プロローグ
「ガッキー!今日こそは成功させてお姉ちゃんたちをギャフンと言わせるんだからね!ちゃんとやりなさいよ!」
「ハイハイ、分かりましたよ~」
西垣農園の5代目マコト(愛称ガッキー)は大きなため息をつくとともに意気揚々と歩く女の子を暖かく見守っていた。
彼女たちが何者なのか、どういった経緯があったのかは一年前にさかのぼる……
◇
一年前、岐阜を中心に活躍するイラストレーター達と富有柿のPR、そして岐阜を盛り上げたいという思いから『コラボパッケージ』を作成し、発売記念イベントを直売所で行った。イベントは大盛況で終わり、シーズンインに向けて一人後片付けと作業をしていた時のことだった。
初収穫の富有柿の仕分けを終え、直売場の戸締りをしていた時だった。事務所にいきなり閃光が走り、ボンっという爆発音のような音が聞こえた。
「え? 何が爆発した? まさかパソコン?」
慌てて作業場から事務所に戻ると、事務所の中が霧に包まれたような煙で中がよく見えない。慌てて窓を開けて煙が晴れてくるとその中から3人の女の子たちが現れた。
「あ~ようやく外に出られたな」
「まったく、もう少しスマートなやり方はなかったの?」
「ちょっと、二人とも邪魔! 前が見えない!」
呆然とする自分を横に3人の女の子たちは文句を言いあっている。よく見ると、壁に飾ってあった富有柿三姉妹のイラストが白紙になっていた。
「えっと、どちら様でしょうか?」
いきなりおこった事態を飲み込めず呆然とするマコトに気がついた3人が自己紹介を始める。
「あ、わりいわりい。すっかり存在を忘れていたわ、私はもとこ、三姉妹の長女だ」
「わたしは次女のふゆう、よろしくね。マコトさん」
「わたしはのうか、ちょっと三女だからってバカにしないでよ!」
これが三姉妹とガッキーの出会いであった。富有柿を生産する農家と岐阜を愛し活動するイラストレーターとのコラボイベントが思いもよらぬ奇跡を生み出したのだった。
予想をはるかに超えるドタバタの日常を引き起こす引き金だったとマコトが気付くのはそう遠い日ではなかった。
新連載開始です!
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まだまだ不慣れ部分が多いですが、暖かく見守っていただけたらと思います。
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