8.みんなのガーベ
「本当に入ってくれるの?!」
うー、推しの顔が目の前に。もうこの際、この人たちと一緒に行動することが増えるんだ。ちゃんと推しとこの世界の人、別々に考えるように頑張ろう。それはそうと、私のガーベは複数あると言っていたけど、一体どういう系統なのだろうか。
タニアさんは未来予知型、キキョウさんは変形型、アイリスさんは通信型。あれ?サフラさんのガーベは?さっきから、ずっと笑って見ているだけだけど。
「あぁ、サフラは移動型だよ。だけど、人や物を視界に入れてしまうと自分が想像していなくてもガーベがでてしまう。それに、移動型はエネを多く使うから、使いすぎるとサフラの目がもたない。だから、大事な時にしか使えないんだ。」
「大変なんですね。あ、それとエネって何ですか?」
「燃料のようなものだよ。使う度に消費するから、使いすぎるとガーベが使えなくなる。消費量は系統や範囲によって変わってくるから気を付けて。あ、エネも人によって個人差あるから」
じゃあ、私のエネ量を知るには一度たくさんガーベを出すしかないのか。サフラさんは目が細いだけかと思っていたがガーベのせいで目を開けることに制限がついているのか。だけど、不自由にしている様子は見られない。他にもサフラさんのように、不自由な点が各ガーベにあったりするのかな。私も確認してみないと。
「さぁ、早速ベルグングへ登録しにギルドまで行きましょう!」
「タニアさん何か張り切ってませんか?」
「お嬢はずっとベルグングに入りたかったんですよ。だけど、中々もう一人が集まらなくて。だから、君が現れてくれて本当に良かった。改めて礼を言うよ。」
「いえ、そんな礼なんていいですよ。」
ただの妄想オタクに感謝なんてしないでください。この気持ちをアイリスさんが聞いているかは知らないですけど!自分に気を使って妄想をやめるのはしんどいので、アイリスさんのガーベは大事な時以外、無視します。
「そういえば、私のガーベの系統って何ですか?」
「一つは空間型、二つ目は取得型だろうね。ものを何もない場所から取り出したり、呼び寄せたりって言うのはその二つの型を組み合わせないとできないんだ。」
なかなかに難しいな。ただ妄想するだけじゃなくて何を組み合わせたりっていうのも考えないと、自分じゃできないかもしれない。悩んで足手まといになるわけにはいかない。
「たぶん君はどう想像しても大丈夫だと思うよ。タニアの未来予知でね、近いうちに複数持ち、それも二つや三つじゃ収まらないほどの人間が現れるって出たんだよ。だから、最初のうちは自由に想像してみて、君が他になにを持っているのか見てみよう。」
「カバーはうちらに任せな!」
急にサフラさんが出てきたからびっくりした。だけど、なぜかこの人たちとならやっていける気がしている。迷惑かけないように自分をしっかり磨こう。
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