7.パーティ加入
「それでは、この世界での能力。ガーベについて少し話をしよう。」
この世界で能力のことはガーベって言うのか。ベルグングやら、新しい情報が多すぎて、もうすでに頭がパンパンになりそうだ。
「ガーベは想像を元に発生するんだ。まぁ、人によって得意な分野はあるけど。例えばだけどキキョウなんかは分かりやすいタイプ。」
アイリスさんがキキョウさんを見ると、すごく集中し始めた気がする。すると、キキョウさんの腕がだんだんと変形していき、拳が大きくなった。
「まぁ、こんなもんかな」
そんな平然とやってのけるのか。キキョウさんは大きくなった拳を少し回していた。初めて見る光景に私は、唖然としていた。これがガーベ。この力を使って世界を救う。
「さっきも言った通り、人によって得意なものが違う。だから、ぼくなんかはキキョウが得意とする変形型は使えないんだ。」
「私は何かガーベが使えるんですか?」
「まさか、気づいていない状態で使っていたの?今君が持っているものはなんだ?」
私が今手に持っているもの。氷のう?冷たいものが欲しいと思って・・・。これもガーベの一種ってこと?
「気づいた?君が使っているそれはガーベによって出したもの。君が消したいと想像したら手元からなくなるだろうよ。」
私は試しに想像してみた。
(この氷のうはもう使わないかな。)
すると、アイリスさんの言ったように手元から氷のうがなくなった。知らないうちにガーベを使っていた。
「特に君はガーベの複数持ち。是非、私たちと共にベルグングに所属して欲しい。」
「待って下さい!ただ複数持ちってだけで、そこまで重要ですか?」
「この世界には、なかなか複数持ちはいねぇんだよ。それだけでもう希少なんだよ。」
希少だからと言って、使えるガーベだとは限らない。それに例えそれが使えたとしても何も分からない奴がその場に出てすぐ行動出来るかって話だ。
「その辺は大丈夫。ぼくがいるから。ぼくのガーベは通信型だから、君が思ってることは大体分かるし、ぼくが思っていることを伝えられる。心配しなくていいよ。」
「あと、私が未来予知型なのでカリノさんには大きな力があるとわかります。」
ちょっと待って、私にとってはアイリスさんのガーベが一番怖い。変な妄想できないじゃないか。タニアさんの言う、大きな力っていうのも、元はオタクな私の妄想。なんか、恥ずかしいというか、死にたくなって来る。
でも、少し考えてみるとこのパーティは、戦闘力に欠けている。私が入るとバランスを成すことが出来るのか。
「君の思っている通りだよ。」
う、見透かされている。
「ぼくのことは気にしないでね?」
「もう分かりましたから、心の声と会話しないで下さい!協力しますよ。ただし、足手まといになっても知りませんから。」
読んでいただきありがとうございます。
カリノがパーティに加入決定!