リナ、ゆずり合う心を学んだ日
**朝**
リナはいつもより少し早起きして、家を出ました。今日は学校で体育館のバドミントンの順番を決める日。最近、ラケットを新調したばかりで、リナは練習が楽しみでしかたありませんでした。朝食のとき、お母さんに「今日は一番でコートに入りたいな」と話すと、「思い通りにならないときも、まわりをよく見てみるといいよ」とやさしく言われました。
**午前**
体育館では、みんながコートを使いたくてわくわくした様子。じゃんけんで勝ったリナは、一番最初にコートに入ることができてとてもうれしかったです。でも、後ろで友だちが残念そうな顔をしているのに気付き、胸がすこし痛みました。自分が楽しんでいる間も、順番を待つ友だちの姿が気になってしまい、どこか集中できませんでした。
**昼**
昼休み、リナは友だちに「次は交代しようね」と声をかけました。友だちが「ありがとう、リナ」とにっこり笑ってくれて、リナの心もほっと温かくなりました。みんなで順番を守ってゆずり合って遊ぶうち、たくさんの笑顔が生まれました。
**午後**
午後の自由時間も、リナは後からコートに来た下級生が困っているのに気付き、「どうぞ、一緒にやろう」と声をかけました。みんなで交代しながらバドミントンを続けると、いつもより広がった輪の中で、新しい友だちもできました。「自分だけじゃなくて、みんなで楽しむってすごくうれしいな」と心から思うことができました。
**夕方**
帰宅すると、お母さんに「今日は順番をゆずったら、もっと楽しくなったよ」と話しました。お母さんは「思いやりって、まわりも自分も幸せにできるんだよ」とやさしくなでてくれました。
**夜**
寝る前、リナは「自分の気持ちと同じくらい、まわりの気持ちも大切なんだ」と日記に書きました。ゆずり合うことで、もっと楽しい一日になることを実感したリナは、また一つ大切なことを学んだ自分を抱きしめるような気持ちで、やさしく眠りにつきました。




