92.覚悟
「未来予知を覆すって、死ぬかもしれないんやで?!」
「うん、わかってるよ。」
「カリノは、まだ知り合って間もない。それなのに、もっとこの世界を知るべきや!」
サフラの言うこともわかる。でも、
「でも、こんなとこで逃げないよ。知り合って間もない、それはそうだよ。だけど、それでも助けたいって思う。何も知らない私をパーティに入れてくれた。予知があったからって、そう簡単にいかないだろ。こんな私を認めてくれて、居場所も作ってくれた。会ってからの時間?そんなの関係あるもんか!私はみんなとこの世界を知りたい、誰かが欠けるなんて、一人になるのも、させるのも、絶対に嫌だ。」
ついつい、感情に任せて話してしまった。息が切れてる。感情が昂っている。でも、それくらい大切な場所ってことだ。
「そうやね、カリノがこんなに思ってくれてるんに、うちは何言ってるんやろ。」
サフラは俯いていた目をスっと正面に戻した。
「うちも死ぬ覚悟なら、この屋敷を出た時から出来とる。変なこと言ってごめんなカリノ。」
「いいんだよ、傍から見れば私がおかしいと思うから。」
これからどうしようか。ここのことを知ってるのは、三人だし、、。私はチラッとアイリスとキキョウのことを見た。二人とも私の方を見ていた。
「ちんちくりん、俺もやるよ。俺もこの居場所を崩したくない。」
「僕はね、正直サフラ派の考えだったよ。カリノがそこまですることはないって思ってた。だけど、カリノの言葉を聞いたら変わっちゃったよ。」
あとはタニアさんだけだ。言葉で伝えるだけじゃ先代には届かないだろう。力ずく?そんなことしたら、逆に良くない気がする。というか、まずはここから出ないと。
「ここから出るのは簡単だよ。」
「え?」
「もうそろそろ来ると思う。」
屋敷の中に仲間がいるのか?さすがだな。
「え、いないよ?」
「は?」
突然、牢獄の入口にかけてある鍵が動いた。心霊現象?この牢獄に囚われたまま亡くなった人とか?でも、その鍵はドンドン近づいてくる。
「お疲れ様、サネ。」
「え、サネ?!」
鍵しかなかったところに、サネが現れた。サネってそんな器用なことできるの?
「サリュにいた時、僕たち連れていかれてしまうから、屋敷に来てって手紙をサネにつけておいたんだ。」
サネがあれ以上小さくなれるなんて。
「サネ、ありがとう。主の私が気づかなくてごめん。」
「そんなことはありませぬ。主たちは、わしの居場所でもある。力を貸すに決まっていますぞ。」
よし、役者は揃っただろう。反撃の時間だ。
読んでいただきありがとうございます!




