69.対立
「なんだよ、その目は。モンスターに情を持てとでも言うのか?」
「ベーアは大人しくなる方法があった。そりゃ、人が生きていくために討伐を辞めることは出来ないかもしれない。だけど、加減ってものがあるだろ!なんでも無造作に殺せばいいってもんじゃねぇよ!」
フロストの胸ぐらを掴んでいる手に力が入る。
「よく周りを見ろ、今不信の目を向けられてるのは、お前だ。」
私はハッとなり周りを横目で見る。たしかに、この世界の常識に反したことを言っているかもしれない。それにナンバーワンであるフロストに掴みかかっている。変なのは私だ。でも、私はこの世界に来たばかりだ。そんなものは知らない。
「周りの目なんてどうでもいい。後悔しないための選択だ、」
「あ?聞こえねぇよ。」
「周りの目なんてどうでもいいって言ったんだよ。生きるためにはモンスターを殺しても、しょうがないってことだろ?」
「あぁ、それがここでは当たり前だ。だからなんだよ。」
「だったら、人間がモンスターに攻撃され、もし死んだとしても、しょうがないってことだな。」
周りが少しザワっとした。でも、間違っているとは思わない。日本は食に感謝する。その文化はここにはない。
「それとこれとは話しが、」
「違わねぇだろ。モンスターも生きるためにやってることだろうが。」
これがこの世界全体の常識なんだとしたら、私はもうギルドにはいられないか。
「カリノ、お前がそいつらのパーティに入ったのは必然だったのかもな。」
「え?」
私は思わず、みんなの方を見る。みんなの目も怒りに満ちていた。
「ええ、カリノの考え方は私たち寄りでした。」
「でも、お前らが出ていってから何年経った。なんの成果もあげられてないな。」
フロストは私の前から外れて、タニアさんの目の前に立った。私がこのパーティに入ったのが必然。フロストはそう言った。天使様はこのために私をここへ連れてきたのか?
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