95.ナハト戦終
アイリスに一撃入れられたナハトは、気を失った。目が覚めて攻撃される可能性をなくすため、キキョウが動けぬよう取り押さえ、徐々に暗闇も薄れていることに気がつく。
「カリノ、大丈夫?」
「うん、これくらいなんともないよ。」
私は、起き上がれるくらいには回復していた。急な攻撃で、体が強ばってしまったんだろう。
「にしてもアイリス、大活躍じゃん。」
「うーん、まぁそうだね。氷結型のことは黙っててごめんよ。」
「そうだよ!めっちゃびっくりしたんだから。でも、アイリスの頑張りに免じて許す!」
別に私が許すとかどうかって話じゃないけど、私は大袈裟にジェスチャー付きで言った。みんなクスクスと笑っている。これでいいんだ。
「暗闇、開けてきたな。」
みんなで話している間に、元いた屋敷が見えてくる。なんだか外はザワザワしている。全ての闇が消えた時、そこには執事やメイドの格好をしている人たちが六人程いる。
「え、みんな出てきて大丈夫なのかよ。」
「大丈夫もなにも、心配過ぎて出て来ずにはいられないっての。」
キキョウと仲良さそうに話したメイドさんは、キキョウの頭にチョップを入れた。結構、痛そう。
「あ。」
「あ。」
救急箱を持ってきてくれたメイドさんとアイリスだ。そうか、この人がアイリスの会いたい人。メイドさんは、アイリスから目を逸らし、私のそばに座る。
「今治療するので。」
メイドさんもアイリスも気まずそうな表情をしている。周りにいる人たちも、キキョウもサフラも心配そうな顔だ。なんで私が挟まれるんだよ。一番知らないからか?メイドさんは、わたしの傷ついたところに布を置いている。救急箱の中をガサゴソしているが、何かがないようだ。
「あの、、冷た?!」
冷たい液体を出していたのは、アイリスだった。いつの間にかしゃがんでいて、自分の氷を溶かし、布に水を当てている。
「ごめん、けどカミツレのガーべは水分がないといけないんだ。だから、少し我慢して。」
アイリスは俯いたまま、淡々と話した。メイドさん、いやカミツレさんも複雑な表情だ。いや、私が一番複雑なんだけどな。
「アイリス、カミツレさんのことよく知ってるんだね。」
私は、このままだといけない気がして、少し嫌味ったらしく言ってみた。
「「な?!」」
「息までピッタリじゃん。」
また二人とも俯いてしまった。だけど、さっきの表情じゃない。耳が少し赤くなっている。二人して照れてるのか、ピュアかよ。
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