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妄想大好きオタクの私が異世界最強になれるってほんとですか?!  作者: 志波ゆき
第五章 もう一人の仲間
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78.黒ずくめの集団

アイリスが音を聞いた場所まで戻ってきた。やはり、私にはまだ何も聞こえない。


「もう少し進んでみよう。」


重くなっている足を少しずつ進める。さっきは、みんながいたから強がれたけど、一人だとさすがに怖い。ホラーゲームで多少耐性はあるが、リアル過ぎる。というか、今の私にとっては現実なのだ。


「、、、、だろう。」


今、なにか聞こえた。人の声、だったような。そこから少しずつ進むと、声が近くなっているのがわかる。でも、アイリスの言うように声ともまた違うような、不気味な感じがする。


「我が主に命の盃を捧げろ!」


なんだ、命の盃って。柱に隠れながら、声がする方向を見る。黒いマントに身を隠した人が十人くらいいる。人、でいいのかな?話し声までは聞こえない。もう少し近寄れたら。


パキッ!


やばっ!足元全く気にしてなかった。咄嗟に息を殺す。


「なんの音だ。ネズミか?」


向こうが近ずいて来ているからなのか、私の聴覚が敏感になっているからなのか、話し声がさっきよりもハッキリと聞こえてくる。どうしようか、このままでいても向こうに見つかれば、私が確実に負ける。先手必勝、私が威嚇してしまった方が逃げやすくなるか。考えていてもしょうがない、一か八かだ!


「おい!お前らは何者だ!」

(そこにいる奴らを取り囲むように氷を張る!)


相手も突然のことで驚いているようだ。どれくらいのレベルなんだろうか。私一人でどうにかなる、わけないよな。


「そいつはまだだ、、、」


ぼやけた声が聞こえた瞬間、黒ずくめの集団は一瞬で消えた。


「え、、」


一瞬のことすぎて、頭がついて行かない。全然見えなかった。ただの移動で差を感じるなんて。ひとまず戻ろう。あいつらがいなくなってから、嫌な雰囲気はしなくなった。一瞬だけ見えた、マントのマーク。色々と報告することがありそうだ。


「おまたせ。」


古城の外に着くと、みんな少し元気を取り戻しているようだった。


「大丈夫?」

「うん、とりあえず大丈夫かな。でも、色々と報告することができたから、ギルドに話す時にみんなにも話すよ。」


そこからギルドへ戻り、古城で何があったかを話した。黒ずくめの集団がいたこと。そのマントには、剣とヘビが描かれていたこと。命の盃を捧げろ、という言葉を発していたこと。ギルドには、詳しい情報がなかった。ベルグング本部へと送り、調査をするそうだ。


「正直、不安だよな。」

「うん、アイリスの聞いた嫌な音ってのが特に」

「私たちも気にする必要がありそうですね。」


とりあえず、情報を待つしかない。情報は、早くて明日に届くらしい。私たちは、古城での疲れを癒すため、温泉に浸かり、美味しい夕ご飯を食べ、すぐさま寝た。しかしこの時の私たちは、これから何が起こるのか知る由もなかった。

読んでいただきありがとうございます。

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