93.対ナハト
私たちは四人で背中を合わせる。辺りを見回すが、一面暗闇が広がっているだけだ。
「ナハトって何者?」
「オンブルの三人のうちの一人だよ。暗闇の空間を作り出すガーベ。基本的には個人戦闘には向いていないけど、無能力戦をしたらオンブル一の実力者だよ。」
どこから来るかわからない。近距離戦ってなると、キキョウが敵役なのか。でも、一人に任せるわけにも行かない。
パキッ
(音のした方へ氷を広げる!)
当たった?いや、感触が全くない。
「甘いな。」
背後?!あの音はおとりか!動きが早すぎる。受け身を取るのがやっとだ。反撃するすきがない。急所にだけは入らないようにしないと。
「くそが!」
ナハトの背後からキキョウが現れた。攻撃が当たったものの、ダメージになっている様子はなかった。
「こんなに弱いなら、出直してこいよ。」
「なにを、、、!」
ナハトの声に気を取られた瞬間、みぞうちに蹴りを入れられ、吹き飛ばされた。
「カリノ!」
サフラは私を支え、キキョウは私を守る体制に入った。くそ、こんなところで足でまといにはなりたくないのに、思うように体が動かない。だんだん体が痺れてきた。
「アイリス、こんなんで助けようなんて思ってるのか。そんなんだから、逃げ出すんだろ?」
なんで言い返さないんだよ。アイリスは何を考えているんだ。
「お前じゃ誰も救えない。ヒーロー気取りはおしまいだ。」
アイリスに蹴りが打ち込まれた。なにも抵抗しないアイリス。ふざけるな。私はもう感覚のない体を起こす。
「ふざけるな、アイリス。詳しいことなんて知らないけど、このまま変わらなくていいのかよ!もう一度会わなくていいのか、、。」
限界だ、体の力が抜けた。意識はあるのに、体が動かない。なんでだよ、アイリスのとこに。そうだ、声が出せないなら、。
なんで自分の心を潰そうとしてんだよ。人の心は覗いてるくせに、フェアじゃねえぞ。心の中は見えないのに、なぜか怖がってるように見えるんだ。何に怖がってるのか分からないけど、そんなの私たちでぶっ壊してやるよ、だから、、アイリス!!
「カリノ、、、。うん、ありがとう。僕も変わらなきゃいけないな、ガキのままじゃいられない。」
アイリスの目に、覇気が戻った。というか、前よりも大きくなって見える。
「まか、、したぞ、アイリス、、、。」
「おう、任された!キキョウ、サフラ、カリノを頼む。まだ一人目だ、こんなところで立ち止まってられない。」
やっぱり、アイリスは頼もしいな。でも、どうやって戦うんだ。アイリス、戦闘は苦手なんじゃ。
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