始まりの街
掲示板を眺めていた俺は、メンテが明けることを知り現実の準備を済ませて、ログイン開始を待った。灰色だったログインボタンが青いボタンに変わり、ログイン可能な状態になると再び意識を手放した。
キャラクリ画面に似た待機場所で、スポーン可能場所の始まりの街を選択し、視界が暗くなる。閉じたまぶたの先が一向に明るくならない。再びバグか?と目を開けると《スポーン可能まであと、264人待ちです。》
「・・・嘘だと言ってよバーニー(´・ω・`)」
待つこと数分。ようやく自分の番が回ってきた。
視界が暗転し、光が差し込んできたと同時に水の流れる音が聞こえる。
目を開けると、そこにはよく見るRPGやMMMOにでてくる中世ヨーロッパの街並みが広がっていた。後ろを振り返ると先ほどの水が聞こえる原因の噴水があった。
大勢の人の初期スポはたぶんこの噴水の中だったのだろう。
これから、ログインをしてくる人のためにそそくさとこの場を離れる。
フルダイブ型VRMMOで五感を感じると思ったんだが、意外と匂いを感じない。風も感じない。味はどうなんだろう?音は360°から聞こえる。触感は手をニギニギしてみる。現実と同じ感触を感じる。うん、大丈夫そうだ。
メニューからマップを開けるだろうが、せっかくだしこのまま街を巡ってみる。
・・・
ぐるっと一回り歩くこと1時間。よくある武器屋、防具屋、よろず屋、冒険者ギルド等よくある施設は見つけることができた。
なかには染色屋、お食事処、宿屋、居酒屋、訓練場、アスレチック施設、カジノ、スーパー銭湯もあった。
ゲームセンターもあって各企業のゲーム体験版やクレーンゲームがあった。後でやってみよう。
再び中央に存在することが分かった、初期ログイン地点の噴水にやってくる。今もスポーン待ちから解放された人達が次々に入ってくる。友人やゲームの知り合いは皆落選したので知らない人ばかりだ。
観察していると、圧倒的に女性率が高い。性別変更可だからか所謂ネカマという人達だろう。ゲーム内ではリアルのように服を脱げないため、服の上から自分の胸を揉んでいる人もいる。。。
普通ならBAN対象になるのだが、データ収集のためと運営はβに限り黙認すると決め込んでいた。
なんとも居た堪れなくなった俺は、その光景を目に焼き付けながら気になっていたアスレチック施設とゲームセンターのある方に向かっていった。
既にアスレチック施設では、盗賊や猟師職の人々が施設を利用していた。100Mくらいある障害物競争のレーンやマ〇オのステージみたいなレーン。迫りくる甲羅が避けきれずGAME OVERの文字が幾度となく表示される。
もう一つは、ただ上に積み上げられたブロックや大木を上に登るレーン。その昔、探検手帳にて極と言われた塔登山のような建物もある。足を滑らせて、そのまま自由落下や頭から落ちている様子は恐怖を感じる。
SAN値チェックを終えた所で、ゲーセンに向かおうと思ったが街に人があふれ出したためフィールドにでることにした。初の戦闘に向けてワクワクしている自分がいた。
まだ戦闘開始してなくてごめんなさい。
感想も頂けて嬉しい反面、プレッシャーを感じます。。読む側にいるときは楽しいで終われるのに。
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