#11 始動
「そういうわけで、本人ももうしないって言ってるし、解決ってことでいい?」
事件が一段落したところで、亜久里は緑と愛佳と共に、事件の犯人を止めるように依頼してきた美幸と香純に会いに来ていた。
「うん、ありがとう。じゃあ、願いを聞かせて」
ここに来る前に話は済んでいる。今叶えなければならない願いは一つだけだ。
「愛佳ちゃんのお姉さんを探してほしい」
それから、自分たちでも探してはみたが、さっぱり手がかりは見つからない。
「どこに行ったんだ。友佳……」
「愛佳ちゃん……」
日課のように落ち込む愛佳を慰めていると、緑が告げた。
「手がかりが見つかったそうです」
美幸から送られてきたメッセージにはたった一言だけ書かれていた。
『手がかりが見つかったよ』
居ても立っても居られない、と愛佳はすぐに約束を取り付けると待ち合わせ場所へと向かってしまった。
愛佳を追いかけて辿り着いたのは本館二階の踊り場だった。大きな鏡が設置されているのでここにいるのは少し恥ずかしい。
愛佳は先に着いて美幸と香純から話を聞いていたらしい。
「手がかりが見つかったって本当?」
「今、鳴瀬さんにもお話ししましたが、どうやらここにいるようです」
そう言って香純が示したのは壁に掛けられている大きな鏡だった。
「えっ!?鏡!?」
「はい」
なんと友佳は鏡の中にいるという。まるで物語で見る学校の七不思議のようだ。
「助ける方法はあるのですか?」
「ううん。それはわからなくて」
それはそうだ。鏡の中なんて入れるはずもない。またややこしい事件に巻き込まれたな。そう亜久里は思った。
「絶対助ける」
「助けましょう」
結局この日は何もできなかった。しかし、居場所がわかっただけでも収穫だ。私たちは改めて友佳を助けることを誓った。




