状況整理
アルバは再び浮き上がりながら進む。もちろん俺も着いて行った。
「〝創造〟は魔力を消費して物を作り出すスキルじゃ。使い方次第では強力なスキルとなるじゃろう。
•••〝同一化〟についてはまだ話せん。」
「何故に?」
「話せぬものは話せぬのじゃ。その時が来たら話してやる。」
「そうか。じゃあその時まで我慢しておくよ。」
「••••••そうじゃの。」
それ以降、アルバは一言も話さなくなってしまった。顔つきも険しいものになっている。
〝同一化〟はそんなにヤバいスキルなのか? だがこういうのは深掘りしないほうがいい。アルバのことはしばらく放っておこう。
今は時間があるし、少し状況を整理するべきだ。
まず第一に、俺は転生に成功した。そして水溜りに映った自分を見て気づいたことだが、俺の外見は前世のものとほとんど変わっていない。170後半の身長にどこにでもいそうな普通の顔。見慣れた姿が映っていた。
しかし1つだけ違う点がある。髪だ。黒かった髪が白くなっていたのだ。恐らくは転生の影響だろう。
とはいえ、変わった点はこのくらい。これでは転生というより転移な気がするが、まあそこはあまり考えないようにしよう。
そして次に能力だ。
先ほど確認したように俺はLv1だ。このままでは何らかの理由で魔物とやらに襲われたらあっけなく死んでしまう。そんなのは絶対に嫌だ。何とかして楽にLvを上げる方法を考えなければならない。これが今後の課題だな。
スキルについても謎がまだ沢山ある。〝能力値〟については見ての通りだが、他2つについては未知数だ。時間をかけて研究するとしよう。
まぁ、一先ずはこんなところだろうか。
アルバは話し出す様子もない。もうしばらく考え事でもしていよう。
全ては安全に暮らすために。
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