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妄想大好きオタクの私が異世界最強になれるってほんとですか?!  作者: 志波ゆき
第五章 もう一人の仲間
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93.脱獄

私たちは、サネが取ってきてくれた鍵を使って、牢獄を出た。石階段を上がり、屋敷内に入る。


「おいアイリス。なんかおかしいな。」

「うん、僕たちは完全に遊ばれてる。」


たしかに、牢獄の入口にも出口にも人がいなかった。大したセキュリティもある訳でもないだろう。いや、先代のガーベが最大のセキュリティになるのか。


「そういうことだね。」


移動しても向こうからは丸わかり。裏をとってもわかるなら、正面突破の方がいいか。


「こんなに人のおらん屋敷、初めて見るな。」


私たちは牢獄を出てから、様子を見るためゆっくり歩いていた。


「うん。でも、廊下に出てないだけっぽいな。」


人の声が聞こえない私からすると、この屋敷はもぬけの殻のようだ。こんだけでかい屋敷は静かだと、不気味だな。もし今が夜だったらって考えると、鳥肌が立つ。


「会いに行かなくてええの?声、聞こえてるんやろ?」


会いに?誰のことを言ってるんだろ。アイリスを見ると、少し寂しそうな顔をしている。それだけ、大切な人なんだろうか。


「いいよ、別に。もう五年も前の話だ。子どもの出来心だろ。」


ほんとにそうなのか?出来心なら、なんでそんな顔するんだよ。


「会わなくていいの?」

「うん、会わない方がいいような気がしてる。」


アイリスの作り笑い、わかりやすいんだよな。切ないというか、無理している感が。


「会いたくなったら言えよ、俺たちも付き合うから。」

「うん、ありがとう。」


気になる気持ちは、しまっておこう。アイリスのことだ。私が入ることじゃない。


「タニアさん、大丈夫ですかね。」

「継がせるために捕えてるんだ、手を出すことはないだろう。」


そうか、ならいいんだが。もしタニアさんに何かあったら、また怒り狂ってしまいそうだ。ここに来て、自分の感情が大きくなっている。前の私じゃ、仲間もいなかったし、これだけ怒ることもなかった。


「ここまでだ。」

「誰?!」


振り向くと、私たちのいる空間が真っ暗になっていた。近くにいるみんなの顔はわかる。でも、この空間がどれだけ広がっているのか、距離感が全くわからない。


「この能力、ナハトか。」

読んでいただきありがとうございます

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