#14 夏休
あれからしばらく経って、夏休みを目前としたある日。
「すみません。諸事情でバンドをすることになったので、何日か休ませていただくかもかもしれません」
夏休みの予定を決めるために皆の予定をまとめていると、緑が聞き逃せないことを言った。
「えっ、緑ちゃんバンドやるの?」
「え、はい……」
「ねえ、緑茶ちゃんは何の担当なの?」
「キーボードです」
「緑茶、キーボード弾けたのか」
「まあ、一応……そんなことは置いといて、予定を決めませんか」
「えー、全然そんなことじゃないって。で、いつやるの?」
「文化祭です」
「見に行くからさ、場所とか時間とか、わかったら教えてよ」
「……皆と相談させてください」
このように部員の距離の近さが私たち合唱部の特徴である。だてに二年このメンバーでやっていない。
ちなみに予定についてもすぐに決まった。元々活動日を確認するだけだったが、昨年と同じでいいやとなった。
そんなところで練習を始めた。今は夏休み中に歌いに行く施設で歌う曲を練習している。
「そういえば、明日の学校見学、緑ちゃんはどのグループなの?」
帰り道、私は緑に尋ねてみた。
明日から夏休みだが、二年生は上級学校の見学で一日出ることになっている。二人抜けるので部活も休みだ。
「わたくしは四年制大学の2班です。マロンさんは?」
「私は1班。じゃあ別だね」
「もしよろしければ、感想をお聞かせ願えませんか」
「だったら今度情報交換しようよ。後で空いてる日送るから、都合のつく日教えて?」
「わかりました」
進路を考えるのは憂鬱だが、そろそろ考え始めなければならない。
緑は大体決めているようだが、私は未だに文系か理系かすら決めかねている。
ひとまず明日の学校見学を考える足掛かりにしようと思う。




