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妄想大好きオタクの私が異世界最強になれるってほんとですか?!  作者: 志波ゆき
第五章 もう一人の仲間
74/128

74.誰かのヒーロー

「カリノさんもヒーローになりたいんですか?」


お兄ちゃんは私にとって、ヒーローだった。それは、あの時助けてくれたからじゃない。昔からずっと、ヒーローだった。私はお兄ちゃんに憧れてた。


「私は、なんだろう。ただ憧れてただけ。私はお兄ちゃんのようには、なれないです。私はあんないい人じゃない。」


笑えているだろうか、引きつってはいないだろうか。悲しい顔はさせたくない。もう過去の話が始まっている時点で暗い雰囲気だが、こんな話だからこそ、明るくありたい。


「別にお兄さんのようになる必要はないんじゃないですか?」

「え?」

「カリノさんはカリノさんなりのヒーローでいいんです。目指しましょうよ、カリノさんなりのヒーロー!」


私にはタニアさんが眩しく見えた。私なりのヒーロー。それでいいのか。それなら、私でもヒーローに。


「なれるさ、カリノなら。」

「ああ、なんたって俺たちの危機を救ってくれたやつだからな!」

「うちらの中でカリノは、もうヒーローだよ。」


私は少し、お兄ちゃんから卒業しないといけないな。ずっとお兄ちゃん基準だった。今度は、あの時伸ばせなかった手を伸ばすよ。だから、お兄ちゃんには見守っていて欲しい。まぁ、異世界まで見えてたらの話だけどね。


(俺をなめるな、ちゃんと見えてる。)


私は後ろを振り向いた。お兄ちゃんの声が聞こえた気がしたからだ。


「どうかしました?」

「いや、なんでもないです。」

「ちんちくりんの兄ちゃん、案外この世界にいるかもな。」

「いやいや、そんなわけ。」


もし居たら、私はどうするんだろうか。


「よし、気持ち切り替えていこう!今日はとりあえずいいか。明日からまたクエスト再開だ!!」

「頑張りましょう!」


私もこのパーティについていけるように、頑張ろう。

読んでいただきありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 一気にここまで読みました。 パーティーのメンバーがそれぞれの過去のことを打ち明けて、みんな優しく受け止めて結束が強まる過程が、とても良いですね。 カリノちゃんのチカラの源、もうメンバーには…
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