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妄想大好きオタクの私が異世界最強になれるってほんとですか?!  作者: 志波ゆき
第五章 もう一人の仲間
77/128

77.音

タニアさんとキキョウが聞こえている声の正体を確かめるべく、私たちは古城の奥に進むことにした。


「本当に行くんですか?」

「これは古城の探索クエストや、行かないでどうするん。」


珍しくサフラが前に出てる。心做しかワクワクしているような気がする。


「サフラは、意外とオカルト好きなんだよ。」


アイリスが耳元でコソッと言ってきた。たしかに意外ではある。だって、サフラ目開けれないじゃん。雰囲気で感じ取ってるってこと?


「そこは気にしないであげて」


アイリスも今気がついたようで、クスクスと笑っている。私は震える二人に締め付けられながら、歩き出した。奥に入るにつれて薄暗くなっていく。まだ声は聞こえていない。


「ちょっと待って!」


サフラが急に声を出して止まる。なにか感じたんだろうか。


「うちにも声が聞こえるようになった。でもこれ、おばけじゃないんやないか。」

「サフラ、もう少し近ずいて見よう。とりあえず私とアイリスが聞こえる距離まで。」

「カリノ、待って。」


そう言ったのは、タニアさんでもキキョウでもなく、アイリスだった。私の服の裾を掴み、震えているのが伝わってきた。


「アイリス、大丈夫?」


アイリスの顔は青ざめていた。あ、そうかアイリスは人の心が読めるから。ということは、向こうにいるのはおばけじゃない、人間だ。サフラの感は当たってる。


「カリノ、この音聞きたくない。こんな感じ初めてだ。聞こえるのが声じゃないんだ、音なんだよ。」

「これ以上進むのは危険かな。」


でも、誰がいるのか謎にしたままはよくないかも。でも、こんなに震えてるアイリスを初めて見た。ただ事じゃない、それだけはわかるんだ。


「一旦戻ろうか。アイリスもこれ以上は無理そうだし。二人も怖そうだし。」

「でも、それじゃあクエストが、」

「そこは心配いらないよ。三人をベーアの所に送ったあと、私が確認してくる。」


それが最前の方法だろう。無理に行かせてしまっても、危険にさらしてしまう。


「うちは動けるよ?」

「動ける人がどちらか三人のそばにいた方がいい。それに何かあった時、サフラなら三人を連れて移動できる。」

「うちは戦うことが不利やしな。わかったで。」


外に出ると、少し日が傾いて来ていた。早めに終わらせないと、古城の中も真っ暗になってしまう。


「ベーア、四人をよろしく頼むよ。」

「任せてくだされ。」


私だって、怖くないわけじゃない。不穏な音ってのが気になるけど、行ってみないと何も分からない。私はみんなで歩いた道を戻り、奥に入っていく。



読んでいただきありがとうございます!

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