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第五話 豊穣の禁術-4

 *****



 帰り道。フネラルを先頭に、無言で歩き続ける。

 何を話せばいいのか分からない。

 そんなリレックの雰囲気を察してか、いつもなら何かしら話しかけてくる

 ライチェは心配そうに見つめるだけ。


 シュペナートは険しい顔で考え事をしている。

 フネラルが何かを言わない限り、この無言は続くだろう。


「身の上話をさせてもらってもいいかな。

 一応、僕も元からこうだった訳じゃないんだ」


 リレックたちの方を見ず、背を向けたままのフネラルが口を開く。

 三人が何も言わないのを同意と判断し、話を続ける。


 フネラルは両親とも魔術師の家庭に生まれた。

 両親は魔術の才のみで相手を選び、才ある子を欲しがっていた魔術師だった。

 両親は禁術使いであり、禁術をより効率よく、

 効果的に使用できる者として子をなしたのだ。

 子供に向けられた愛情は自分勝手かつ歪なもので、

 もし魔術の才に恵まれていなかったら即座に捨てられていたという。


 しかし両親はそれぞれ火、風の魔術を操るのに、

 フネラルは水の魔術しか扱えなかった。

 二人から不義の子ではないかと疑われ、

 命の危険すら感じた家庭から逃げ出したのが九つの時。


 それから十数年旅人として孤独に生きていた中、ある女性と出会い結ばれた。

 田舎村に小さな家を建て、娘も産まれ、

 何よりも欲しかった家族の温もりを手に入れた。


「娘の五歳の誕生日だったかな、奴らが来たのは」


 何もかもが裏目に出たとしか言いようがない。

 フネラルが実家から出る時に持ち出した禁術の杖を秘匿するため、

 家が村の外周近くに建てられていた事。

 襲撃の際、フネラルは怪我をした村人の治療をしており家から離れていた事。

 近隣でも有名な魔術師の癒し手ならば金目の物を持っていると思われた事。


 襲撃の報を聞いて急ぎ家に戻ったフネラルが見たのは、

 壊された我が家と妻子の遺体。

 そして、娘を踏みつけて笑う野盗。それを見た瞬間、彼の中で何かが壊れた。


 水の魔術を使った事しか記憶にない。

 気付けば、野盗たちは微塵の肉塊と化して血だまりの中に浮かんでいた。


「元々僕は殺傷力の高い魔術なんて使えなかったんだ。

 でも、あの時から、あんな魔術しか使えなくなった。

 かすり傷すら癒せなくなったけど」

「それは……」


 何度か拳を軽く握るフネラル。

 シュペナートが途中で言い淀むが、理由は言わなくても分かった。


 タガが外れた恐ろしい殺傷力は、精神の表れだ。

 相手を傷つける事に対するためらいや恐れ、

 罪悪感というものが一切なくなった。

 ならば癒しの魔術が使えなくなったのはなぜなのか。

 シュペナートならば分かるのだろうか。


「五年前に五歳って、さっきの子……!?」

「ん? ああ、そう言われれば、生きていれば同じくらいの年だね」


 驚くライチェに対し、事も無げに言ってのけるフネラル。

 フネラルにとって野盗は人ではない。

 殺してもいい……いや、殺すべきもの。

 愛する娘と同一視などする訳がない。

 彼にとって、野盗は全て生きていてはいけない汚物なのだから。


 野盗を残忍に殺し、殺し、殺し尽くす。それがフネラルの復讐。

 それが正しいか間違っているかを問いたい、と言っていた。

 リレック自身の感性からいえば間違っているが、それは感情の域を出ない。

 自分が気に入らないから間違いだ、そんなものは意見ではない。

 幼子の駄々にも劣る。


 何が間違いだと感じるのか。その根拠は。それを考え続ける。

 前を歩く殺戮者が自分と同じだと思いたくないからか。

 それとは違うような気がした。


 同じではないにせよ復讐の道を歩む者として、答えなければならない。

 なぜかそう、強く思った。




 森を抜け、フネラルの家に帰ってくる。

 しかしフネラルは家に入らず、畑の前に立ち異形の杖を地に立てた。


「案山子さんは家の中に入っていた方がいいんじゃないかな。

 禁術を直接見たくないだろう?」

「そ、それは、その……」


 ライチェは心配そうにリレックを見る。

 見たくはないがリレックを置いてはいけないのだろうか。

 一人になりたくないだけかもしれない。


「オレは家の扉の所で見るから、ライチェは家の中に隠れてろ」

「はい! 早く行きましょう!」


 両方ともどうにかする案を出すと、

 ライチェは一目散に家の中へと入ってしまった。


 苦笑しながら後を追うが、

 魔力が直接見えるライチェにとって禁術はそれほど恐ろしい物なのだろう。

 禁術の影響を受けた畑に入ろうとした時の取り乱し方を思い出す。

 ライチェがあんな風に怯えた姿を見たのは初めてだった。

 そんな魔術を実際に使うと言われれば、目を閉じて耳を塞ぎ逃げたくもなる。


 だが、リレックは目を背ける訳にはいかない。

 何が起こっているかも大して分からないだろうが、それでも。

 シュペナートは畑から少しだけ離れただけで、じっとフネラルを見ている。


「それじゃ、始めるよ」


 フネラルが力ある言葉で詠唱を開始する。

 聞いた事もない単語ばかりで、意味すら分からない。


 異形の杖にある、淡い光を放っていた水晶の一つから光が潰れるように消える。

 十番目、杖の一番下の水晶。先ほどの野盗の少女の魂が入れられていたはず。

 断末魔の悲鳴が聞こえたような気がして、

 目を背けようとするのを必死で我慢した。


 畑は黒い光としか形容しようがない物に覆われ、

 黒い光は土に染み込むように消えていった。

 ほんの一呼吸の間に、一人分の魂は使い潰された。


「これで、この畑は二百日の豊穣が約束される」


 あらゆる害から守られ、季節すら無視して常に豊穣を保つ畑。

 ある意味では究極の畑といえる。


 一人の命で二百日の豊穣。

 割に合わぬと感じるか、安い物と感じるかは人それぞれだ。

 リレックにとってはどちらとも言い難いものだったが、

 酷い嫌悪感だけはあった。


 確かに農作業というものは大変なものだ。

 楽にできればその方がいいという気持ちも分かる。

 しかし、そのために犠牲を払うのならリレックは自力でやる。

 そんな畑を見ていたくはない。そんな畑で採れた物を口に入れたくはない。


「そろそろ日が暮れる、家に入ろうか。

 物置なら空いてるから泊っていってもいいよ」


 おぞましい禁術を使った直後とは思えない、呑気な口ぶり。

 禁術を間近で見ていたシュペナートは、目を覆いながら俯いている。


 家の扉を開けるとライチェが縮こまっていた。

 肩を軽く叩くと、リレックにしがみ付いてくる。

 二人にはどれだけ恐ろしい物が見えているのだろうか。


 それを直視するどころか自身で行使しながら、平然と微笑むフネラル。

 今まで見てきた、聞いてきた話を頭の中でまとめる。


 殺された妻子の復讐。無慈悲な殺戮。

 使えなくなった癒しの魔術。禁術で維持される誰も食べない野菜が育つ畑。

 リレックが言うべき事は決まった気がした。



 ***



 夕食は昼と同じ野菜シチューだった。数日分を作り置きしていたのだろう。

 男やもめであるフネラルは、料理が億劫な方らしい。


 それもまたリレックに言うべき事を定めさせる。

 会話が弾むどころか、誰も一言すら発さない無言の食卓。

 圧し掛かってくるような緊張感の中で食べるシチューは、

 味など分かるはずもなかった。

 全員が食べ終えてから、ようやくフネラルが口を開いた。


「今日はありがとう、君たちのお陰で連中の初動が遅れてくれた。

 いつもは僕一人だから油断して突っ込んできてね。

 五人いたら三人は殺す羽目になるから」


 いつもあのように、わざわざ姿を見せている。

 全方位からの水滴の矢を使えば、一方的に殲滅や無力化も可能なはずだ。

 恐怖を煽るにしても稚拙にすぎる。わざと自らを危険に晒しているような行動。


「出発前に、君たちが相手だと絶対に無理な方法って言ったよね?

 君たちならあの状況でも最後まで僕を殺そうとしたはずだ。

 きっと命乞いなどしなかった。

 連中にはそんな意志など欠片もなかったから、あっさり魂を捧げた」


 怒りか憎しみか意地かは分からないが、きっとそうしたという自覚はある。

 ライチェは確実に、シュペナートも最後まで戦ったろうと思う。


「結局の所、その程度のクズだから野盗なんかに身を落とし、

 奪う事でしか生きられない。

 なら僕が何もかも奪って使ってやるまでだ」


 握る拳に憎悪の強さを垣間見せるフネラル。

 しかし、リレックにはその拳が傷つけているのは己の手のひらに見えた。


「あんたの復讐が正しいのか間違ってるのか見てほしいって言ったよな。

 今、オレの考えを言ってもいいか?」

「ああ、構わないよ。どんな答えでもちゃんと報酬は渡すから、心配しないで」


 フネラルがリレックたちに危害を加える事はないと思うが、

 ライチェとシュペナートをちらりと見る。

 二人とも頷いた。リレックの思うように答えていいと。

 大きく息を吐く。真っ直ぐフネラルを見据えた。


「正しいか間違ってるかなんて、オレに分かる訳がねえよ。

 それでもやらなきゃ気持ちに整理がつかない、それが復讐だろ。

 だけど、自分に復讐するのは止めた方がいいんじゃねえか」


 フネラルは野盗への復讐だと言っていたし、

 実際にそれが理由の半分ではあるのだろう。

 しかし、それだけでは説明のつかない事が多すぎる。


 野盗どもを殲滅した魔術は、わざわざ相手に姿を見せる必要がない。

 なぜそんな行動をとるのか。


 そして食べもしない野菜を作る畑に使う禁術。

 贄に絶望を与えるためにやっているようには見えない。

 どうでもいい物を使い潰したようにしか見えなかったからだ。


 そもそも、野盗が憎いだけなら

 魂だけとはいえ生かして捕獲しておくのもおかしい。

 憎む相手と常に日々を共にする事になる。

 ツィブレの事を想像すると、リレックにはとても耐えられるものではない。


 なぜフネラルはそんな事をしているのか。

 いや、しなければならないのか。


「意味もなく畑に使ってる禁術と、

 あんたが癒しの魔術を使えないって話でそう思った。

 野盗どもを必要以上に残虐に殺すのもきっと根っこは同じだ。

 あんた、自分を貶めたくて……罰したくて仕方がないんだ」


 そこまで言って、シュペナートの方を見る。

 リレックの話で気が付いたのか、はっとした表情で話を引き継ぐ。


「癒そうという意志をもって、それを思い描けなければ

 当たり前だが魔術は効果を発揮しない。

 "自分を癒せない者は誰も癒せない"。

 癒しの魔術を扱う上での基礎の基礎だ」


 妻子を殺した野盗どもを皆殺しにした時点で、

 フネラルの憎悪は行き場を失ってしまったのだ。


 元来は優しく聡明な男だったのだろう。

 憎悪をぶつける対象を求めたが、他の野盗は妻子を殺した者ではなく

 復讐の対象ではないと理解してしまった。


 憎悪をぶつける者は一人しかいなかった。

 禁術を隠すため村の外周という狙われやすい場所に家を建て、

 名声と金銭が悪党を引き寄せる事を忘れ、

 肝心な時に妻子と共にいなかった、彼にとって八つ裂きにしたいほど愚かな男。


「自分自身への復讐か。確かに、そうなのかもしれないね」


 フネラルの顔から微笑みが消え、色々な感情を混ぜたような表情へと変わる。

 そして隣に置いてあった異形の杖を手に取り、淡く光る水晶を掴む。

 その手は水晶を慈しんでいるようであり、

 激しい憎しみで砕こうとしているようにも見えた。


「僕が実家からこの杖を持ち出した時、水晶は五つ光っていた。

 五回なら禁術を使えたんだ。

 両親から仕込まれた禁術の中には強力な守護の魔術もあった。

 やろうと思えば禁術で守れたんだよ。

 だけど僕は禁術を使わなかった。守れる力を持ちながら守らなかったんだ」


 禁術使いは余程の事情があった場合を除き良くて牢獄送り、

 最悪の場合その場で処刑される。

 ライチェたちのように魔力を感知できる者ならすぐに看破できるので、

 使わなかったのは当然の判断だ。


 だがフネラルにとってそんな事は関係がない。

 禁術を使ってでも守っておけばよかったという後悔しかないからだ。


「意味もなく畑を禁術で維持し続けてるのは、自分自身を苦しめるためだろ。

 今のあんたは、自分の命を何とも思ってねえ」


 リレックが言い終わり机を叩いた瞬間。

 ライチェがぴょんと跳ぶように立ち上がり、

 勢いのままフネラルに鋼鉄の腕を振るう。


 容易に頭蓋を砕きかねない一撃は、フネラルの頬をかすめるように空を裂いた。

 フネラルは一連の行動の間、微動だにしていない。


「普通、自分に危険が迫ったら何か反応するんですよ。

 あなたは野盗たちが武器を構えた時も無反応でしたよね」

「乱暴なやり方だなあ、ちょっとでもずれていたら僕は死んでいたよ」

「……どこかでそれを望んでいるから、身動きしなかったんでしょう?

 すみません、いきなりこんな事して」


 悲しそうに言うライチェに、フネラルは薄く微笑んだだけだった。


「自分への復讐なら、それが果たされるのは自身の無残な死だ。

 今まで意識から外していたけれど、確かに僕はそれを望んでいたんだろうね」


 ライチェが下がり椅子に座りなおすまで、フネラルはゆっくりと首を振る。

 その様は疲れ果てた老人のよう。

 彼は妻子を殺された時に生きる意味を失ったのだ。


 意味を復讐に求めた。いや、復讐に縋った。

 野盗どもを殺し殺し殺し、

 いつか自分も無残に死ぬ事で妻子への贖罪を果たそうとした。

 畑に使う禁術は、結局の所ただの理由付けだ。


「復讐って、決着をつけて納得したいからやるもんだとオレは思う。

 ほとんど関係ない奴と自分へ復讐してたら、死ぬまで終わらないだろ」

 

 そこまで言って、リレックは深く息を吐く。


「とはいえ、誰が何言ったって止められるものじゃねえのは痛いほど知ってる。

 だから、オレから言えるのはさっきの提案も含めて二つだけだ」

「残りの一つは?」

「誰も食べない野菜なんぞ作る畑を維持するのに土を汚すな。

 それは農民として許せねえ」


 リレックとしては真剣に言ったつもりだったのだが、フネラルは大声で笑う。

 何が可笑しいのか睨むと、彼は手を振りながら笑いを堪えて話し出した。


「ごめんごめん。普通は復讐を止めろ、

 禁術は使わない方がいい……だと思ったからさ。

 うん、やっぱり君たちを無理に引き留めてよかったよ」


 復讐など意味がない、他の事をした方が絶対に良い。

 リレックも会う人皆に言われてきた。


 頭では分かっているつもりだが、この衝動は理屈ではないのだ。

 止められはしない。

 だから復讐に関しては提案だけにした。

 きっとこの提案は受け流されると知っていて。


 それはそれとして、

 土と共に生きる者として無意味に土を汚す事は許せないので、

 これは提案でなく抗議とした。


 フネラルは異形の杖を目の前に軽くかざして微笑む。

 貼りついた笑みではなく、初めて見せた本当の微笑みで。


「魔術師フネラルの名において、二度と土を汚す禁術は使わない事を誓う。

 ……まあ、他の禁術は使うけどね」

「最後の呟きは正直聞かなかった事にしたい」


 耳を押さえる仕草をするシュペナートを見て、フネラルは再度笑った。




 日も暮れてきたので、その日はフネラルの家に泊まる事になった。

 客間はないらしく、少し埃っぽい物置に毛布を敷いて寝るしかないようだ。

 屋根と壁があれば野宿よりずっと良いし、

 あの村民に絡まれるであろう宿に泊まるよりいい。


「魔道具がそこそこありますね」


 山積みにされた道具をつつくライチェ。

 怯えるような様子がないので禁術由来の品は無いのだろう。

 フネラルからはどうせ使わないので持っていってもいいと言われている。


 シュペナートは魔道具を選び、いくつか見繕っているようだ。

 ざっと見ただけでも埃を被った鍬や鎌などの農機具が見つかる。

 鍬を手に取ってみる。

 鉄の部分はすっかり錆び付き、

 柄の木材は劣化しているが人が握った形跡がほとんどない。


「一、二回使ってから手入れもせずにそのままって感じだな」


 畑を作ろうとしたが止めた。

 きっと癒しの魔術を使えなくなったのと似た理由で。

 リレックのように復讐以外の目的がない。見出せなかった。

 フネラルの人生は復讐のためだけにある。


 だが、彼の真なる復讐対象は自分自身であり、死ぬまで終わらない。

 復讐者としては彼の方が正しいのだろうか。

 自分は彼のように真剣に復讐を考えているのか。分からない。


「リレックさんは、そうはならないでくださいね」


 鍬を持つ手にそっと腕を置いてくるライチェ。

 冷たい鉄の温度が心を落ち着かせてくれる。


 あらためて思い直す。

 リレックが復讐したいのは畑を潰した主犯であるツィブレだけ。

 それを阻む者は排除してきたが、

 ツィブレに関わったから全員が復讐対象という訳ではない。


 そんな理由で拳を振るったら、ツィブレと何が違うのか。

 この復讐の拳は、ただ一人に叩きつけるためのものだ。


「とんでもない相手と関わった分の元は取れたみたいだな」

「一番乗り気だったお前だけには言う権利なんぞねえ」


 小さな宝石のような魔道具を持ったシュペナートが苦笑するが、

 そうしたいのはリレックの方だ。

 一番怒りたいのはライチェで間違いないだろうが。


「いきなり気が変わって、禁術の実験台とかにされたりしないでしょうね……」

「フネラルにはそんな事できねえさ」

「しない、じゃなくて……できない?」


 奇妙な言い方に感じたのか、首を捻るライチェ。

 禁術使いの事が全て分かった訳ではない。

 隠している事や言っていない事も当然あるだろう。


 それでも分かる事は、彼は復讐に人生を捧げるが故に真摯だ。

 復讐対象以外は決して傷つけない。


 リレックたちが騎士団に通報し、

 討伐隊が来たのだとしても彼は無抵抗で殺される。

 確信に近いものがある。


「報酬で貰う物はそれでいいのか?」

「ああ。魔導書も貰うけどな」


 なぜか時々がめつくなるシュペナートの魔道具解説を

 聞き流しながら横になる。

 一日に一回、魔術の補助に使えるとかどうとかしか覚えていない。

 長ったらしい解説は丁度いい子守唄だった。


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