91.地下牢
タニアさんと私たち四人は引き離されてしまった。離れる時、みんな抵抗していなかった。ここで関係ない私だけが目立つのは違うと思い、大人しくしていた。でも、最後にタニアさんが、
「来ないで、、、。」
「ここに入ってろ。」
連れてこられたのは、牢獄だった。貴族の家の地下には、こんなものがあるのか。日本じゃないな、たぶん。私たちは、みんな同じ部屋に入れられた。なんでだろう、これじゃあ、脱獄の計画とか色々組まれてしまうんじゃないか?
「それもあの人の策だよ。」
「脱獄の計画が?」
「うん、僕たちが脱獄することは想定内だろうね。」
まぁそうか。ここまで冒険してきて、仲間を見捨てるわけが無いし。放っておけない。
「ねぇタニアさん、最後に来ないでって言ってた。」
「きっと未来予知をしたんだろう。」
「きっと俺たちの身になにか起こるんだろう。」
私はこの家の事を全然知らない。全部みんな任せになってしまいそうだ。
「この家には、強者が四人いる。」
「オンブルの三人と先代だ。」
オンブルはわかる、捕えられたときに実感した。でも、先代も?そんな感じには思えなかった。会った時に感じた不気味感が関係しているのだろうか。
「してるかもね、四人の中で先代のガーベだけはわかってる。あの人は、この屋敷全体を監視できるんだ。だから、私たちがなにか行動をするとすぐにバレる。」
「オンブルは?」
「オンブルはわかんねぇんだよ。俺たちは、あいつらの体術しか見たことない。」
体術だけであの力、もしガーベを使われてしまったらどうなるのか。想像もしたくない。私たちは、殺されてしまうのだろうか。来ないでってことは、助けに行くと何かが起こってしまう。
「どうする?」
「関係ないよ、助けに行かないなんて選択、最初からない。」
「そういうと思ったぜ!」
「ねぇ未来予知って覆すこと出来ないの?」
未来予知がどの程度のものなのか、知っておきたい。
「今のところ外れたことは無いな。」
「でも、覆るかどうかもわからない、と。」
「そういうこと。」
「じゃあ、私たちで覆そう。未来予知なんて関係ないって。タニアさんのガーベは、人の不幸を見るためじゃない、人を救うことができるガーベだって証明するんだ。」
読んでいただきありがとうございます。




