにしてください!……とりあえず、模擬店をやるかどうか決めましょう」
そうだ。二年生から模擬店ができるようになるのだ。
模擬店をやるためには劇や展示もやる必要があるが、それはやるに決まっているのでないに等しい条件だ。
「じゃあ、どっちがいいか手を挙げてください」
「やりたい人」
「やりたくない人」
「どっちでもいい人」
多数決で模擬店をやることに決まった。
まあそうだろうな。せっかくならやりたいと思う人が多いだろう。
「じゃあ、模擬店はやるってことで。次は劇か展示かやりたいものを挙げてください」
黒板にはとりあえずといった感じで「劇」と書かれている。
クラスメイトたちが挙げた案の中にはあの忌々しい「お化け屋敷」もあった。
「多数決で決めます」
出尽くしたところで多数決を取ることになった。
私は劇の中でも「虹高動物園」の案が面白そうだと思った。
選ばれたのはミュージカルだったが、劇には違いないので概ね満足だ。
「では、模擬店も決めるので、やりたいものを挙げてください」
「参考までに昨年の模擬店の内容を用意しました」
そう言って文化委員が昨年の模擬店の内容を読み上げる。
揚げ物が人気のようで、挙がったものは半分以上揚げ物だった。
「思いついた人から挙げていってください」
皆思いつくままに挙げていくので、黒板には食べ物の名前が並んでいく。
午前中ならお腹が空いていたところだ。
「もう出なさそうなので多数決します」
「被ったときのために第三希望くらいまで絞ります」
そうして文化祭の出し物が大まかにきまったところでこの日のホームルームは終わった。
次の総合の時間で準備するものなども決まってくるだろう。とても楽しみだ。




