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妄想大好きオタクの私が異世界最強になれるってほんとですか?!  作者: 志波ゆき
第五章 もう一人の仲間
72/128

72.みんなと私

「もちろん大反対されたさ。フロストはすぐにタニアと僕の家にチクったよ。」

「私たちは家での立場を失いました。」

「アイリスもタニアも部屋に閉じ込められちまった。」


常識や家柄に反した者を潰すのか。そんなこと、あっていいのかよ。あれ、でも二人はここに。


「そう、出てこれたんだ。まぁ、出して貰えたわけじゃないけど。」

「タニアを連れ出すのは、簡単だったよ。うちがずっとついてたから、ガーべで一発。」

「問題はアイリスだった。でも、置いていくなんて選択はなかった。アイリスのガーべでやり取りして、俺が最終的には突っ込んだんだ。」


難しい問題をたくさん乗り越えてる。この四人の信頼関係や雰囲気はそこから来てるんだ。そして、初めて会った時、キキョウが狂犬みたいだったのも仲間を守るためだったんだ。


「あれ、でもキキョウとサフラは大丈夫だったの?」

「あぁ、俺たちはあまりフロストと関わってなかったからな。おかげで動きやすかった。」


そんな過去があったんだ。今は家出中ってことか。そりゃ話しずらいよな。家に追いかけられたりしないんだろうか。


「今は放っておかれてるよ。家で話に出たりはしてるみたいだけど。まぁ珍しいことじゃないんだよ。」

「現にねねも家を出てるだろ?」

「たしかに。」


異世界の家事情は、私の知ってる世界とはかけ離れてる。


「私は家の事情とか、全部を理解できる訳じゃない。だから、意見が合う仲間として、みんなに手を貸すよ。たぶんこれから色んなことが起こる。このことを知った上で私を貫くよ。」

「そうしていただけると、嬉しいです。」


みんなは過去を話してくれた。私はどうだ。まだ思い出すのが辛いか?違う、私は過去から目を背けたいだけなんだ。


「大丈夫ですか?」


タニアさんが心配そうに顔を覗き込んでくる。私はタニアさんたちのおかげで、変われそうなんだ。タニアさんたちは、しっかり過去と向き合ってる。嫌な記憶のまま、心の奥底に沈めていない。私は?私はみんなみたいに強くない。なりたくてもなれなかった。だから、現実を見なくなった。


「カリノ、焦らなくていい。カリノのペースでいいんだ。僕達は、フロストとの事があったから、話したいと思った

。前にカリノも言ってただろ?自分が話したいって思ったタイミングでいい。僕たちも待ってるから。」


アイリスは私の肩に手を置いてくれた。私はみんなの顔を見た。なんて暖かいんだ。その暖かさに触れて、自然と涙が流れていた。

読んでいただきありがとうございます!

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